(1) 20の倍数であり、正の約数の個数が10個である自然数 $n$ を求める。 (2) 300以下の自然数のうち、正の約数の個数が9個である数を全て求める。

数論約数素因数分解倍数
2025/5/15

1. 問題の内容

(1) 20の倍数であり、正の約数の個数が10個である自然数 nn を求める。
(2) 300以下の自然数のうち、正の約数の個数が9個である数を全て求める。

2. 解き方の手順

(1)
自然数 nn の素因数分解を n=p1e1p2e2pkekn = p_1^{e_1} p_2^{e_2} \cdots p_k^{e_k} と表すと、約数の個数は (e1+1)(e2+1)(ek+1)(e_1 + 1)(e_2 + 1) \cdots (e_k + 1) となる。
約数の個数が10個なので、 (e1+1)(e2+1)(ek+1)=10(e_1 + 1)(e_2 + 1) \cdots (e_k + 1) = 10 となる。
10=2×510 = 2 \times 5 であるから、考えられる指数は
- n=p9n = p^9
- n=p14p2n = p_1^4 p_2
のいずれかの形である。
nn は20の倍数であるから、 nn22×52^2 \times 5 を約数に持つ。
n=p9n = p^9 の形では、20の倍数にならない。
n=p14p2n = p_1^4 p_2 の形で考える。
n=24×5=80n = 2^4 \times 5 = 80
n=54×2=1250n = 5^4 \times 2 = 1250
n=24×pn = 2^4 \times p, (p5p \ne 5)
n=54×pn = 5^4 \times p, (p2p \ne 2)
n=2a×5b×n = 2^a \times 5^b \times \cdots
20=22×520 = 2^2 \times 5 であるので、nn222^255 で割り切れる。
n=p14p2n = p_1^4 p_2 の形を考えると、
n=24×5=80n = 2^4 \times 5 = 80. 80 は20の倍数で、約数の個数は (4+1)(1+1)=10(4+1)(1+1) = 10
n=54×2=1250n = 5^4 \times 2 = 1250. 1250 は20の倍数で、約数の個数は (4+1)(1+1)=10(4+1)(1+1) = 10
よって、n=80n = 80n=1250n = 1250 が候補となる。
(2)
約数の個数が9個であるので、 (e1+1)(e2+1)(ek+1)=9(e_1 + 1)(e_2 + 1) \cdots (e_k + 1) = 9 となる。
9=3×39 = 3 \times 3 であるから、考えられる指数は
- n=p8n = p^8
- n=p12p22n = p_1^2 p_2^2
のいずれかの形である。
n=p8n = p^8 の形について、p=2p=2 のとき、n=28=256n = 2^8 = 256
p=3p=3 のとき、n=38n = 3^8 これは300を超える。
n=p12p22n = p_1^2 p_2^2 の形について、
n=22×32=4×9=36n = 2^2 \times 3^2 = 4 \times 9 = 36
n=22×52=4×25=100n = 2^2 \times 5^2 = 4 \times 25 = 100
n=22×72=4×49=196n = 2^2 \times 7^2 = 4 \times 49 = 196
n=22×112=4×121=484n = 2^2 \times 11^2 = 4 \times 121 = 484 これは300を超える。
n=32×52=9×25=225n = 3^2 \times 5^2 = 9 \times 25 = 225
n=32×72=9×49=441n = 3^2 \times 7^2 = 9 \times 49 = 441 これは300を超える。
n=52×72=25×49n = 5^2 \times 7^2 = 25 \times 49 これは300を超える。
よって、300以下の自然数で約数の個数が9個であるものは、36,100,196,225,25636, 100, 196, 225, 256 である。

3. 最終的な答え

(1) 80, 1250
(2) 36, 100, 196, 225, 256

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