原点から出発して座標平面上を動く点Pがある。サイコロを投げて1,2,3,4の目が出たらx軸の方向に+1だけ移動し、それ以外の目が出たらy軸の方向に+1だけ移動する。サイコロを6回投げたあとのPのx座標、y座標をそれぞれX, Yとするとき、6X+3Yの期待値と分散を求める。

確率論・統計学期待値分散二項分布確率変数線形性
2025/5/6

1. 問題の内容

原点から出発して座標平面上を動く点Pがある。サイコロを投げて1,2,3,4の目が出たらx軸の方向に+1だけ移動し、それ以外の目が出たらy軸の方向に+1だけ移動する。サイコロを6回投げたあとのPのx座標、y座標をそれぞれX, Yとするとき、6X+3Yの期待値と分散を求める。

2. 解き方の手順

まず、確率変数の期待値と分散の性質を確認する。
* 期待値の線形性:E[aX+bY]=aE[X]+bE[Y]E[aX + bY] = aE[X] + bE[Y]
* 分散の性質(XとYが独立なとき):V[aX+bY]=a2V[X]+b2V[Y]V[aX + bY] = a^2V[X] + b^2V[Y]
XとYはそれぞれ、サイコロを6回投げたときに、x軸方向に移動した回数とy軸方向に移動した回数を表す確率変数である。サイコロの目が1,2,3,4のいずれかが出る確率は46=23\frac{4}{6} = \frac{2}{3}、それ以外の目が出る確率は26=13\frac{2}{6} = \frac{1}{3}である。
したがって、Xは二項分布B(6,23)B(6, \frac{2}{3})に従い、Yは二項分布B(6,13)B(6, \frac{1}{3})に従う。
二項分布の期待値と分散は以下の通りである。
* 期待値:E[X]=npE[X] = np, E[Y]=npE[Y] = np
* 分散:V[X]=np(1p)V[X] = np(1-p), V[Y]=np(1p)V[Y] = np(1-p)
Xの期待値と分散は、
E[X]=6×23=4E[X] = 6 \times \frac{2}{3} = 4
V[X]=6×23×13=43V[X] = 6 \times \frac{2}{3} \times \frac{1}{3} = \frac{4}{3}
Yの期待値と分散は、
E[Y]=6×13=2E[Y] = 6 \times \frac{1}{3} = 2
V[Y]=6×13×23=43V[Y] = 6 \times \frac{1}{3} \times \frac{2}{3} = \frac{4}{3}
次に、6X+3Yの期待値を計算する。
E[6X+3Y]=6E[X]+3E[Y]=6×4+3×2=24+6=30E[6X + 3Y] = 6E[X] + 3E[Y] = 6 \times 4 + 3 \times 2 = 24 + 6 = 30
XとYは独立なので、6X+3Yの分散は、
V[6X+3Y]=62V[X]+32V[Y]=36×43+9×43=12×4+3×4=48+12=60V[6X + 3Y] = 6^2V[X] + 3^2V[Y] = 36 \times \frac{4}{3} + 9 \times \frac{4}{3} = 12 \times 4 + 3 \times 4 = 48 + 12 = 60

3. 最終的な答え

6X+3Yの期待値は30、分散は60である。
期待値: 30
分散: 60

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