問題文は水素吸蔵合金としてのパラジウムについて説明し、以下の2つの問いに答えることを求めています。 (1) 単位格子中の全ての八面体間隙に水素原子が取り込まれたと仮定した場合、パラジウムの単位格子には最大何個の水素原子が取り込めるか。 (2) 10.6gのパラジウムPdを用意し、標準状態下で、その体積の900倍の体積をもつ水素ガスH2が10.6gのパラジウムPdに全て吸収されたと仮定する。このとき、水素原子で占められている八面体間隙の数は、全ての八面体間隙の数の何パーセントになるか。

その他物質量単位格子パーセント計算計算
2025/5/12

1. 問題の内容

問題文は水素吸蔵合金としてのパラジウムについて説明し、以下の2つの問いに答えることを求めています。
(1) 単位格子中の全ての八面体間隙に水素原子が取り込まれたと仮定した場合、パラジウムの単位格子には最大何個の水素原子が取り込めるか。
(2) 10.6gのパラジウムPdを用意し、標準状態下で、その体積の900倍の体積をもつ水素ガスH2が10.6gのパラジウムPdに全て吸収されたと仮定する。このとき、水素原子で占められている八面体間隙の数は、全ての八面体間隙の数の何パーセントになるか。

2. 解き方の手順

(1) 単位格子中の水素原子の数
図1より、単位格子の頂点にパラジウム原子が8個、面に6個あることがわかる。
* 頂点にある原子は単位格子あたり 1/81/8 個、面にある原子は単位格子あたり 1/21/2 個と数える。
パラジウム原子の数は 8(1/8)+6(1/2)=1+3=48 * (1/8) + 6 * (1/2) = 1 + 3 = 4
図1より、八面体間隙は単位格子の中心に1個、辺に12個あることがわかる。
* 辺にある間隙は単位格子あたり 1/41/4 個と数える。
八面体間隙の数は 1+12(1/4)=1+3=41 + 12 * (1/4) = 1 + 3 = 4
したがって、単位格子中に水素原子は最大4個取り込める。
(2) 水素原子で占められている八面体間隙の割合
まず、パラジウムPdの物質量を求める。Pdの原子量は106なので、
10.6g/106g/mol=0.1mol10.6 g / 106 g/mol = 0.1 mol
パラジウムの体積を求める。密度は 12g/cm312 g/cm^3 なので、
10.6g/(12g/cm3)=0.883cm310.6 g / (12 g/cm^3) = 0.883 cm^3
吸収された水素ガスの体積は、パラジウムの体積の900倍なので、
0.883cm3900=795cm3=0.795L0.883 cm^3 * 900 = 795 cm^3 = 0.795 L
標準状態における気体のモル体積は22.4 L/molなので、
0.795L/(22.4L/mol)=0.0355mol0.795 L / (22.4 L/mol) = 0.0355 mol
水素ガス H2H_20.0355mol0.0355 mol。水素原子Hの物質量はその2倍なので、
0.0355mol2=0.0710mol0.0355 mol * 2 = 0.0710 mol
パラジウムの物質量は0.1 molなので、単位格子は 0.1mol6.021023/mol0.1 mol * 6.02 * 10^{23} /mol 個。
八面体間隙の総数は、単位格子あたり4個なので、総数は 40.1mol6.021023/mol4 * 0.1 mol * 6.02 * 10^{23} /mol 個。
水素原子の数は、 0.0710mol6.021023/mol0.0710 mol * 6.02 * 10^{23} /mol 個。
割合は、
(0.0710mol6.021023/mol)/(40.1mol6.021023/mol)100=(0.0710/0.4)100=17.75(0.0710 mol * 6.02 * 10^{23} /mol) / (4 * 0.1 mol * 6.02 * 10^{23} /mol) * 100 = (0.0710/0.4) * 100 = 17.75 %

3. 最終的な答え

(1) 4個
(2) 18%

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