$\triangle ABC$ において、$AB=3$, $BC=5$, $\angle ABC=120^{\circ}$ とする。このとき、$AC$, $\sin \angle ABC$, $\sin \angle BCA$ を求めよ。また、直線 $BC$ 上に点 $D$ を、$AD = 3\sqrt{3}$ かつ $\angle ADC$ が鋭角となるようにとる。点 $P$ を線分 $BD$ 上の点とし、$\triangle APC$ の外接円の半径を $R$ とするとき、$R$ のとりうる値の範囲を求めよ。

1. 問題の内容

$\triangle ABC$ において、$AB=3$, $BC=5$, $\angle ABC=120^{\circ}$ とする。このとき、$AC$, $\sin \angle ABC$, $\sin \angle BCA$ を求めよ。また、直線 $BC$ 上に点 $D$ を、$AD = 3\sqrt{3}$ かつ $\angle ADC$ が鋭角となるようにとる。点 $P$ を線分 $BD$ 上の点とし、$\triangle APC$ の外接円の半径を $R$ とするとき、$R$ のとりうる値の範囲を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、余弦定理を用いて $AC$ の長さを求める。

$AC^2 = AB^2 + BC^2 - 2 \cdot AB \cdot BC \cdot \cos \angle ABC$

$AC^2 = 3^2 + 5^2 - 2 \cdot 3 \cdot 5 \cdot \cos 120^{\circ}$

$AC^2 = 9 + 25 - 30 \cdot (-\frac{1}{2})$

$AC^2 = 34 + 15 = 49$

$AC = 7$

次に、正弦定理を用いて $\sin \angle ABC$ を求める。

$\sin 120^{\circ} = \frac{\sqrt{3}}{2}$

次に、余弦定理を用いて $\cos \angle BCA$ を求める。

$\cos \angle BCA = \frac{BC^2 + AC^2 - AB^2}{2 \cdot BC \cdot AC} = \frac{5^2 + 7^2 - 3^2}{2 \cdot 5 \cdot 7} = \frac{25 + 49 - 9}{70} = \frac{65}{70} = \frac{13}{14}$

$\sin^2 \angle BCA + \cos^2 \angle BCA = 1$ より、

$\sin^2 \angle BCA = 1 - \cos^2 \angle BCA = 1 - (\frac{13}{14})^2 = 1 - \frac{169}{196} = \frac{196 - 169}{196} = \frac{27}{196}$

$\sin \angle BCA = \sqrt{\frac{27}{196}} = \frac{3\sqrt{3}}{14}$

$AD = 3\sqrt{3}$ であり、$D$ は $BC$ 上の点である。$\angle ADC$ が鋭角であることから、$D$ は $B$ と $C$ の間にある。線分 $BD$ 上に点 $P$ をとる。$\triangle APC$ の外接円の半径を $R$ とすると、正弦定理より $2R = \frac{AC}{\sin \angle APC}$ である。$AC=7$ なので、$2R = \frac{7}{\sin \angle APC}$ となる。

$P$ が $B$ に限りなく近いとき、$\angle APC$ は $\angle ABC$ に限りなく近づくので、$\sin \angle APC$ は $\sin \angle ABC = \frac{\sqrt{3}}{2}$ に限りなく近づく。このとき、$2R = \frac{7}{\frac{\sqrt{3}}{2}} = \frac{14}{\sqrt{3}} = \frac{14\sqrt{3}}{3}$ なので、$R = \frac{7\sqrt{3}}{3}$

$P$ が $D$ に限りなく近いとき、$\angle ADC$ は鋭角であり、$\angle ADC$ は最大になるのは $\angle ADC = 90^\circ$ のときである。

$AC = 7$, $AD = 3\sqrt{3}$, $CD^2 = AC^2 - AD^2 = 7^2 - (3\sqrt{3})^2 = 49 - 27 = 22$ なので $CD = \sqrt{22}$ となる。よって、$BD = BC - CD = 5 - \sqrt{22}$

$BD$ 上の点 $P$ に対して、$R$ は $P=B$ のとき最大、$P=D$ に近づくにつれて小さくなる。よって、R の範囲は $\frac{7}{2} < R \le \frac{7\sqrt{3}}{3}$ と予想される。

3. 最終的な答え

AC=7, sin ∠ABC=$\frac{\sqrt{3}}{2}$, sin ∠BCA=$\frac{3\sqrt{3}}{14}$, $\frac{7}{2} < R \le \frac{7\sqrt{3}}{3}$