$V$ の線形変換 $T$ に対して、以下の同値関係を示す。 $T$ が直交変換 $\Leftrightarrow$ すべての $u \in V$ に対して $||T(u)|| = ||u||$ が成り立つ

1. 問題の内容

$V$ の線形変換 $T$ に対して、以下の同値関係を示す。

$T$ が直交変換 $\Leftrightarrow$ すべての $u \in V$ に対して $||T(u)|| = ||u||$ が成り立つ

2. 解き方の手順

まず、直交変換の定義を確認する。線形変換 $T$ が直交変換であるとは、任意の $u, v \in V$ に対して $\langle T(u), T(v) \rangle = \langle u, v \rangle$ が成り立つことである。ここで、$\langle , \rangle$ は内積を表す。

($\Rightarrow$) $T$ が直交変換であると仮定する。このとき、$\langle T(u), T(v) \rangle = \langle u, v \rangle$ が成り立つ。特に、$v = u$ の場合を考えると、$\langle T(u), T(u) \rangle = \langle u, u \rangle$ となる。ベクトルのノルムは内積を用いて $||u|| = \sqrt{\langle u, u \rangle}$ と表せるので、$||T(u)||^2 = \langle T(u), T(u) \rangle = \langle u, u \rangle = ||u||^2$ となる。したがって、$||T(u)|| = ||u||$ が成り立つ。

($\Leftarrow$) すべての $u \in V$ に対して $||T(u)|| = ||u||$ が成り立つと仮定する。このとき、$\langle T(u), T(u) \rangle = ||T(u)||^2 = ||u||^2 = \langle u, u \rangle$ が成り立つ。したがって、$\langle T(u), T(u) \rangle = \langle u, u \rangle$。

次に、$V$ 上の内積が分極恒等式を満たすことを利用する。すなわち、

$\langle u, v \rangle = \frac{1}{2} (||u+v||^2 - ||u||^2 - ||v||^2)$

したがって、$\langle T(u), T(v) \rangle = \frac{1}{2} (||T(u)+T(v)||^2 - ||T(u)||^2 - ||T(v)||^2)$

線形変換 $T$ の性質より、$T(u) + T(v) = T(u+v)$ であるから、

$\langle T(u), T(v) \rangle = \frac{1}{2} (||T(u+v)||^2 - ||T(u)||^2 - ||T(v)||^2)$

仮定より、$||T(x)|| = ||x||$ であるから、

$\langle T(u), T(v) \rangle = \frac{1}{2} (||u+v||^2 - ||u||^2 - ||v||^2) = \langle u, v \rangle$

したがって、$T$ は直交変換である。

3. 最終的な答え

$T$ が直交変換 $\Leftrightarrow$ すべての $u \in V$ に対して $||T(u)|| = ||u||$ が成り立つ