マクローリンの定理を用いて、以下の空欄を埋める問題です。 (1) $\cos x$ のマクローリン展開とその剰余項を求める。 (2) $f(x) = f(0) + xf'(cx)$ (ただし $0 < c < 1$) という関係式があるとき、$x \to 0$ のときの $c$ の極限を求める。ただし、$f''(x)$ が連続で、$f''(0) \neq 0$。 (3) $f(x) = f(0) + xf'(cx)$ (ただし $0 < c < 1$) という関係式があるとき、$x \to 0$ のときの $c$ の極限を求める。ただし、$f'''(x)$ が連続で、$f''(0) = 0$, $f'''(0) \neq 0$。

1. 問題の内容

マクローリンの定理を用いて、以下の空欄を埋める問題です。

(1) $\cos x$ のマクローリン展開とその剰余項を求める。

(2) $f(x) = f(0) + xf'(cx)$ (ただし $0 < c < 1$) という関係式があるとき、$x \to 0$ のときの $c$ の極限を求める。ただし、$f''(x)$ が連続で、$f''(0) \neq 0$。

(3) $f(x) = f(0) + xf'(cx)$ (ただし $0 < c < 1$) という関係式があるとき、$x \to 0$ のときの $c$ の極限を求める。ただし、$f'''(x)$ が連続で、$f''(0) = 0$, $f'''(0) \neq 0$。

2. 解き方の手順

(1) $\cos x$ のマクローリン展開は次のようになります。

$\cos x = \sum_{k=0}^{n} \frac{(-1)^k x^{2k}}{(2k)!} + R_{2n+2}$

ここで、$R_{2n+2} = \frac{f^{(2n+2)}(\theta x)}{(2n+2)!} x^{2n+2} = \frac{(-1)^{n+1} \cos(\theta x)}{(2n+2)!} x^{2n+2}$ (ただし $0 < \theta < 1$)

(2) $f'(cx)$ を $cx$ でマクローリン展開します。

$f'(cx) = f'(0) + f''(0)cx + O((cx)^2)$

$f(x) = f(0) + x(f'(0) + f''(0)cx + O((cx)^2)) = f(0) + xf'(0) + x^2 c f''(0) + O(x^3)$

$f(x) = f(0) + xf'(cx)$ より、$f(x)-f(0) = xf'(cx)$. $x \rightarrow 0$ において、$f'(cx) = \frac{f(x) - f(0)}{x}$となります。

$f(x)$ をマクローリン展開すると、$f(x) = f(0) + xf'(0) + \frac{x^2}{2} f''(0) + O(x^3)$

$\frac{f(x) - f(0)}{x} = f'(0) + \frac{x}{2} f''(0) + O(x^2)$

$f'(cx) = f'(0) + cx f''(0) + O((cx)^2)$ より、

$f'(0) + \frac{x}{2} f''(0) = f'(0) + cx f''(0)$

$\frac{1}{2} = c$ となる。

したがって、$x \to 0$ のとき、$c \to \frac{1}{2}$.

(3) $f'(cx)$ を $cx$ でマクローリン展開します。

$f'(cx) = f'(0) + f''(0) cx + \frac{1}{2} (cx)^2 f'''(0) + O((cx)^3)$

$f''(0) = 0$ より、$f'(cx) = f'(0) + \frac{1}{2} c^2 x^2 f'''(0) + O((cx)^3)$

$f(x) = f(0) + xf'(cx) = f(0) + x(f'(0) + \frac{1}{2} c^2 x^2 f'''(0) + O((cx)^3))$

$f(x) = f(0) + xf'(0) + \frac{1}{2} c^2 x^3 f'''(0) + O(x^4)$

$f(x)$ をマクローリン展開すると、$f(x) = f(0) + xf'(0) + \frac{x^3}{3!} f'''(0) + O(x^4)$

$f(x) - f(0) - xf'(0) = \frac{x^3}{6} f'''(0)$

$\frac{x^3}{6} f'''(0) = \frac{1}{2}c^2 x^3 f'''(0)$

$\frac{1}{6} = \frac{1}{2} c^2$

$c^2 = \frac{1}{3}$

$c = \frac{1}{\sqrt{3}}$

したがって、$x \to 0$ のとき、$c \to \frac{1}{\sqrt{3}}$.

3. 最終的な答え

(a) $\frac{(-1)^k x^{2k}}{(2k)!}$

(b) $\frac{(-1)^{n+1} \cos(\theta x)}{(2n+2)!} x^{2n+2}$

(c) $\frac{1}{2}$

(d) $\frac{1}{\sqrt{3}}$