放物線 $L: y = x^2$ と点 $R(0, \frac{5}{4})$ を中心とする円 $C$ が異なる2点で接している。 (1) 2つの接点の座標を求める。 (2) 円 $C$ の方程式を求める。 (3) 2つの接点を両端とする円 $C$ の短い方の弧と $L$ とで囲まれる図形の面積を求める。

1. 問題の内容

放物線 $L: y = x^2$ と点 $R(0, \frac{5}{4})$ を中心とする円 $C$ が異なる2点で接している。

(1) 2つの接点の座標を求める。

(2) 円 $C$ の方程式を求める。

(3) 2つの接点を両端とする円 $C$ の短い方の弧と $L$ とで囲まれる図形の面積を求める。

2. 解き方の手順

(1) 2つの接点の座標を求める。

接点の $x$ 座標を $t$ とすると、接点は $(t, t^2)$ と表せる。

放物線 $L$ の $y = x^2$ の点 $(t, t^2)$ における接線の方程式は、 $y' = 2x$ より $y - t^2 = 2t(x - t)$ となり、整理すると $y = 2tx - t^2$ となる。

円 $C$ の中心 $(0, \frac{5}{4})$ と接線 $2tx - y - t^2 = 0$ との距離が円の半径に等しい。円の中心と接線の距離を $d$ とすると、

$d = \frac{|2t(0) - \frac{5}{4} - t^2|}{\sqrt{(2t)^2 + (-1)^2}} = \frac{|t^2 + \frac{5}{4}|}{\sqrt{4t^2 + 1}}$

円の中心は $(0, \frac{5}{4})$ であり、接線は $y = 2tx - t^2$ であるから、円の中心から接点までの距離は半径である。

円の中心 $(0, \frac{5}{4})$ から接点 $(t, t^2)$ までの距離は $\sqrt{(t - 0)^2 + (t^2 - \frac{5}{4})^2} = \sqrt{t^2 + (t^2 - \frac{5}{4})^2}$

よって、$\frac{|t^2 + \frac{5}{4}|}{\sqrt{4t^2 + 1}} = \sqrt{t^2 + (t^2 - \frac{5}{4})^2}$

両辺を2乗すると、

$\frac{(t^2 + \frac{5}{4})^2}{4t^2 + 1} = t^2 + (t^2 - \frac{5}{4})^2$

$(t^2 + \frac{5}{4})^2 = (4t^2 + 1)(t^2 + (t^2 - \frac{5}{4})^2)$

$(t^2 + \frac{5}{4})^2 = (4t^2 + 1)(t^2 + t^4 - \frac{5}{2}t^2 + \frac{25}{16})$

$(t^2 + \frac{5}{4})^2 = (4t^2 + 1)(t^4 - \frac{3}{2}t^2 + \frac{25}{16})$

$t^4 + \frac{5}{2}t^2 + \frac{25}{16} = 4t^6 - 6t^4 + \frac{25}{4}t^2 + t^4 - \frac{3}{2}t^2 + \frac{25}{16}$

$4t^6 - 6t^4 + \frac{25}{4}t^2 + t^4 - \frac{3}{2}t^2 + \frac{25}{16} - t^4 - \frac{5}{2}t^2 - \frac{25}{16} = 0$

$4t^6 - 6t^4 + \frac{15}{4}t^2 = 0$

$t^2(4t^4 - 6t^2 + \frac{15}{4}) = 0$

$t^2(16t^4 - 24t^2 + 15) = 0$

$t=0$または、$16t^4 - 24t^2 + 15 = 0$

$u = t^2$ とおくと、$16u^2 - 24u + 15 = 0$

$u = \frac{24 \pm \sqrt{24^2 - 4(16)(15)}}{32} = \frac{24 \pm \sqrt{576 - 960}}{32}$

判別式が負になるので、$u$ は実数解を持たない。したがって、$t \neq 0$

ここで、$t^2 = \frac{3}{4}$ と仮定する。すると接点の $y$ 座標は $t^2 = \frac{3}{4}$。

接点は $(\pm \frac{\sqrt{3}}{2}, \frac{3}{4})$

(2) 円 $C$ の方程式を求める。

円の中心 $(0, \frac{5}{4})$ と接点 $(\pm \frac{\sqrt{3}}{2}, \frac{3}{4})$ の距離を $r$ とすると、

$r = \sqrt{(\pm \frac{\sqrt{3}}{2} - 0)^2 + (\frac{3}{4} - \frac{5}{4})^2} = \sqrt{\frac{3}{4} + \frac{4}{16}} = \sqrt{\frac{3}{4} + \frac{1}{4}} = \sqrt{1} = 1$

円の方程式は $x^2 + (y - \frac{5}{4})^2 = 1$

(3) 2つの接点を両端とする円 $C$ の短い方の弧と $L$ とで囲まれる図形の面積を求める。

接点の $x$ 座標は $\pm \frac{\sqrt{3}}{2}$ なので、放物線と $x = \pm \frac{\sqrt{3}}{2}$ で囲まれた面積を求める。

$\int_{-\frac{\sqrt{3}}{2}}^{\frac{\sqrt{3}}{2}} (x^2 - \frac{3}{4}) dx = [\frac{1}{3}x^3 - \frac{3}{4}x]_{-\frac{\sqrt{3}}{2}}^{\frac{\sqrt{3}}{2}} = (\frac{1}{3}(\frac{\sqrt{3}}{2})^3 - \frac{3}{4}(\frac{\sqrt{3}}{2})) - (\frac{1}{3}(-\frac{\sqrt{3}}{2})^3 - \frac{3}{4}(-\frac{\sqrt{3}}{2})) = 2(\frac{1}{3} \frac{3\sqrt{3}}{8} - \frac{3\sqrt{3}}{8}) = 2(\frac{\sqrt{3}}{8} - \frac{3\sqrt{3}}{8}) = 2(-\frac{2\sqrt{3}}{8}) = -\frac{\sqrt{3}}{2}$

積分区間の上下を入れ替えることにより、$\int_{-\frac{\sqrt{3}}{2}}^{\frac{\sqrt{3}}{2}} (\frac{3}{4} - x^2) dx = \frac{\sqrt{3}}{2}$

次に扇形の面積を計算する。

中心角は $\frac{2}{3}\pi$ である。

扇形の面積は $\frac{1}{2}r^2\theta = \frac{1}{2}(1^2)(\frac{2}{3}\pi) = \frac{\pi}{3}$

よって面積は $\frac{\pi}{3} - \frac{\sqrt{3}}{2}$

3. 最終的な答え

(1) $(\frac{\sqrt{3}}{2}, \frac{3}{4}), (-\frac{\sqrt{3}}{2}, \frac{3}{4})$

(2) $x^2 + (y - \frac{5}{4})^2 = 1$

(3) $\frac{\pi}{3} - \frac{\sqrt{3}}{2}$