与えられた微分方程式 $\frac{dy}{dt} = ay + e^{\beta t}$ について、以下の問いに答えます。 (1) 初期値問題 $y(0) = 0$ の解を求めます。 (2) (1)で求めた解が $t \to \infty$ で発散するための $a, \beta$ の条件を求めます。

解析学微分方程式初期値問題線形微分方程式定数変化法発散
2025/5/12

1. 問題の内容

与えられた微分方程式 dydt=ay+eβt\frac{dy}{dt} = ay + e^{\beta t} について、以下の問いに答えます。
(1) 初期値問題 y(0)=0y(0) = 0 の解を求めます。
(2) (1)で求めた解が tt \to \infty で発散するための a,βa, \beta の条件を求めます。

2. 解き方の手順

(1) 初期値問題 y(0)=0y(0) = 0 の解を求める。
まず、与えられた微分方程式は1階線形微分方程式なので、定数変化法を用いて解きます。
同次方程式 dydt=ay\frac{dy}{dt} = ay の解は y=Ceaty = Ce^{at} です (CCは任意定数)。
次に、定数 CCtt の関数 C(t)C(t) とし、y=C(t)eaty = C(t)e^{at} を元の微分方程式に代入します。
dydt=dCdteat+aC(t)eat\frac{dy}{dt} = \frac{dC}{dt}e^{at} + aC(t)e^{at}
これを元の微分方程式に代入すると、
dCdteat+aC(t)eat=aC(t)eat+eβt\frac{dC}{dt}e^{at} + aC(t)e^{at} = aC(t)e^{at} + e^{\beta t}
dCdteat=eβt\frac{dC}{dt}e^{at} = e^{\beta t}
dCdt=e(βa)t\frac{dC}{dt} = e^{(\beta - a)t}
両辺を積分すると、
C(t)=e(βa)tdt=1βae(βa)t+KC(t) = \int e^{(\beta - a)t} dt = \frac{1}{\beta - a}e^{(\beta - a)t} + K (ただし βa\beta \neq a)
ここで、KK は積分定数です。
したがって、y=C(t)eat=(1βae(βa)t+K)eat=1βaeβt+Keaty = C(t)e^{at} = \left( \frac{1}{\beta - a}e^{(\beta - a)t} + K \right) e^{at} = \frac{1}{\beta - a}e^{\beta t} + Ke^{at} (βa\beta \neq a)
初期条件 y(0)=0y(0) = 0 を代入すると、
0=1βa+K0 = \frac{1}{\beta - a} + K
K=1βaK = -\frac{1}{\beta - a}
よって、y=1βaeβt1βaeat=eβteatβay = \frac{1}{\beta - a}e^{\beta t} - \frac{1}{\beta - a}e^{at} = \frac{e^{\beta t} - e^{at}}{\beta - a} (βa\beta \neq a)
β=a\beta = a のとき、dCdt=1\frac{dC}{dt} = 1 より、C(t)=t+KC(t) = t + K
y=(t+K)eaty = (t + K)e^{at}
y(0)=K=0y(0) = K = 0 より、y=teaty = te^{at}
(2) (1)で求めた解が tt \to \infty で発散するための a,βa, \beta の条件を求める。
βa\beta \neq a のとき、y=eβteatβay = \frac{e^{\beta t} - e^{at}}{\beta - a}tt \to \infty で発散するためには、少なくとも aaβ\beta が正である必要があります。
a>0a > 0 または β>0\beta > 0
β=a\beta = a のとき、y=teaty = te^{at}tt \to \infty で発散するためには、a>0a > 0 である必要があります。
まとめると、a>0a > 0 または β>0\beta > 0 が必要です。

3. 最終的な答え

(1) βa\beta \neq a のとき、 y=eβteatβay = \frac{e^{\beta t} - e^{at}}{\beta - a}
β=a\beta = a のとき、y=teaty = te^{at}
(2) a>0a > 0 または β>0\beta > 0

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