複素数 $z$ が与えられた方程式を満たすとき、点 $z$ 全体がどのような図形になるかを答える問題です。具体的には、次の6つの方程式について考えます。 (1) $|z+2i| = 3$ (2) $|z+3-2i| = 1$ (3) $|\overline{z} - i| = 1$ (4) $|z+1| = 2|z-2|$ (5) $3|z| = |z-8i|$ (6) $|z-i| = 2|z-1|$

代数学複素数複素平面絶対値
2025/5/17

1. 問題の内容

複素数 zz が与えられた方程式を満たすとき、点 zz 全体がどのような図形になるかを答える問題です。具体的には、次の6つの方程式について考えます。
(1) z+2i=3|z+2i| = 3
(2) z+32i=1|z+3-2i| = 1
(3) zi=1|\overline{z} - i| = 1
(4) z+1=2z2|z+1| = 2|z-2|
(5) 3z=z8i3|z| = |z-8i|
(6) zi=2z1|z-i| = 2|z-1|

2. 解き方の手順

(1) z+2i=3|z+2i| = 3
これは、点 2i-2i からの距離が3である点の集合なので、中心が 2i-2i で半径が3の円を表します。
(2) z+32i=1|z+3-2i| = 1
これは、点 3+2i-3+2i からの距離が1である点の集合なので、中心が 3+2i-3+2i で半径が1の円を表します。
(3) zi=1|\overline{z} - i| = 1
複素共役の性質 w=w|w| = |\overline{w}| を利用すると、
zi=zi=z+i=1|\overline{z} - i| = |\overline{\overline{z} - i}| = |z + i| = 1
これは、点 i-i からの距離が1である点の集合なので、中心が i-i で半径が1の円を表します。
(4) z+1=2z2|z+1| = 2|z-2|
z=x+yiz = x+yi とおくと、
x+yi+1=2x+yi2|x+yi+1| = 2|x+yi-2|
(x+1)+yi=2(x2)+yi|(x+1) + yi| = 2|(x-2) + yi|
(x+1)2+y2=2(x2)2+y2\sqrt{(x+1)^2 + y^2} = 2\sqrt{(x-2)^2 + y^2}
両辺を2乗すると、
(x+1)2+y2=4((x2)2+y2)(x+1)^2 + y^2 = 4((x-2)^2 + y^2)
x2+2x+1+y2=4(x24x+4+y2)x^2 + 2x + 1 + y^2 = 4(x^2 - 4x + 4 + y^2)
x2+2x+1+y2=4x216x+16+4y2x^2 + 2x + 1 + y^2 = 4x^2 - 16x + 16 + 4y^2
3x218x+3y2+15=03x^2 - 18x + 3y^2 + 15 = 0
x26x+y2+5=0x^2 - 6x + y^2 + 5 = 0
(x3)29+y2+5=0(x-3)^2 - 9 + y^2 + 5 = 0
(x3)2+y2=4=22(x-3)^2 + y^2 = 4 = 2^2
これは、中心が 33 で半径が 22 の円を表します。
(5) 3z=z8i3|z| = |z-8i|
z=x+yiz = x+yi とおくと、
3x+yi=x+yi8i3|x+yi| = |x+yi-8i|
3x2+y2=x2+(y8)23\sqrt{x^2 + y^2} = \sqrt{x^2 + (y-8)^2}
両辺を2乗すると、
9(x2+y2)=x2+(y8)29(x^2 + y^2) = x^2 + (y-8)^2
9x2+9y2=x2+y216y+649x^2 + 9y^2 = x^2 + y^2 - 16y + 64
8x2+8y2+16y64=08x^2 + 8y^2 + 16y - 64 = 0
x2+y2+2y8=0x^2 + y^2 + 2y - 8 = 0
x2+(y+1)218=0x^2 + (y+1)^2 - 1 - 8 = 0
x2+(y+1)2=9=32x^2 + (y+1)^2 = 9 = 3^2
これは、中心が i-i で半径が 33 の円を表します。
(6) zi=2z1|z-i| = 2|z-1|
z=x+yiz = x+yi とおくと、
x+yii=2x+yi1|x+yi-i| = 2|x+yi-1|
x+(y1)i=2(x1)+yi|x + (y-1)i| = 2|(x-1) + yi|
x2+(y1)2=2(x1)2+y2\sqrt{x^2 + (y-1)^2} = 2\sqrt{(x-1)^2 + y^2}
両辺を2乗すると、
x2+(y1)2=4((x1)2+y2)x^2 + (y-1)^2 = 4((x-1)^2 + y^2)
x2+y22y+1=4(x22x+1+y2)x^2 + y^2 - 2y + 1 = 4(x^2 - 2x + 1 + y^2)
x2+y22y+1=4x28x+4+4y2x^2 + y^2 - 2y + 1 = 4x^2 - 8x + 4 + 4y^2
3x28x+3y2+2y+3=03x^2 - 8x + 3y^2 + 2y + 3 = 0
x283x+y2+23y+1=0x^2 - \frac{8}{3}x + y^2 + \frac{2}{3}y + 1 = 0
(x43)2169+(y+13)219+1=0(x - \frac{4}{3})^2 - \frac{16}{9} + (y + \frac{1}{3})^2 - \frac{1}{9} + 1 = 0
(x43)2+(y+13)2=169+191=89(x - \frac{4}{3})^2 + (y + \frac{1}{3})^2 = \frac{16}{9} + \frac{1}{9} - 1 = \frac{8}{9}
これは、中心が 4313i\frac{4}{3} - \frac{1}{3}i で半径が 223\frac{2\sqrt{2}}{3} の円を表します。

3. 最終的な答え

(1) 中心が 2i-2i で半径が3の円
(2) 中心が 3+2i-3+2i で半径が1の円
(3) 中心が i-i で半径が1の円
(4) 中心が 33 で半径が 22 の円
(5) 中心が i-i で半径が 33 の円
(6) 中心が 4313i\frac{4}{3} - \frac{1}{3}i で半径が 223\frac{2\sqrt{2}}{3} の円

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