与えられた関数の定義域、値域、逆関数を求める問題と、極限を求める問題です。具体的には以下の5つの小問があります。 (1) $y = \frac{x-2}{x+3}$ の定義域、値域、逆関数を求める。 (2) $y = x^2 - 4x$ ($x \le 2$) の定義域、値域、逆関数を求める。 (3) $\lim_{x \to \infty} (\log_2{x^2} - x - \log_2(x^2+1))$ を求める。 (4) $\lim_{x \to +\infty} \frac{(\ln{x})^n}{e^x}$, $n \in \mathbb{N}$ を求める。 (5) $\lim_{x \to 0} \frac{x - \ln(1+x)}{x^2}$ を求める。

解析学定義域値域逆関数極限対数関数指数関数ロピタルの定理
2025/5/8

1. 問題の内容

与えられた関数の定義域、値域、逆関数を求める問題と、極限を求める問題です。具体的には以下の5つの小問があります。
(1) y=x2x+3y = \frac{x-2}{x+3} の定義域、値域、逆関数を求める。
(2) y=x24xy = x^2 - 4x (x2x \le 2) の定義域、値域、逆関数を求める。
(3) limx(log2x2xlog2(x2+1))\lim_{x \to \infty} (\log_2{x^2} - x - \log_2(x^2+1)) を求める。
(4) limx+(lnx)nex\lim_{x \to +\infty} \frac{(\ln{x})^n}{e^x}, nNn \in \mathbb{N} を求める。
(5) limx0xln(1+x)x2\lim_{x \to 0} \frac{x - \ln(1+x)}{x^2} を求める。

2. 解き方の手順

(1) y=x2x+3y = \frac{x-2}{x+3}
- 定義域: 分母が0にならないように、x3x \neq -3。したがって定義域は xR,x3x \in \mathbb{R}, x \neq -3
- 値域: y=x2x+3y = \frac{x-2}{x+3}xx について解くと、y(x+3)=x2y(x+3) = x-2 より yx+3y=x2yx + 3y = x - 2。よって、(y1)x=3y2(y-1)x = -3y-2。もし y1y \neq 1 なら、x=3y2y1x = \frac{-3y-2}{y-1} となる。したがって、値域は yR,y1y \in \mathbb{R}, y \neq 1
- 逆関数: xxyy を入れ替えて、y=3x2x1y = \frac{-3x-2}{x-1}
(2) y=x24xy = x^2 - 4x (x2x \le 2)
- 定義域: x2x \le 2
- 値域: y=x24x=(x2)24y = x^2 - 4x = (x-2)^2 - 4x2x \le 2 なので、x=2x=2 のとき y=4y=-4 で最小値をとる。(x2)2(x-2)^2xx が小さくなるにつれて大きくなるので、yy4-4 から無限大に増加する。よって、値域は y4y \ge -4
- 逆関数: y=(x2)24y = (x-2)^2 - 4 より、(x2)2=y+4(x-2)^2 = y+4x2x \le 2 なので、x2=y+4x-2 = -\sqrt{y+4}。よって、x=2y+4x = 2 - \sqrt{y+4}。逆関数は y=2x+4y = 2 - \sqrt{x+4}
(3) limx(log2x2xlog2(x2+1))\lim_{x \to \infty} (\log_2{x^2} - x - \log_2(x^2+1))
=limx(log2x2x2+1x) = \lim_{x \to \infty} (\log_2{\frac{x^2}{x^2+1}} - x)
=limx(log2x2x2+1)limxx = \lim_{x \to \infty} (\log_2{\frac{x^2}{x^2+1}}) - \lim_{x \to \infty} x
=log21 = \log_2{1} - \infty
=0= = 0 - \infty = -\infty
(4) limx+(lnx)nex\lim_{x \to +\infty} \frac{(\ln{x})^n}{e^x}, nNn \in \mathbb{N}
これはロピタルの定理を nn 回使うことで解ける。
limx+(lnx)nex=limx+n(lnx)n11xex=limx+n(lnx)n1xex\lim_{x \to +\infty} \frac{(\ln{x})^n}{e^x} = \lim_{x \to +\infty} \frac{n(\ln{x})^{n-1} \cdot \frac{1}{x}}{e^x} = \lim_{x \to +\infty} \frac{n(\ln{x})^{n-1}}{xe^x}
これを繰り返すと、最終的には定数/(多項式 * 指数関数)となるので、極限は0になる。
(5) limx0xln(1+x)x2\lim_{x \to 0} \frac{x - \ln(1+x)}{x^2}
ロピタルの定理を用いる。
limx0xln(1+x)x2=limx0111+x2x=limx0x1+x2x=limx012(1+x)=12\lim_{x \to 0} \frac{x - \ln(1+x)}{x^2} = \lim_{x \to 0} \frac{1 - \frac{1}{1+x}}{2x} = \lim_{x \to 0} \frac{\frac{x}{1+x}}{2x} = \lim_{x \to 0} \frac{1}{2(1+x)} = \frac{1}{2}

3. 最終的な答え

(1)
- 定義域: xR,x3x \in \mathbb{R}, x \neq -3
- 値域: yR,y1y \in \mathbb{R}, y \neq 1
- 逆関数: y=3x2x1y = \frac{-3x-2}{x-1}
(2)
- 定義域: x2x \le 2
- 値域: y4y \ge -4
- 逆関数: y=2x+4y = 2 - \sqrt{x+4}
(3) -\infty
(4) 0
(5) 12\frac{1}{2}

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