与えられた初期値問題を解く問題です。微分方程式は $\frac{dy}{dt} = y + y^3$ であり、初期条件は $y(0) = 1$ です。

解析学微分方程式初期値問題変数分離積分
2025/5/16

1. 問題の内容

与えられた初期値問題を解く問題です。微分方程式は dydt=y+y3\frac{dy}{dt} = y + y^3 であり、初期条件は y(0)=1y(0) = 1 です。

2. 解き方の手順

まず、与えられた微分方程式を変数分離します。
dydt=y+y3=y(1+y2)\frac{dy}{dt} = y + y^3 = y(1 + y^2)
dyy(1+y2)=dt\frac{dy}{y(1+y^2)} = dt
次に、左辺を部分分数分解します。
1y(1+y2)=Ay+By+C1+y2\frac{1}{y(1+y^2)} = \frac{A}{y} + \frac{By + C}{1+y^2}
1=A(1+y2)+(By+C)y1 = A(1+y^2) + (By+C)y
1=A+Ay2+By2+Cy1 = A + Ay^2 + By^2 + Cy
1=A+(A+B)y2+Cy1 = A + (A+B)y^2 + Cy
したがって、A=1,C=0,A+B=0A = 1, C = 0, A+B = 0 より、A=1,B=1,C=0A = 1, B = -1, C = 0
1y(1+y2)=1yy1+y2\frac{1}{y(1+y^2)} = \frac{1}{y} - \frac{y}{1+y^2}
よって、積分は次のようになります。
dyy(1+y2)=(1yy1+y2)dy=dt\int \frac{dy}{y(1+y^2)} = \int \left(\frac{1}{y} - \frac{y}{1+y^2}\right) dy = \int dt
1ydyy1+y2dy=dt\int \frac{1}{y} dy - \int \frac{y}{1+y^2} dy = \int dt
lny12ln(1+y2)=t+C1\ln|y| - \frac{1}{2} \ln(1+y^2) = t + C_1
lnyln1+y2=t+C1\ln|y| - \ln\sqrt{1+y^2} = t + C_1
lny1+y2=t+C1\ln \left|\frac{y}{\sqrt{1+y^2}}\right| = t + C_1
y1+y2=et+C1=Cet\frac{y}{\sqrt{1+y^2}} = e^{t+C_1} = C e^t (ただし、C=±eC1C = \pm e^{C_1}
y=Cet1+y2y = C e^t \sqrt{1+y^2}
y2=C2e2t(1+y2)y^2 = C^2 e^{2t} (1+y^2)
y2=C2e2t+C2e2ty2y^2 = C^2 e^{2t} + C^2 e^{2t} y^2
y2(1C2e2t)=C2e2ty^2(1-C^2 e^{2t}) = C^2 e^{2t}
y2=C2e2t1C2e2ty^2 = \frac{C^2 e^{2t}}{1 - C^2 e^{2t}}
y=±C2e2t1C2e2ty = \pm \sqrt{\frac{C^2 e^{2t}}{1 - C^2 e^{2t}}}
初期条件 y(0)=1y(0) = 1 を適用します。
1=±C21C21 = \pm \sqrt{\frac{C^2}{1 - C^2}}
1=C21C21 = \frac{C^2}{1 - C^2}
1C2=C21 - C^2 = C^2
2C2=12C^2 = 1
C2=12C^2 = \frac{1}{2}
C=±12C = \pm \frac{1}{\sqrt{2}}
y=12e2t112e2t=e2t2e2ty = \sqrt{\frac{\frac{1}{2}e^{2t}}{1 - \frac{1}{2}e^{2t}}} = \sqrt{\frac{e^{2t}}{2 - e^{2t}}}
y=e2t2e2ty = \sqrt{\frac{e^{2t}}{2 - e^{2t}}}

3. 最終的な答え

y(t)=e2t2e2ty(t) = \sqrt{\frac{e^{2t}}{2-e^{2t}}}

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