与えられた行列 $A$ に対して、$AX = I$ を満たす行列 $X$ を求める問題です。ここで、$I$ は単位行列を表します。そのような行列 $X$ が存在しない場合は、その理由を示します。行列 $A$ は以下の2つの場合について与えられています。 (1) $A = \begin{bmatrix} 1 & 2 \\ 2 & 4 \end{bmatrix}$ (2) $A = \begin{bmatrix} 3 & 5 \\ 1 & 2 \end{bmatrix}$

1. 問題の内容

与えられた行列 $A$ に対して、$AX = I$ を満たす行列 $X$ を求める問題です。ここで、$I$ は単位行列を表します。そのような行列 $X$ が存在しない場合は、その理由を示します。行列 $A$ は以下の2つの場合について与えられています。

(1) $A = \begin{bmatrix} 1 & 2 \\ 2 & 4 \end{bmatrix}$

(2) $A = \begin{bmatrix} 3 & 5 \\ 1 & 2 \end{bmatrix}$

2. 解き方の手順

行列 $A$ の逆行列が存在するかどうかを調べます。逆行列が存在する場合、$X$ は $A$ の逆行列 $A^{-1}$ になります。逆行列が存在しない場合は、$AX = I$ を満たす行列 $X$ は存在しません。

(1)

行列 $A = \begin{bmatrix} 1 & 2 \\ 2 & 4 \end{bmatrix}$ の行列式を計算します。

$\det(A) = (1)(4) - (2)(2) = 4 - 4 = 0$

行列式が0なので、$A$ は逆行列を持ちません。したがって、$AX = I$ を満たす行列 $X$ は存在しません。

(2)

行列 $A = \begin{bmatrix} 3 & 5 \\ 1 & 2 \end{bmatrix}$ の行列式を計算します。

$\det(A) = (3)(2) - (5)(1) = 6 - 5 = 1$

行列式が0ではないので、$A$ は逆行列を持ちます。

$A^{-1} = \frac{1}{\det(A)} \begin{bmatrix} 2 & -5 \\ -1 & 3 \end{bmatrix} = \frac{1}{1} \begin{bmatrix} 2 & -5 \\ -1 & 3 \end{bmatrix} = \begin{bmatrix} 2 & -5 \\ -1 & 3 \end{bmatrix}$

したがって、$X = A^{-1} = \begin{bmatrix} 2 & -5 \\ -1 & 3 \end{bmatrix}$ が解です。

3. 最終的な答え

(1) $A = \begin{bmatrix} 1 & 2 \\ 2 & 4 \end{bmatrix}$ の場合、$AX = I$ を満たす行列 $X$ は存在しません。理由：$\det(A) = 0$ であるため。

(2) $A = \begin{bmatrix} 3 & 5 \\ 1 & 2 \end{bmatrix}$ の場合、$AX = I$ を満たす行列 $X$ は $X = \begin{bmatrix} 2 & -5 \\ -1 & 3 \end{bmatrix}$ です。