一辺の長さが1の正四面体ABCDと2点P,Qがあり、$\vec{AP}=2\vec{AC}$、$\vec{BQ}=2\vec{BD}$ を満たしている。$\vec{AB}=\vec{b}$、$\vec{AC}=\vec{c}$、$\vec{AD}=\vec{d}$とするとき、 (1) $\vec{PQ}$を$\vec{b}$、$\vec{c}$、$\vec{d}$を用いて表せ。 (2) 点Rが辺CD上を動くとき、$\triangle PQR$の面積の最小値を求めよ。ただし、内積を使って答えよ。

幾何学ベクトル空間図形内積面積正四面体
2025/5/5

1. 問題の内容

一辺の長さが1の正四面体ABCDと2点P,Qがあり、AP=2AC\vec{AP}=2\vec{AC}BQ=2BD\vec{BQ}=2\vec{BD} を満たしている。AB=b\vec{AB}=\vec{b}AC=c\vec{AC}=\vec{c}AD=d\vec{AD}=\vec{d}とするとき、
(1) PQ\vec{PQ}b\vec{b}c\vec{c}d\vec{d}を用いて表せ。
(2) 点Rが辺CD上を動くとき、PQR\triangle PQRの面積の最小値を求めよ。ただし、内積を使って答えよ。

2. 解き方の手順

(1) PQ\vec{PQ}を求めるために、AP\vec{AP}AQ\vec{AQ}を求め、PQ=AQAP\vec{PQ} = \vec{AQ} - \vec{AP}を用いる。
AP=2AC=2c\vec{AP} = 2\vec{AC} = 2\vec{c}
AQ=AB+BQ=b+2BD=b+2(ADAB)=b+2(db)=2db\vec{AQ} = \vec{AB} + \vec{BQ} = \vec{b} + 2\vec{BD} = \vec{b} + 2(\vec{AD} - \vec{AB}) = \vec{b} + 2(\vec{d} - \vec{b}) = 2\vec{d} - \vec{b}
PQ=AQAP=(2db)2c=b2c+2d\vec{PQ} = \vec{AQ} - \vec{AP} = (2\vec{d} - \vec{b}) - 2\vec{c} = -\vec{b} - 2\vec{c} + 2\vec{d}
(2) 点Rは辺CD上にあるので、ある実数tt (0t10 \le t \le 1)を用いて、AR=(1t)AC+tAD\vec{AR} = (1-t)\vec{AC} + t\vec{AD}と表せる。すなわち、AR=(1t)c+td\vec{AR} = (1-t)\vec{c} + t\vec{d}である。
PR=ARAP=(1t)c+td2c=(t+1)c+td\vec{PR} = \vec{AR} - \vec{AP} = (1-t)\vec{c} + t\vec{d} - 2\vec{c} = -(t+1)\vec{c} + t\vec{d}
QR=ARAQ=(1t)c+td(2db)=b+(1t)c+(t2)d\vec{QR} = \vec{AR} - \vec{AQ} = (1-t)\vec{c} + t\vec{d} - (2\vec{d} - \vec{b}) = \vec{b} + (1-t)\vec{c} + (t-2)\vec{d}
PQR\triangle PQRの面積SSは、
S=12PR×QRS = \frac{1}{2} |\vec{PR} \times \vec{QR}|
PR×QR=((t+1)c+td)×(b+(1t)c+(t2)d)\vec{PR} \times \vec{QR} = (-(t+1)\vec{c} + t\vec{d}) \times (\vec{b} + (1-t)\vec{c} + (t-2)\vec{d})
=(t+1)c×b(t+1)(t2)c×d+td×b+t(1t)d×c= -(t+1)\vec{c} \times \vec{b} -(t+1)(t-2)\vec{c} \times \vec{d} + t \vec{d} \times \vec{b} + t(1-t)\vec{d} \times \vec{c}
=(t+1)b×c(t+1)(t2)c×dtb×d+t(t1)c×d= (t+1)\vec{b} \times \vec{c} - (t+1)(t-2)\vec{c} \times \vec{d} - t \vec{b} \times \vec{d} + t(t-1)\vec{c} \times \vec{d}
=(t+1)b×ctb×d+(t2+2tt+2+t2t)c×d= (t+1)\vec{b} \times \vec{c} - t \vec{b} \times \vec{d} + (-t^2 + 2t -t + 2 + t^2 - t)\vec{c} \times \vec{d}
=(t+1)b×ctb×d+2c×d= (t+1)\vec{b} \times \vec{c} - t \vec{b} \times \vec{d} + 2\vec{c} \times \vec{d}
ここで、ab=bc=ca=12\vec{a} \cdot \vec{b} = \vec{b} \cdot \vec{c} = \vec{c} \cdot \vec{a} = \frac{1}{2}a=b=c=1|\vec{a}| = |\vec{b}| = |\vec{c}| = 1 である。
b×c2=b2c2(bc)2=1212(12)2=114=34|\vec{b} \times \vec{c}|^2 = |\vec{b}|^2|\vec{c}|^2 - (\vec{b} \cdot \vec{c})^2 = 1^2 \cdot 1^2 - (\frac{1}{2})^2 = 1 - \frac{1}{4} = \frac{3}{4}. したがって b×c=32|\vec{b} \times \vec{c}| = \frac{\sqrt{3}}{2}.
同様に b×d=c×d=32|\vec{b} \times \vec{d}| = |\vec{c} \times \vec{d}| = \frac{\sqrt{3}}{2}.
また、b×c\vec{b} \times \vec{c}, b×d\vec{b} \times \vec{d}, c×d\vec{c} \times \vec{d} は互いに垂直である。
4S2=(t+1)b×ctb×d+2c×d24S^2 = |(t+1)\vec{b} \times \vec{c} - t \vec{b} \times \vec{d} + 2\vec{c} \times \vec{d}|^2
=(t+1)2b×c2+t2b×d2+4c×d2= (t+1)^2 |\vec{b} \times \vec{c}|^2 + t^2 |\vec{b} \times \vec{d}|^2 + 4 |\vec{c} \times \vec{d}|^2
=(t2+2t+1)34+t234+434=34(2t2+2t+5)= (t^2 + 2t + 1)\frac{3}{4} + t^2 \frac{3}{4} + 4\frac{3}{4} = \frac{3}{4}(2t^2 + 2t + 5)
4S2=34(2(t2+t)+5)=34(2(t+12)212+5)=34(2(t+12)2+92)4S^2 = \frac{3}{4}(2(t^2 + t) + 5) = \frac{3}{4}(2(t+\frac{1}{2})^2 - \frac{1}{2} + 5) = \frac{3}{4}(2(t+\frac{1}{2})^2 + \frac{9}{2})
S2=316(2(t+12)2+92)S^2 = \frac{3}{16}(2(t+\frac{1}{2})^2 + \frac{9}{2})
S2S^2 が最小になるのはt=12t = \frac{-1}{2}のときだが、0t10 \le t \le 1であるので、t=0t=0またはt=1t=1の時に最小になる。
t=0t=0のとき、4S2=34(5)=1544S^2 = \frac{3}{4}(5) = \frac{15}{4}S2=1516S^2 = \frac{15}{16}S=154S = \frac{\sqrt{15}}{4}
t=1t=1のとき、4S2=34(2+2+5)=34(9)=2744S^2 = \frac{3}{4}(2+2+5) = \frac{3}{4}(9) = \frac{27}{4}S2=2716S^2 = \frac{27}{16}S=334S = \frac{3\sqrt{3}}{4}
よって、t=0t=0のとき面積が最小になるので、最小値は154\frac{\sqrt{15}}{4}.

