2つの実数 $a$ と $b$ に関する命題「$a$ または $b$ が無理数ならば、$a+b$ と $ab$ は無理数である」について、この命題の逆と対偶を述べ、それぞれの真偽を判定する。

数論命題無理数有理数対偶
2025/5/11

1. 問題の内容

2つの実数 aabb に関する命題「aa または bb が無理数ならば、a+ba+babab は無理数である」について、この命題の逆と対偶を述べ、それぞれの真偽を判定する。

2. 解き方の手順

まず、与えられた命題を PQP \Rightarrow Q の形で表す。ここで、
PP: aa または bb が無理数である
QQ: a+ba+babab は無理数である
(1) 逆は QPQ \Rightarrow P であり、「a+ba+babab が無理数ならば、aa または bb は無理数である」となる。
(2) 対偶は ¬Q¬P\neg Q \Rightarrow \neg P であり、「a+ba+babab がともに有理数ならば、aabb はともに有理数である」となる。ここで、¬Q\neg QQQ の否定、¬P\neg PPP の否定を表す。
(3) 与えられた命題の真偽を判定する。
a=2a = \sqrt{2}, b=2b = -\sqrt{2} のとき、aa は無理数、bb は無理数である。このとき、a+b=0a+b = 0 (有理数), ab=2ab = -2 (有理数) となり、a+ba+babab はともに無理数であるとは限らない。したがって、元の命題は偽である。
(4) 逆の真偽を判定する。
a+ba+babab が無理数であるとしても、aa または bb は無理数とは限らない。たとえば、a+b=2a+b = \sqrt{2} (無理数), ab=1ab = 1 (有理数)となるような a,ba,b を考えると、aabbt22t+1=0t^2-\sqrt{2}t+1=0の解となるので、a=2+242=2+i22a = \frac{\sqrt{2} + \sqrt{2-4}}{2} = \frac{\sqrt{2} + i\sqrt{2}}{2}となりbbも複素数になり、aa または bb は無理数とは限らない。
a+b=1a+b = 1(有理数)、ab=2ab = \sqrt{2}(無理数)とすると、a,ba,bt2t+2=0t^2-t+\sqrt{2}=0の解になり、t=1±1422t = \frac{1\pm\sqrt{1-4\sqrt{2}}}{2}となり、これは無理数ではない。(複素数となる。)
したがって、逆の命題は偽である。
(5) 対偶の真偽を判定する。
a+ba+babab がともに有理数であるならば、aabb がともに有理数である。これは正しい。
a+b=x,ab=ya+b = x, ab = y とすると、a,ba, bt2xt+y=0t^2 - xt + y = 0 の解である。x,yx, y が有理数なので、a,b=x±x24y2a, b = \frac{x \pm \sqrt{x^2 - 4y}}{2} となる。
x24yx^2-4yが有理数の平方であるとき、a,ba, b は有理数となる。そうでないとき、a,ba, b は無理数となる。
したがって、a+ba+babab がともに有理数のとき、xxyyが有理数なので、a,b=x±x24y2a, b = \frac{x \pm \sqrt{x^2 - 4y}}{2}
x24yx^2-4yが有理数の平方数でなければ、aabbは無理数になる可能性があるため対偶は正しいとは言えない。
例えば、a=2,b=2a = \sqrt{2}, b = -\sqrt{2}とすると、a+b=0a+b=0 (有理数)、ab=2ab=-2 (有理数)だが、aabbも無理数である。
したがって、対偶の命題は偽である。

3. 最終的な答え

逆:「a+ba+babab が無理数ならば、aa または bb は無理数である」。偽。
対偶:「a+ba+babab がともに有理数ならば、aabb はともに有理数である」。偽。
元の命題:「aa または bb が無理数ならば、a+ba+babab は無理数である」。偽。

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