$n$ は自然数とする。$n^2+n+6$ と $n+5$ の最大公約数として考えられる数をすべて求める。

数論最大公約数整数の性質合同式
2025/5/13

1. 問題の内容

nn は自然数とする。n2+n+6n^2+n+6n+5n+5 の最大公約数として考えられる数をすべて求める。

2. 解き方の手順

最大公約数を dd とすると、ddn2+n+6n^2+n+6n+5n+5 を割り切る。
よって、n5(modd)n \equiv -5 \pmod{d} である。
n2+n+6=(n+5)(n4)+26n^2+n+6 = (n+5)(n-4) + 26 より、ddn2+n+6n^2+n+6n+5n+5 の両方を割り切るので、dd は 26 を割り切る。
つまり、dd は 26 の約数である。26 の約数は 1, 2, 13, 26 である。
それぞれの場合について、n2+n+6n^2+n+6n+5n+5 の最大公約数がそれらの値になりうるかを調べる。
* d=1d=1 のとき:n=1n=1 のとき、n2+n+6=8n^2+n+6 = 8n+5=6n+5 = 6 の最大公約数は 2 である。
n=2n=2 のとき、n2+n+6=12n^2+n+6 = 12n+5=7n+5 = 7 の最大公約数は 1 である。したがって、1 は最大公約数としてあり得る。
* d=2d=2 のとき:n2+n+6n^2+n+6 が偶数、かつ n+5n+5 が偶数になる必要がある。
n2+n=n(n+1)n^2+n = n(n+1) であり、これは常に偶数であるから、n2+n+6n^2+n+6 は常に偶数である。
n+5n+5 が偶数になるためには、nn が奇数である必要がある。したがって、2 は最大公約数としてあり得る。例えば、n=1n=1 のとき、n2+n+6=8n^2+n+6=8n+5=6n+5=6 の最大公約数は 2 である。
* d=13d=13 のとき:n5(mod13)n \equiv -5 \pmod{13} より、n=13k5n = 13k - 5kk は自然数)と表せる。
n+5=13kn+5 = 13k となり、n+5n+5 は 13 の倍数である。
n2+n+6=(13k5)2+(13k5)+6=169k2130k+25+13k5+6=169k2117k+26=13(13k29k+2)n^2+n+6 = (13k-5)^2 + (13k-5) + 6 = 169k^2 - 130k + 25 + 13k - 5 + 6 = 169k^2 - 117k + 26 = 13(13k^2 - 9k + 2) となり、n2+n+6n^2+n+6 も 13 の倍数である。
したがって、13 は最大公約数としてあり得る。例えば、k=1k=1 のとき、n=8n=8 であり、n2+n+6=64+8+6=78=136n^2+n+6 = 64 + 8 + 6 = 78 = 13 \cdot 6n+5=13n+5 = 13 となるので、最大公約数は 13 である。
* d=26d=26 のとき:n5(mod26)n \equiv -5 \pmod{26} より、n=26k5n = 26k - 5kk は自然数)と表せる。
n+5=26kn+5 = 26k となり、n+5n+5 は 26 の倍数である。
n2+n+6=(26k5)2+(26k5)+6=676k2260k+25+26k5+6=676k2234k+26=26(26k29k+1)n^2+n+6 = (26k-5)^2 + (26k-5) + 6 = 676k^2 - 260k + 25 + 26k - 5 + 6 = 676k^2 - 234k + 26 = 26(26k^2 - 9k + 1) となり、n2+n+6n^2+n+6 も 26 の倍数である。
したがって、26 は最大公約数としてあり得る。例えば、k=1k=1 のとき、n=21n=21 であり、n+5=26n+5 = 26n2+n+6=441+21+6=468=2618n^2+n+6 = 441 + 21 + 6 = 468 = 26 \cdot 18 となるので、最大公約数は 26 である。

3. 最終的な答え

1, 2, 13, 26

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