(1) 3次方程式 $\frac{1}{3}x^3 + \frac{1}{2}x^2 - 6x + 2 = 0$ の異なる実数解の個数を求めよ。 (2) $x \le 0$ において、常に不等式 $-2x^3 - 36x + k \ge 15x^2$ が成り立つような定数 $k$ の値の範囲を求めよ。

1. 問題の内容

(1) 3次方程式 $\frac{1}{3}x^3 + \frac{1}{2}x^2 - 6x + 2 = 0$ の異なる実数解の個数を求めよ。

(2) $x \le 0$ において、常に不等式 $-2x^3 - 36x + k \ge 15x^2$ が成り立つような定数 $k$ の値の範囲を求めよ。

2. 解き方の手順

(1)

与えられた3次方程式を整理する。

$\frac{1}{3}x^3 + \frac{1}{2}x^2 - 6x + 2 = 0$

両辺に6をかけると

$2x^3 + 3x^2 - 36x + 12 = 0$

$f(x) = 2x^3 + 3x^2 - 36x + 12$ とおく。

$f'(x) = 6x^2 + 6x - 36 = 6(x^2 + x - 6) = 6(x+3)(x-2)$

$f'(x) = 0$ となるのは $x = -3, 2$

$f(-3) = 2(-27) + 3(9) - 36(-3) + 12 = -54 + 27 + 108 + 12 = 93$

$f(2) = 2(8) + 3(4) - 36(2) + 12 = 16 + 12 - 72 + 12 = -32$

$x \to \infty$ のとき $f(x) \to \infty$

$x \to -\infty$ のとき $f(x) \to -\infty$

$f(x)$ は $x=-3$ で極大値 $93$ をとり、$x=2$ で極小値 $-32$ をとる。

$f(x)$ のグラフは、$x$軸と3点で交わる。

したがって、異なる実数解の個数は3個。

(2)

$-2x^3 - 36x + k \ge 15x^2$ を変形すると

$k \ge 15x^2 + 2x^3 + 36x$

$g(x) = 2x^3 + 15x^2 + 36x$ とおく。

$g'(x) = 6x^2 + 30x + 36 = 6(x^2 + 5x + 6) = 6(x+2)(x+3)$

$g'(x) = 0$ となるのは $x = -2, -3$

$x \le 0$ において

$x = -2$ のとき $g(-2) = 2(-8) + 15(4) + 36(-2) = -16 + 60 - 72 = -28$

$x = -3$ のとき $g(-3) = 2(-27) + 15(9) + 36(-3) = -54 + 135 - 108 = -27$

$g(0) = 0$

$x \to -\infty$ のとき $g(x) \to -\infty$

したがって、$x \le 0$ における $g(x)$ の最大値は0である。

$k \ge g(x)$ が常に成り立つためには、$k \ge 0$が必要。

3. 最終的な答え

(1) 3個

(2) $k \ge 0$