空気中や水中を運動する物体に働く抵抗を考慮した運動方程式 $mv' = -av + mg$ について、以下の問いに答えます。 (1) 特殊解としての定数解 $v_f$ を求めます。 (2) 方程式 (3) の一般解を求めます。 (3) 初期値 $v(0) = 0$ と $v(0) = 2v_f$ を満たす解 $v(t)$ をそれぞれ求め、そのグラフの概形を描きます。

応用数学微分方程式運動方程式初期値問題物理
2025/5/8

1. 問題の内容

空気中や水中を運動する物体に働く抵抗を考慮した運動方程式 mv=av+mgmv' = -av + mg について、以下の問いに答えます。
(1) 特殊解としての定数解 vfv_f を求めます。
(2) 方程式 (3) の一般解を求めます。
(3) 初期値 v(0)=0v(0) = 0v(0)=2vfv(0) = 2v_f を満たす解 v(t)v(t) をそれぞれ求め、そのグラフの概形を描きます。

2. 解き方の手順

(1) 特殊解 (定数解) の導出
定数解 vfv_f は、v=0v'=0 となる時の解なので、運動方程式に代入すると、
0=avf+mg0 = -av_f + mg
よって、
vf=mgav_f = \frac{mg}{a}
(2) 一般解の導出
与えられた微分方程式 mv=av+mgmv' = -av + mg は、変数分離形なので、
dvdt=amv+g\frac{dv}{dt} = -\frac{a}{m}v + g
dvamv+g=dt\frac{dv}{-\frac{a}{m}v + g} = dt
dvamv+g=dt\int \frac{dv}{-\frac{a}{m}v + g} = \int dt
malnamv+g=t+C1-\frac{m}{a} \ln |-\frac{a}{m}v + g| = t + C_1 (ここで、C1C_1 は積分定数)
lnamv+g=amt+C2\ln |-\frac{a}{m}v + g| = -\frac{a}{m}t + C_2 (ここで、C2=amC1C_2 = -\frac{a}{m}C_1)
amv+g=C3eamt-\frac{a}{m}v + g = C_3 e^{-\frac{a}{m}t} (ここで、C3=±eC2C_3 = \pm e^{C_2})
v=mgamaC3eamtv = \frac{mg}{a} - \frac{m}{a}C_3 e^{-\frac{a}{m}t}
v(t)=mga+Ceamtv(t) = \frac{mg}{a} + C e^{-\frac{a}{m}t} (ここで、C=maC3C = -\frac{m}{a}C_3 は任意定数)
これが一般解です。
(3) 初期値問題
(i) v(0)=0v(0) = 0 の場合
v(0)=mga+C=0v(0) = \frac{mg}{a} + C = 0
C=mgaC = -\frac{mg}{a}
よって、v(t)=mgamgaeamt=mga(1eamt)=vf(1eamt)v(t) = \frac{mg}{a} - \frac{mg}{a} e^{-\frac{a}{m}t} = \frac{mg}{a}(1 - e^{-\frac{a}{m}t}) = v_f (1 - e^{-\frac{a}{m}t})
(ii) v(0)=2vf=2mgav(0) = 2v_f = 2\frac{mg}{a} の場合
v(0)=mga+C=2mgav(0) = \frac{mg}{a} + C = 2\frac{mg}{a}
C=mgaC = \frac{mg}{a}
よって、v(t)=mga+mgaeamt=mga(1+eamt)=vf(1+eamt)v(t) = \frac{mg}{a} + \frac{mg}{a} e^{-\frac{a}{m}t} = \frac{mg}{a}(1 + e^{-\frac{a}{m}t}) = v_f (1 + e^{-\frac{a}{m}t})
グラフの概形:
(i) v(0)=0v(0) = 0 の場合、v(t) は 0 から vfv_f に単調増加する曲線になります。
(ii) v(0)=2vfv(0) = 2v_f の場合、v(t) は 2vf2v_f から vfv_f に単調減少する曲線になります。
どちらの初期値の場合も、tt \to \inftyv(t)vfv(t) \to v_f になります。

3. 最終的な答え

(1) 特殊解: vf=mgav_f = \frac{mg}{a}
(2) 一般解: v(t)=mga+Ceamtv(t) = \frac{mg}{a} + C e^{-\frac{a}{m}t} (C は任意定数)
(3) 初期値問題:
(i) v(0)=0v(0) = 0 の場合: v(t)=mga(1eamt)v(t) = \frac{mg}{a}(1 - e^{-\frac{a}{m}t})
(ii) v(0)=2vfv(0) = 2v_f の場合: v(t)=mga(1+eamt)v(t) = \frac{mg}{a}(1 + e^{-\frac{a}{m}t})
各解のグラフの概形は上記参照。

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