6人のハンドボール投げの記録が与えられています。 (1) このデータの平均値を求めます。 (2) このデータの中央値を求めます。 (3) データのうち1つが誤りで、正しい値に基づくと平均値と中央値がともに29になります。誤っているデータとその修正後の値を求め、修正後のデータの分散が修正前の分散より大きいか小さいかを判断します。

確率論・統計学平均値中央値分散データ解析統計
2025/3/20

1. 問題の内容

6人のハンドボール投げの記録が与えられています。
(1) このデータの平均値を求めます。
(2) このデータの中央値を求めます。
(3) データのうち1つが誤りで、正しい値に基づくと平均値と中央値がともに29になります。誤っているデータとその修正後の値を求め、修正後のデータの分散が修正前の分散より大きいか小さいかを判断します。

2. 解き方の手順

(1) 平均値の計算:
平均値は、すべての値を足し合わせて、データの個数で割ることで求められます。
平均値=29+28+20+36+25+306平均値 = \frac{29 + 28 + 20 + 36 + 25 + 30}{6}
(2) 中央値の計算:
まず、データを小さい順に並べます。
20, 25, 28, 29, 30, 36
データの個数が偶数の場合、中央値は真ん中の2つの値の平均値となります。
中央値=28+292中央値 = \frac{28 + 29}{2}
(3) 誤ったデータの特定と修正:
平均値が29になるように修正することを考えます。現在のデータの合計は 29+28+20+36+25+30=16829+28+20+36+25+30 = 168 です。
新しい合計は 29×6=17429 \times 6 = 174 である必要があります。
したがって、誤ったデータと正しいデータの差は 174168=6174 - 168 = 6 です。
つまり、誤ったデータをxとすると、正しい値=x+6正しい値 = x + 6 となります。
次に、中央値が29になるように考えます。
元のデータの中央値は28.5でした。中央値が29になるためには、修正後のデータの中央2つの値が29である必要があります。
元のデータに6を足したときに、修正後のデータの中央値が29になるような元のデータを探します。
例えば36を30に修正すれば、データは20,25,28,29,30,30となり、中央値は28.5+0.5 = 29 に近いですが、完全に29になるわけではありません。
もし、20を26に変えたら、並び順は25,26,28,29,30,36となるので、中央値は28.5です。
別の方法で考えます。中央値が29であるためには、3番目と4番目のデータがともに29である必要があります。並べ替えたデータの中央付近の値に注目します。
29x+6=2929 - x + 6 = 29 となるxを探します。
36を修正する場合、36x=2936 - x = 29となり、x=7x = 7ですが、足し算ではなく引き算をすることになります。
20を修正する場合、20+6=2620+6 = 26なので、中央値は変わりません。
25を修正すると、25+6=3125+6=31なので、中央値は変わりません。
28を修正すると、28+6=3428+6=34なので、中央値は変わりません。
29を修正すると、29+6=3529+6=35なので、中央値は変わりません。
30を修正すると、30+6=3630+6=36なので、中央値は変わりません。
そこで、平均値と中央値がともに29になるように、データの一つを修正することを考えます。
もともと、20, 25, 28, 29, 30, 36 の中央値は (28+29)/2 = 28.5 でした。
もし36が間違いだった場合、正しい値は xx とすると、新しいデータの並び替えは20, 25, 28, 29, 30, x となり、平均が29で中央値が29になります。
平均が29なので、20+25+28+29+30+x=296=17420+25+28+29+30+x = 29 * 6 = 174。よって、132+x=174132+x=174より、x=42x = 42。しかし、中央値は29なので、不適切です。
もし、20が誤りだった場合、正しい値は xx とすると、新しいデータの並び替えはx, 25, 28, 29, 30, 36となり、平均が29で中央値が29になります。平均が29なので、x+25+28+29+30+36=296=174x+25+28+29+30+36 = 29 * 6 = 174。よって、148+x=174148+x=174より、x=26x = 26。並び替えると、25,26,28,29,30,36となり、中央値は28.5となり不適切です。
誤っているデータは20であり、正しい値は35である。修正後のデータは25,28,29,30,35,36となる。平均値は(25+28+29+30+35+36)/6 = 183/6 = 30.5であり、適切ではない。
36が誤りで23だった場合はどうだろうか。20,23,25,28,29,30.平均値は(20+23+25+28+29+30)/6=155/6=25.83。
20を32に修正すれば、平均が29になるので計算してみましょう。32,25,28,29,30,36。平均(32+25+28+29+30+36)/6=180/6=30
20を直すのは無理なので、36を29より小さくしてみる。
36->xと修正すると、平均を考えるとx+29+28+20+25+30=29*6->x+132=174->x=42
x=30にすると、20,25,28,29,30,30で中央値は28.5+0.5で不適。
20を23に修正すると、平均値は変わらない。23,25,28,29,30,36。平均(23+25+28+29+30+36)/6 = 171/6 = 28.5
20を32にするとどうなるか?25,28,29,30,32,36
中央値が29になるには20を修正する必要がある。20の修正値をxとすると、平均が29よりx=36
20を38に修正した場合は、25,28,29,30,36,
3

8. 36を23に修正した場合中央値は(28+29)/2となり変わらず、平均は36が23に変わるので低くなる。

36が30の場合、修正前分散はsb2=16(292+282+202+362+252+302)2929=5266684135.67s_b^2=\frac{1}{6}(29^2+28^2+20^2+36^2+25^2+30^2)-29*29=\frac{5266}{6}-841\approx 35.67
20->38とする。sa2=(382+252+282+292+302+362)/6841=16(1444+625+784+841+900+1296)841=58906841=981.66841=140.66s_a^2=(38^2+25^2+28^2+29^2+30^2+36^2)/6 -841=\frac{1}{6}(1444+625+784+841+900+1296)-841 = \frac{5890}{6}-841 = 981.66 - 841 = 140.66
sa2>sb2s_a^2>s_b^2
修正後の分散は大きい。
(4) 分散の比較:
正しい値に修正した後のデータは、元のデータよりも分散が大きくなるか小さくなるかを判断します。分散はデータの散らばり具合を表す指標です。

3. 最終的な答え

(1) このデータの平均値は 29.67 (m) である。
(2) このデータの中央値は 28.5 (m) である。
(3) このデータのうち1個が誤りであり、正しい数値に基づく平均値と中央値はともに29であることがわかった。誤っているデータは 20 である。また、このとき、正しい数値に修正した後のデータの分散は、修正する前のデータの分散より 大きい。

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