$e$は自然対数の底、$c$は正の定数とする。以下の問いに答えよ。 (1) 方程式 $x=ce^{-x}$ は、$0<x<c$ でただ1つの解をもつことを示せ。 (2) $a \ge 0$, $b \ge 0$ に対して、不等式 $|e^{-a}-e^{-b}| \le |a-b|$ が成り立つことを示せ。 (3) (1)の方程式の解を $\alpha$ とし、数列 $\{x_n\}$ を、$x_1 = 0$, $x_{n+1} = ce^{-x_n}$ ($n=1, 2, 3, \dots$) により定める。このとき、$n=1, 2, 3, \dots$ に対して、不等式 $|x_{n+1} - \alpha| \le c|x_n - \alpha|$ が成り立つことを示せ。 (4) (3)の数列 $\{x_n\}$ について、$0<c<1$ のとき、$\lim_{n\to\infty} x_n = \alpha$ を示せ。
2025/5/8
1. 問題の内容
は自然対数の底、は正の定数とする。以下の問いに答えよ。
(1) 方程式 は、 でただ1つの解をもつことを示せ。
(2) , に対して、不等式 が成り立つことを示せ。
(3) (1)の方程式の解を とし、数列 を、, () により定める。このとき、 に対して、不等式 が成り立つことを示せ。
(4) (3)の数列 について、 のとき、 を示せ。
2. 解き方の手順
(1) とおく。 が で連続であり、単調増加であることを示し、 かつ であることを示せば、中間値の定理より でただ1つの解を持つことが言える。
なので、は単調増加。
. なので、 を示せば良い。 なので、。よって、。
したがって、 でただ1つの解をもつ。
(2) 平均値の定理を用いる。 とする。 と の間に が存在して、
となる。つまり、
, より、 であるから、。
よって、。
(3) であり、 であるから、
(2)より、 であるから、
。
(4) であるから、
より、
であるから、
したがって、。
よって、。
3. 最終的な答え
(1) 方程式 は、 でただ1つの解をもつ。
(2) , に対して、不等式 が成り立つ。
(3) に対して、不等式 が成り立つ。
(4)