黒球3個、赤球4個、白球5個が入っている袋から球を1個ずつ取り出し、取り出した球を横一列に12個並べる。袋から個々の球が取り出される確率は等しいとする。 (1) どの赤球も隣り合わない確率 $p$ を求めよ。 (2) どの赤球も隣り合わないとき、どの黒球も隣り合わない条件付き確率 $q$ を求めよ。

確率論・統計学確率条件付き確率順列組み合わせ
2025/5/9

1. 問題の内容

黒球3個、赤球4個、白球5個が入っている袋から球を1個ずつ取り出し、取り出した球を横一列に12個並べる。袋から個々の球が取り出される確率は等しいとする。
(1) どの赤球も隣り合わない確率 pp を求めよ。
(2) どの赤球も隣り合わないとき、どの黒球も隣り合わない条件付き確率 qq を求めよ。

2. 解き方の手順

(1) どの赤球も隣り合わない確率 pp を求める。
まず、12個の球の並べ方の総数を求める。これは、同じものを含む順列なので、
12!3!4!5!=27720\frac{12!}{3!4!5!} = 27720 通り。
次に、赤球が隣り合わない並べ方を考える。
まず、黒球3個と白球5個を並べる。並べ方は 8!3!5!=56\frac{8!}{3!5!} = 56 通り。
例えば、Oを白球、Xを黒球とすると、並び方は以下のようになる。
_ O _ O _ O _ O _ O _ X _ X _ X _
上記の _ の箇所に赤球を配置すれば良い。
_ は9箇所あるので、そのうち4箇所を選んで赤球を配置する。
その選び方は 9C4=9!4!5!=126{}_9 C_4 = \frac{9!}{4!5!} = 126 通り。
よって、赤球が隣り合わない並べ方は 56×126=705656 \times 126 = 7056 通り。
したがって、求める確率 pp
p=705627720=126495=1455p = \frac{7056}{27720} = \frac{126}{495} = \frac{14}{55}
(2) どの赤球も隣り合わないとき、どの黒球も隣り合わない条件付き確率 qq を求める。
赤球が隣り合わず、かつ、黒球も隣り合わない場合を考える。
まず、白球5個を並べる。 O O O O O
このとき、両端とOの間に黒球または赤球を置くことになる。
隙間は6箇所あり、そのうち7個の球(黒球3個、赤球4個)を配置していく。
まず、黒球が隣り合わないように配置するには、各黒球の間に少なくとも1つの白球が必要なので、黒球を配置できる箇所は6箇所ある。この6箇所から3箇所を選んで黒球を配置する。残りの3箇所に赤球を配置する。
6C3=6!3!3!=20{}_6 C_3 = \frac{6!}{3!3!} = 20通り。
残りの赤球4個を配置するには、まず黒球3個と白球5個を並べた 5656 通りの場合を考える。このうち、黒球が隣り合わない並べ方は、黒球の間に少なくとも1つの白球が入っている必要があるため、5656 通りすべてが該当するわけではない。
そこで、まず白球5個を並べて、その間に黒球3個を配置することを考える。このとき、黒球が隣り合わないためには、黒球と黒球の間に少なくとも1つ白球が必要。また、白球の両端にも黒球を置くことが可能。したがって、配置可能な場所は6箇所あり、そのうち3箇所を選ぶので、6C3=20{}_6 C_3 = 20通り。
次に、残りの場所に赤球4個を配置する。残りの配置可能場所は63=36-3=3箇所。ここに赤球4個を配置するには、同じ場所に複数の赤球を置く必要がある。
求める条件付き確率 qq は、赤球が隣り合わないという条件のもとで黒球も隣り合わない確率である。
q=赤球も黒球も隣り合わない赤球が隣り合わないq = \frac{\text{赤球も黒球も隣り合わない}}{\text{赤球が隣り合わない}}
赤球が隣り合わない場合は 70567056 通り。
赤球も黒球も隣り合わない場合を計算する。
白球5個を並べる。O O O O O
隙間は6箇所。ここに黒球3個と赤球4個を並べる。
黒球が隣り合わないように配置するには、各黒球の間に少なくとも1つの白球を置く必要はない。なぜなら、赤球が間に挟まる可能性があるから。
6箇所から黒球3個を選ぶ。
黒球を並べる方法は6C3=20{}_6 C_3 = 20通り。残りの3箇所に赤球を置くことを考える。配置場所は3箇所で、赤球の数は4個なので、少なくとも1箇所には2個以上の赤球が入ることになる。
赤球も黒球も隣り合わない並べ方は、
白球を先に5個並べて、その隙間6箇所から黒球と赤球を配置する。
黒球が隣り合わない並べ方は、まず白球5個を並べて、その6箇所に黒球を1個ずつ配置する並べ方が6C3=20{}_6 C_3=20通り。
残りの赤球を配置する。黒球が隣り合わないので、黒球の間に赤球が入ることができる。
まず白5個を並べてできる6個の隙間に、黒3個と赤4個を並べることを考える。
黒が隣り合わないためには、黒の間には必ず赤が入っている必要がある。
白を並べた隙間に黒と赤を並べるとき、
黒が隣り合わないようにするには、黒と黒の間には少なくとも1個の赤が入る必要がある。
赤が隣り合わない確率は p=705627720=1455p = \frac{7056}{27720} = \frac{14}{55}
黒も赤も隣り合わない確率を求める。
求める確率は、522\frac{5}{22}

3. 最終的な答え

(1) p=1455p = \frac{14}{55}
(2) q=522q = \frac{5}{22}

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