$a$ を正の定数とする。不等式 $|x-2| < a$ を満たす整数 $x$ がちょうど 5 個存在するような $a$ の値の範囲を求める。

代数学不等式絶対値整数解
2025/5/10

1. 問題の内容

aa を正の定数とする。不等式 x2<a|x-2| < a を満たす整数 xx がちょうど 5 個存在するような aa の値の範囲を求める。

2. 解き方の手順

まず、不等式 x2<a|x-2| < a を解きます。これは a<x2<a-a < x-2 < a と同値であり、各辺に 2 を加えると、
2a<x<2+a2 - a < x < 2 + a
となります。この不等式を満たす整数 xx がちょうど 5 個存在するためには、 2a2-a2+a2+a の間の整数が 5 個である必要があります。
xx が整数であることから、xx の値は 22 を中心に対称に並んでいるはずです。したがって、整数 xx の値は 22,21,2,2+1,2+22-2, 2-1, 2, 2+1, 2+2 すなわち 0,1,2,3,40, 1, 2, 3, 4 となります。
したがって、2a<02-a < 0 かつ 4<2+a4 < 2+a でなければなりません。また、2a2-ax=1x=-1 より大きく、2+a2+ax=5x=5 より小さくなければなりません。すなわち、 12a-1 \le 2-a2+a52+a \le 5 は不適当です。
2a<x<2+a2-a < x < 2+a を満たす整数が 0,1,2,3,40, 1, 2, 3, 4 の 5 個であるためには、次の不等式が成り立ちます。
12a<0-1 \le 2-a < 0
4<2+a54 < 2+a \le 5
12a    a3-1 \le 2-a \implies a \le 3
2a<0    2<a2-a < 0 \implies 2 < a
4<2+a    2<a4 < 2+a \implies 2 < a
2+a5    a32+a \le 5 \implies a \le 3
しかし、この範囲では整数解が 5 つになりません。整数解が 5 つであるためには、2a2-a1-1 より大きく、0 以下でなければならず、2+a2+a は 4 より大きく 5 以下でなければなりません。
2a>12-a > -1
2a02-a \le 0
2+a>42+a > 4
2+a52+a \le 5
よって、
2<a2 < a かつ a<3a < 3 であり、 a>2a>2a<3a<3 です。したがって、4<2+a4 < 2+a1>2a-1 > 2-a が必要です。
2a>1    a<32-a > -1 \implies a < 3
2+a>4    a>22+a > 4 \implies a > 2
整数が 5 個になるためには、4<2+a54<2+a \le 5 かつ 12a>2-1 \ge 2-a > -2 が成り立つ必要があります。
2<a32 < a \le 3
a>2a > 2
2a>1    a<32-a > -1 \implies a < 3
2a2    a42-a \le -2 \implies a \ge 4
これらは同時に成り立つことはありません。
整数解が 0,1,2,3,40,1,2,3,4 となるためには、2a2-a1-1 より大きく 00 以下でなければならず、2+a2+a44 より大きく 55 以下でなければなりません。
1<2a0-1 < 2-a \le 0
4<2+a54 < 2+a \le 5
これらの不等式を解くと、
2<a<32 < a < 3
a=3a = 3
となります。したがって、aa の範囲は、2<a32 < a \le 3 となります。
厳密に考えるには、2<a<32 < a < 3 の場合、解は 2a<x<2+a2-a < x < 2+a です。a=2.5a=2.5 とすると、 0.5<x<4.5-0.5 < x < 4.5 であり、整数解は 0,1,2,3,40,1,2,3,4 となります。
a=3a=3 とすると、 1<x<5-1 < x < 5 であり、整数解は 0,1,2,3,40,1,2,3,4 となります。
a=3.1a=3.1 とすると、1.1<x<5.1-1.1 < x < 5.1 であり、整数解は 1,0,1,2,3,4,5-1, 0, 1, 2, 3, 4, 5 となり、7個になります。
したがって、2<a32 < a \le 3 が正しい範囲です。
2<a<32<a<3ならば、-1より大きく0以下,4より大きく5以下の範囲に収まるので、5個存在します。
a=3a=3ならば、-1より大きく5以下なので、5個存在します。

3. 最終的な答え

2<a32 < a \le 3

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