実数 $a < b$ が与えられ、有界閉区間 $[a, b]$ 上で定義された連続関数 $f$ が $a \le f(x) \le b$ (すべての $x \in [a, b]$ に対して)を満たすとする。このとき、$f(c) = c$ を満たす $c \in [a, b]$ が存在することを示す。これは不動点定理の簡単な例です。

解析学不動点定理連続関数中間値の定理
2025/5/16

1. 問題の内容

実数 a<ba < b が与えられ、有界閉区間 [a,b][a, b] 上で定義された連続関数 ffaf(x)ba \le f(x) \le b (すべての x[a,b]x \in [a, b] に対して)を満たすとする。このとき、f(c)=cf(c) = c を満たす c[a,b]c \in [a, b] が存在することを示す。これは不動点定理の簡単な例です。

2. 解き方の手順

以下のように補助関数 g(x)g(x) を定義します。
g(x)=f(x)xg(x) = f(x) - x
ここで、x[a,b]x \in [a, b] であることを考慮します。
f(x)f(x) は連続であり、xx も連続であるため、g(x)g(x) は連続です。
ここで、区間 [a,b][a, b] の両端における g(x)g(x) の値を調べます。
x=ax = a のとき、af(a)ba \le f(a) \le b であることから、g(a)=f(a)a0g(a) = f(a) - a \ge 0 が成り立ちます。
x=bx = b のとき、af(b)ba \le f(b) \le b であることから、g(b)=f(b)b0g(b) = f(b) - b \le 0 が成り立ちます。
もし g(a)=0g(a) = 0 または g(b)=0g(b) = 0 ならば、f(a)=af(a) = a または f(b)=bf(b) = b であるため、c=ac = a または c=bc = bf(c)=cf(c) = c を満たす不動点となります。
g(a)>0g(a) > 0 かつ g(b)<0g(b) < 0 の場合を考えます。 g(x)g(x) は連続関数なので、中間値の定理より、g(a)g(a)g(b)g(b) の間の任意の値を取る c(a,b)c \in (a, b) が存在します。特に、g(c)=0g(c) = 0 となる c(a,b)c \in (a, b) が存在します。
g(c)=0g(c) = 0f(c)c=0f(c) - c = 0 を意味するので、f(c)=cf(c) = c が成り立ちます。
したがって、c[a,b]c \in [a, b] が存在し、f(c)=cf(c) = c を満たすことが示されました。

3. 最終的な答え

f(c)=cf(c) = c を満たす c[a,b]c \in [a, b] が存在する。

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