原点 $x=0$ の媒質が振幅 $A$、周期 $T$ で振動し、時刻 $t$ における変位が $y_1(0, t) = A \sin{\frac{2\pi}{T} t}$ と表される。この振動が $x$ 軸正の方向に速さ $v$ で伝わり、$x=L (>0)$ の端に入射し反射する。入射波も反射波もその伝わる速さは $v$ である。 (1) 端 $x=L$ への入射波の式 $y_1(x,t)$ を求めよ。 (2) 端 $x=L$ が自由端の場合と固定端の場合について、反射波の式 $y_2(x,t)$ をそれぞれ求めよ。 (3) 合成波の式 $y(x,t)$ を、端 $x=L$ が自由端の場合と固定端の場合についてそれぞれ求め、固定端の場合、$x=0$ が腹になるための $L$ に対する条件を求めよ。
2025/5/11
1. 問題の内容
原点 の媒質が振幅 、周期 で振動し、時刻 における変位が と表される。この振動が 軸正の方向に速さ で伝わり、 の端に入射し反射する。入射波も反射波もその伝わる速さは である。
(1) 端 への入射波の式 を求めよ。
(2) 端 が自由端の場合と固定端の場合について、反射波の式 をそれぞれ求めよ。
(3) 合成波の式 を、端 が自由端の場合と固定端の場合についてそれぞれ求め、固定端の場合、 が腹になるための に対する条件を求めよ。
2. 解き方の手順
(1) 入射波の式を求める。
原点 での変位が であるから、位置 での時刻 における変位は、
(2) 反射波の式を求める。
まず、波数 とおく。
(a) 自由端の場合、 で変位が最大となるので、反射波は
または
(b) 固定端の場合、 で変位が0となるので、反射波は
または
(3) 合成波の式を求める。
(a) 自由端の場合
(b) 固定端の場合
固定端の場合、 が腹になるためには、 の係数が最大となる必要がある。すなわち、
より の係数の絶対値が最大であればよいから、
(nは整数) が成り立ち、これは時間に依存するので、
腹の条件としては成り立たない。
が腹になるためには
の係数に着目するとにおける振幅は0なので常に節である。したがって題意を満たすようなLは存在しない。
最終的な答え
(1)
(2) 自由端の場合:
固定端の場合:
(3) 自由端の場合:
固定端の場合:
固定端の場合、 が腹になるための条件: 存在しない