V病は3000人に1人の割合で発症する難病であり、1次検査の信頼率(正しく判定される割合)は97%である。 (1) 1次検査の結果、V病であると判定された場合、本当にV病にかかっている確率を求める。 (2) 1次検査の結果、V病でないと判定されたにも関わらず、本当はV病にかかっている確率を求める。

確率論・統計学ベイズの定理確率条件付き確率統計
2025/5/14

1. 問題の内容

V病は3000人に1人の割合で発症する難病であり、1次検査の信頼率(正しく判定される割合)は97%である。
(1) 1次検査の結果、V病であると判定された場合、本当にV病にかかっている確率を求める。
(2) 1次検査の結果、V病でないと判定されたにも関わらず、本当はV病にかかっている確率を求める。

2. 解き方の手順

(1) ベイズの定理を用いて、V病であると判定された場合に、本当にV病にかかっている確率を計算する。
事象を以下のように定義する。
* A:V病にかかっている
* B:V病であると判定される
与えられた情報は以下の通り。
* P(A)=13000P(A) = \frac{1}{3000} (V病にかかっている確率)
* P(BA)=0.97P(B|A) = 0.97 (V病にかかっている人がV病であると判定される確率)
* P(A)=1P(A)=29993000P(\overline{A}) = 1 - P(A) = \frac{2999}{3000} (V病にかかっていない確率)
* P(BA)=10.97=0.03P(B|\overline{A}) = 1 - 0.97 = 0.03 (V病にかかっていない人がV病であると判定される確率)
求める確率はP(AB)P(A|B)であり、ベイズの定理より、
P(AB)=P(BA)P(A)P(B)P(A|B) = \frac{P(B|A)P(A)}{P(B)}
ここで、P(B)=P(BA)P(A)+P(BA)P(A)P(B) = P(B|A)P(A) + P(B|\overline{A})P(\overline{A})なので、
P(B)=0.97×13000+0.03×29993000=0.97+0.03×29993000=0.97+89.973000=90.943000P(B) = 0.97 \times \frac{1}{3000} + 0.03 \times \frac{2999}{3000} = \frac{0.97 + 0.03 \times 2999}{3000} = \frac{0.97 + 89.97}{3000} = \frac{90.94}{3000}
したがって、P(AB)=0.97×1300090.943000=0.9790.940.010666P(A|B) = \frac{0.97 \times \frac{1}{3000}}{\frac{90.94}{3000}} = \frac{0.97}{90.94} \approx 0.010666
小数第4位を四捨五入すると、約0.011となる。
(2) 同様にベイズの定理を用いて、V病でないと判定されたにも関わらず、本当はV病にかかっている確率を計算する。
事象を以下のように定義する。
* A:V病にかかっている
* B\overline{B}:V病でないと判定される
与えられた情報は以下の通り。
* P(A)=13000P(A) = \frac{1}{3000} (V病にかかっている確率)
* P(BA)=10.97=0.03P(\overline{B}|A) = 1 - 0.97 = 0.03 (V病にかかっている人がV病でないと判定される確率)
* P(A)=1P(A)=29993000P(\overline{A}) = 1 - P(A) = \frac{2999}{3000} (V病にかかっていない確率)
* P(BA)=0.97P(\overline{B}|\overline{A}) = 0.97 (V病にかかっていない人がV病でないと判定される確率)
求める確率はP(AB)P(A|\overline{B})であり、ベイズの定理より、
P(AB)=P(BA)P(A)P(B)P(A|\overline{B}) = \frac{P(\overline{B}|A)P(A)}{P(\overline{B})}
ここで、P(B)=P(BA)P(A)+P(BA)P(A)P(\overline{B}) = P(\overline{B}|A)P(A) + P(\overline{B}|\overline{A})P(\overline{A})なので、
P(B)=0.03×13000+0.97×29993000=0.03+0.97×29993000=0.03+2909.033000=2909.063000P(\overline{B}) = 0.03 \times \frac{1}{3000} + 0.97 \times \frac{2999}{3000} = \frac{0.03 + 0.97 \times 2999}{3000} = \frac{0.03 + 2909.03}{3000} = \frac{2909.06}{3000}
したがって、P(AB)=0.03×130002909.063000=0.032909.060.00001031P(A|\overline{B}) = \frac{0.03 \times \frac{1}{3000}}{\frac{2909.06}{3000}} = \frac{0.03}{2909.06} \approx 0.00001031
約0.00001となる。

3. 最終的な答え

(1) 約0.011
(2) 約0.00001

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