10本のくじの中に当たりくじが2本含まれている。この中から同時に5本引いたとき、当たりくじの本数 $X$ の期待値 $E(X)$、 $X^2$ の期待値 $E(X^2)$、および分散 $V(X)$ を求める。ただし、$E(X^2) = \frac{a}{9}$ および $V(X) = \frac{b}{9}$ の形で答える。

確率論・統計学期待値分散超幾何分布確率分布
2025/5/14

1. 問題の内容

10本のくじの中に当たりくじが2本含まれている。この中から同時に5本引いたとき、当たりくじの本数 XX の期待値 E(X)E(X)X2X^2 の期待値 E(X2)E(X^2)、および分散 V(X)V(X) を求める。ただし、E(X2)=a9E(X^2) = \frac{a}{9} および V(X)=b9V(X) = \frac{b}{9} の形で答える。

2. 解き方の手順

XX は超幾何分布に従う。
母集団のサイズを N=10N = 10、当たりくじの本数を K=2K = 2、標本サイズを n=5n = 5 とする。
XX の取りうる値は、0, 1, 2である。
まず、確率質量関数 P(X=x)P(X=x) を求める。
P(X=x)=KCxNKCnxNCn=2Cx8C5x10C5P(X=x) = \frac{{}_K C_x \cdot {}_{N-K} C_{n-x}}{{}_N C_n} = \frac{{}_2 C_x \cdot {}_8 C_{5-x}}{{}_{10} C_5}
P(X=0)=2C08C510C5=156252=56252=29P(X=0) = \frac{{}_2 C_0 \cdot {}_8 C_5}{{}_{10} C_5} = \frac{1 \cdot 56}{252} = \frac{56}{252} = \frac{2}{9}
P(X=1)=2C18C410C5=270252=140252=59P(X=1) = \frac{{}_2 C_1 \cdot {}_8 C_4}{{}_{10} C_5} = \frac{2 \cdot 70}{252} = \frac{140}{252} = \frac{5}{9}
P(X=2)=2C28C310C5=156252=56252=29P(X=2) = \frac{{}_2 C_2 \cdot {}_8 C_3}{{}_{10} C_5} = \frac{1 \cdot 56}{252} = \frac{56}{252} = \frac{2}{9}
期待値 E(X)E(X) は、
E(X)=xP(X=x)=029+159+229=59+49=99=1E(X) = \sum x P(X=x) = 0 \cdot \frac{2}{9} + 1 \cdot \frac{5}{9} + 2 \cdot \frac{2}{9} = \frac{5}{9} + \frac{4}{9} = \frac{9}{9} = 1
X2X^2 の期待値 E(X2)E(X^2) は、
E(X2)=x2P(X=x)=0229+1259+2229=0+59+89=139E(X^2) = \sum x^2 P(X=x) = 0^2 \cdot \frac{2}{9} + 1^2 \cdot \frac{5}{9} + 2^2 \cdot \frac{2}{9} = 0 + \frac{5}{9} + \frac{8}{9} = \frac{13}{9}
したがって、a=13a=13
分散 V(X)V(X) は、
V(X)=E(X2)(E(X))2=13912=1391=1399=49V(X) = E(X^2) - (E(X))^2 = \frac{13}{9} - 1^2 = \frac{13}{9} - 1 = \frac{13-9}{9} = \frac{4}{9}
したがって、b=4b=4

3. 最終的な答え

E(X)=1E(X) = 1
E(X2)=139,a=13E(X^2) = \frac{13}{9}, a=13
V(X)=49,b=4V(X) = \frac{4}{9}, b=4

「確率論・統計学」の関連問題

2つのサイコロを投げたとき、小さい方の目の数をXとします。ただし、2つのサイコロの目が等しいときは、その目の数をXとします。 (a) 小さい方の目の数が2である確率 $P(X=2)$ を求めます。 (...

確率期待値サイコロ確率分布
2025/5/23

1から6までの目が出るサイコロを2つ同時に投げたとき、出た目の積が5の倍数になる確率を求める問題です。

確率サイコロ場合の数
2025/5/23

確率変数Xの確率密度関数が与えられており、(a)期待値E(X)と(b)分散V(X)を求める問題です。確率密度関数は、 $f(x) = \begin{cases} -\frac{3}{4}x^2 + \...

確率密度関数期待値分散積分
2025/5/23

1から6までの目がそれぞれ1/6の確率で出るサイコロを60回投げたとき、奇数の目が出る回数をXとします。 (a) 期待値 $E(X)$ を求めます。 (b) 分散 $V(X)$ を求めます。

期待値分散ベルヌーイ試行確率
2025/5/23

確率変数 $X$ の確率密度関数 $f(x)$ が与えられています。 $ f(x) = \begin{cases} -\frac{3}{4}x^2 + \frac{3}{2}x & (0 \le x ...

確率密度関数期待値分散積分
2025/5/23

確率変数 $X$ の確率密度関数 $f(x)$ が次のように与えられている。 $f(x) = \begin{cases} -\frac{3}{4}x^2 + \frac{3}{2}x & (0 \le...

確率密度関数期待値積分
2025/5/23

確率変数 $X$ の確率密度関数 $f(x)$ が与えられており、以下のようになっています。 $ f(x) = \begin{cases} -\frac{3}{4}x^2 + \frac{3}{2}x...

確率密度関数期待値分散積分
2025/5/23

問題は、1から6までの目がそれぞれ$\frac{1}{6}$の確率で出るサイコロを60回投げたとき、奇数の目が出る回数を$X$とする。 (a) 期待値$E(X)$を求める。 (b) 分散$V(X)$を...

確率期待値分散二項分布
2025/5/23

6枚のカードがあり、表には1から6の整数が書かれ、裏にはそれぞれ表の数から7を引いた数が書かれています。サイコロを投げ、4以下の目ならカードの表の数を点数とし、5以上の目なら裏の数を点数とします。この...

確率事象サイコロ確率計算
2025/5/23

150人の学生を対象に、通学時の電車とバスの利用状況を調査した結果、電車利用者は111人、バス利用者は96人、両方利用者は69人だった。 このとき、表の空欄(ア~ケ)に当てはまる数字と、電車とバスを両...

集合ベン図統計
2025/5/23