母集団が正規分布に従い、母平均 $m$ 、母標準偏差 $1.5$ であるとする。 (1) $m=10$ のとき、大きさ $100$ の無作為標本を抽出したとき、標本平均が $10$ 以上 $10.3$ 以下である確率を求める。 (2) 標本平均が $10.3$ 、標本の大きさが $36$ のとき、母平均 $m$ に対する信頼度 $95\%$ の信頼区間を求める。

確率論・統計学正規分布標本平均信頼区間標準正規分布統計的推測
2025/5/8

1. 問題の内容

母集団が正規分布に従い、母平均 mm 、母標準偏差 1.51.5 であるとする。
(1) m=10m=10 のとき、大きさ 100100 の無作為標本を抽出したとき、標本平均が 1010 以上 10.310.3 以下である確率を求める。
(2) 標本平均が 10.310.3 、標本の大きさが 3636 のとき、母平均 mm に対する信頼度 95%95\% の信頼区間を求める。

2. 解き方の手順

(1) 標本平均 Xˉ\bar{X} は、 m=10m=10, n=100n=100, σ=1.5\sigma=1.5 のとき、近似的に正規分布 N(m,σ2n)N(m, \frac{\sigma^2}{n}) 、つまり N(10,1.52100)N(10, \frac{1.5^2}{100}) 、すなわち N(10,0.0225)N(10, 0.0225) に従う。
Xˉ\bar{X} を標準化すると Z=Xˉmσ2n=Xˉ100.0225=Xˉ100.15Z = \frac{\bar{X} - m}{\sqrt{\frac{\sigma^2}{n}}} = \frac{\bar{X} - 10}{\sqrt{0.0225}} = \frac{\bar{X} - 10}{0.15} は標準正規分布 N(0,1)N(0,1) に従う。
求める確率は P(10Xˉ10.3)=P(10100.15Z10.3100.15)=P(0Z0.30.15)=P(0Z2)P(10 \le \bar{X} \le 10.3) = P(\frac{10-10}{0.15} \le Z \le \frac{10.3-10}{0.15}) = P(0 \le Z \le \frac{0.3}{0.15}) = P(0 \le Z \le 2) である。
標準正規分布表より P(0Z2)=0.4772P(0 \le Z \le 2) = 0.4772 である。
(2) 信頼度 95%95\% の信頼区間は、標本平均 Xˉ=10.3\bar{X} = 10.3, 標本の大きさ n=36n=36, 母標準偏差 σ=1.5\sigma=1.5 のとき、
Xˉzα/2σnmXˉ+zα/2σn\bar{X} - z_{\alpha/2} \frac{\sigma}{\sqrt{n}} \le m \le \bar{X} + z_{\alpha/2} \frac{\sigma}{\sqrt{n}}
で与えられる。ここで、信頼度 95%95\% より α=0.05\alpha = 0.05, α/2=0.025\alpha/2 = 0.025 であり、標準正規分布表より z0.025=1.96z_{0.025} = 1.96 である。
したがって、
10.31.961.536m10.3+1.961.53610.3 - 1.96 \frac{1.5}{\sqrt{36}} \le m \le 10.3 + 1.96 \frac{1.5}{\sqrt{36}}
10.31.961.56m10.3+1.961.5610.3 - 1.96 \frac{1.5}{6} \le m \le 10.3 + 1.96 \frac{1.5}{6}
10.31.96×0.25m10.3+1.96×0.2510.3 - 1.96 \times 0.25 \le m \le 10.3 + 1.96 \times 0.25
10.30.49m10.3+0.4910.3 - 0.49 \le m \le 10.3 + 0.49
9.81m10.799.81 \le m \le 10.79

3. 最終的な答え

(1) 0.4772
(2) 9.81 \le m \le 10.79

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