## 1. 問題の内容

数論整数の性質倍数合同式因数分解
2025/5/15
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1. 問題の内容

(1) nn が自然数のとき、n5nn^5 - n が 5 の倍数であることを証明する。
(2) nn が奇数のとき、n21n^2 - 1 が 8 の倍数であることを証明する。
(3) nn が奇数のとき、n5nn^5 - n が 120 の倍数であることを証明する。
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2. 解き方の手順

**(1) n5nn^5 - n が 5 の倍数であることの証明**
n5n=n(n41)=n(n21)(n2+1)=n(n1)(n+1)(n2+1)=(n1)n(n+1)(n2+1)n^5 - n = n(n^4 - 1) = n(n^2 - 1)(n^2 + 1) = n(n - 1)(n + 1)(n^2 + 1) = (n - 1)n(n + 1)(n^2 + 1).
ここで、n2+1=n24+5=(n2)(n+2)+5n^2 + 1 = n^2 - 4 + 5 = (n - 2)(n + 2) + 5 と変形できる。
したがって、n5n=(n2)(n1)n(n+1)(n+2)+5(n1)n(n+1)n^5 - n = (n - 2)(n - 1)n(n + 1)(n + 2) + 5(n - 1)n(n + 1) となる。
(n2)(n1)n(n+1)(n+2)(n - 2)(n - 1)n(n + 1)(n + 2) は連続する 5 つの整数の積なので、5 の倍数である。
5(n1)n(n+1)5(n - 1)n(n + 1) は明らかに 5 の倍数である。
よって、n5nn^5 - n は 5 の倍数である。
**(2) n21n^2 - 1 が 8 の倍数であることの証明**
nn が奇数なので、n=2k+1n = 2k + 1 (kk は整数) と表せる。
n21=(2k+1)21=4k2+4k+11=4k2+4k=4k(k+1)n^2 - 1 = (2k + 1)^2 - 1 = 4k^2 + 4k + 1 - 1 = 4k^2 + 4k = 4k(k + 1).
kkk+1k + 1 は連続する整数なので、どちらか一方は偶数である。したがって、k(k+1)k(k + 1) は偶数である。
k(k+1)=2lk(k + 1) = 2l (ll は整数) と表せる。
n21=42l=8ln^2 - 1 = 4 \cdot 2l = 8l.
よって、n21n^2 - 1 は 8 の倍数である。
**(3) n5nn^5 - n が 120 の倍数であることの証明**
(1) より、n5n=(n1)n(n+1)(n2+1)n^5 - n = (n - 1)n(n + 1)(n^2 + 1). また、nnは奇数なので、n=2k+1n = 2k+1 と表せる。
n5n=(2k)(2k+1)(2k+2)((2k+1)2+1)=4k(k+1)(2k+1)(4k2+4k+2)=8k(k+1)(2k+1)(2k2+2k+1)n^5 - n = (2k)(2k+1)(2k+2)((2k+1)^2+1) = 4k(k+1)(2k+1)(4k^2+4k+2) = 8k(k+1)(2k+1)(2k^2+2k+1)
(1)の結果から、n5nn^5 - n は 5 の倍数であることがわかっている。
(2)の結果から、n21=(n1)(n+1)n^2 - 1 = (n-1)(n+1) は 8 の倍数であることがわかっている。つまり、n5n=n(n21)(n2+1)=n(8k)(n2+1)=8nk(n2+1)n^5 - n = n(n^2-1)(n^2+1) = n(8k)(n^2+1) = 8n k (n^2+1) は 8 の倍数である。
また、連続する3整数の積 (n1)n(n+1)(n-1)n(n+1) を含むので、n5nn^5 - nは 3 の倍数。
よって、n5nn^5 - n は 3 の倍数、5 の倍数、8 の倍数である。3, 5, 8 は互いに素なので、n5nn^5 - n3×5×8=1203 \times 5 \times 8 = 120 の倍数である。
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3. 最終的な答え

(1) n5nn^5 - n は 5 の倍数である。
(2) n21n^2 - 1 は 8 の倍数である。
(3) n5nn^5 - n は 120 の倍数である。

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