原点から出発して数直線上を動く点Pがある。さいころを投げて2の倍数が出たら+2だけ移動し、それ以外の目が出たら-1だけ移動する。さいころを10回投げたとき、Pの座標Xの期待値 $E[X]$ と分散 $V[X]$ を求めよ。

確率論・統計学期待値分散確率変数サイコロ
2025/5/6

1. 問題の内容

原点から出発して数直線上を動く点Pがある。さいころを投げて2の倍数が出たら+2だけ移動し、それ以外の目が出たら-1だけ移動する。さいころを10回投げたとき、Pの座標Xの期待値 E[X]E[X] と分散 V[X]V[X] を求めよ。

2. 解き方の手順

まず、1回の試行におけるXの移動量の期待値を求める。さいころを1回投げて2の倍数が出る確率は 36=12\frac{3}{6} = \frac{1}{2} である。2の倍数が出た場合は+2移動し、それ以外の場合は-1移動するので、1回の試行におけるXの移動量の期待値は、
E[X1]=212+(1)12=112=12E[X_1] = 2 \cdot \frac{1}{2} + (-1) \cdot \frac{1}{2} = 1 - \frac{1}{2} = \frac{1}{2}
10回の試行におけるXの移動量の期待値は、各試行の期待値の和であるから、
E[X]=10E[X1]=1012=5E[X] = 10 \cdot E[X_1] = 10 \cdot \frac{1}{2} = 5
次に、1回の試行におけるXの移動量の分散を求める。
V[X1]=E[X12](E[X1])2V[X_1] = E[X_1^2] - (E[X_1])^2
E[X12]=(22)12+((1)2)12=412+112=2+12=52E[X_1^2] = (2^2) \cdot \frac{1}{2} + ((-1)^2) \cdot \frac{1}{2} = 4 \cdot \frac{1}{2} + 1 \cdot \frac{1}{2} = 2 + \frac{1}{2} = \frac{5}{2}
V[X1]=52(12)2=5214=10414=94V[X_1] = \frac{5}{2} - (\frac{1}{2})^2 = \frac{5}{2} - \frac{1}{4} = \frac{10}{4} - \frac{1}{4} = \frac{9}{4}
10回の試行におけるXの移動量の分散は、各試行の分散の和である。
V[X]=10V[X1]=1094=904=452V[X] = 10 \cdot V[X_1] = 10 \cdot \frac{9}{4} = \frac{90}{4} = \frac{45}{2}

3. 最終的な答え

期待値: 5
分散: 452\frac{45}{2}

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