実数 $a, b$ に関する次の2つの命題の真偽を調べ、真であれば証明し、偽であれば反例を挙げよ。 (1) $a, b$ がともに無理数ならば、$a+b$ は無理数である。 (2) $a, b$ がともに無理数ならば、$a+b, a-b$ の少なくとも一方は無理数である。
2025/5/13
1. 問題の内容
実数 に関する次の2つの命題の真偽を調べ、真であれば証明し、偽であれば反例を挙げよ。
(1) がともに無理数ならば、 は無理数である。
(2) がともに無理数ならば、 の少なくとも一方は無理数である。
2. 解き方の手順
(1) 命題「 がともに無理数ならば、 は無理数である」の真偽を調べる。
反例を挙げることができるかどうか検討する。, とすると、 と はともに無理数であるが、 は有理数である。よって、この命題は偽である。
(2) 命題「 がともに無理数ならば、 の少なくとも一方は無理数である」の真偽を調べる。
対偶を考えると、「 がともに無理数であるとき、 と がともに有理数ならば偽である」となる。
, とおく。ここで、 は有理数である。
このとき、、 である。
と は有理数なので、 と も有理数である。
有理数を2で割ったものも有理数であるから、 と は有理数となる。
したがって、 がともに無理数ならば、 の少なくとも一方は無理数である。この命題は真である。
3. 最終的な答え
(1) 偽。反例:
(2) 真。証明: が無理数であるとき、 と がともに有理数であると仮定すると、 と はともに有理数になる。これは が無理数であることに矛盾する。したがって、 が無理数ならば、 と の少なくとも一方は無理数である。