3. 最終的な答え

(1) PQ=b2c+2d\vec{PQ} = -\vec{b} - 2\vec{c} + 2\vec{d}
(2) 154\frac{\sqrt{15}}{4}

「幾何学」の関連問題

図において、$\angle x$ の角度を求める問題です。図には、$\angle x$ と、それぞれ $141^\circ$、 $83^\circ$ の角度が示されています。

角度三角形内角の和補角
2025/5/6

図において、角度$x$の大きさを求める問題です。図には、三角形の一つの内角が35度、もう一つの内角の外角が131度と示されています。

角度三角形内角外角
2025/5/6

問題は2つあります。 (4) $0^\circ \le \theta \le 180^\circ$ の範囲において、$\sin \theta = \frac{1}{\sqrt{2}}$ を満たす $\...

三角比角度sincos三角関数
2025/5/6

図において、角度 $y$ の大きさを求める問題です。三角形の一つの内角が $40^\circ$ で、その隣の外角が $68^\circ$ であるときの、角度 $y$ の大きさを求めます。

角度三角形内角外角
2025/5/6

与えられた図において、$x$ の角度を求める問題です。図には、三角形の一つの外角 $x$ と、それに向かい合わない二つの内角 $40^\circ$ と $68^\circ$ が示されています。

角度三角形外角内角
2025/5/6

図において、角$x$の大きさを求める問題です。図には、角度が$36^\circ$の角と、角度が$90^\circ$の角、そして角度が$x$の角が示されています。

角度三角形内角の和直線
2025/5/6

三角形の一つの外角が $115^\circ$ で、もう一つの内角が $45^\circ$ であるとき、残りの外角 $x$ の大きさを求める問題です。

三角形外角内角角度
2025/5/6

図に示された三角形において、指定された角 $y$ の大きさを求める問題です。三角形の一つの角は $45^\circ$ で、角 $y$ の外角は $115^\circ$ と与えられています。

三角形角度外角内角
2025/5/6

三角形が与えられており、そのうち2つの角度が分かっています。 $45^\circ$ と $115^\circ$ (外角) です。 角度 $x$ を求めます。

三角形内角外角角度
2025/5/6

図において、与えられた角度(30°, 45°, 36°)を用いて、∠xの角度を計算する問題です。

角度三角形内角の和対頂角
2025/5/6