自然数 $a$ について、和が2で積が $2-a$ となる2つの異なる整数が存在する。このような $a$ を小さい順に $a_1, a_2, a_3, ...$ とおく。$a_1, a_2, a_3$ の値を求め、数列 $\{a_n\}$ の初項から第 $k$ 項までの和が294であるとき、$k$ の値を求める。

数論数列二次方程式整数和の計算
2025/3/7

1. 問題の内容

自然数 aa について、和が2で積が 2a2-a となる2つの異なる整数が存在する。このような aa を小さい順に a1,a2,a3,...a_1, a_2, a_3, ... とおく。a1,a2,a3a_1, a_2, a_3 の値を求め、数列 {an}\{a_n\} の初項から第 kk 項までの和が294であるとき、kk の値を求める。

2. 解き方の手順

和が2で積が 2a2-a となる2つの整数を x,yx, y とすると、
x+y=2x + y = 2
xy=2axy = 2 - a
xxyytt の二次方程式 t22t+(2a)=0t^2 - 2t + (2-a) = 0 の解である。この方程式が異なる2つの実数解を持つためには、判別式 DD が正である必要がある。
D=(2)24(1)(2a)>0D = (-2)^2 - 4(1)(2-a) > 0
48+4a>04 - 8 + 4a > 0
4a>44a > 4
a>1a > 1
また、x,yx, y は整数なので、判別式 DD は平方数でなければならない。つまり、4a44a - 4 が平方数である必要がある。
4a4=4(a1)=m24a - 4 = 4(a - 1) = m^2mm は整数)
a1=(m2)2a - 1 = (\frac{m}{2})^2 であるから、a1a - 1 は平方数でなければならない。
a1=n2a - 1 = n^2nn は整数)
a=n2+1a = n^2 + 1
a1a_1aa の最小値なので、n=1n=1 のとき、a1=12+1=2a_1 = 1^2 + 1 = 2
n=2n=2 のとき、a2=22+1=5a_2 = 2^2 + 1 = 5
n=3n=3 のとき、a3=32+1=10a_3 = 3^2 + 1 = 10
したがって、an=n2+1a_n = n^2 + 1
数列 {an}\{a_n\} の初項から第 kk 項までの和 SkS_k は、
Sk=n=1k(n2+1)=n=1kn2+n=1k1=k(k+1)(2k+1)6+kS_k = \sum_{n=1}^{k} (n^2 + 1) = \sum_{n=1}^{k} n^2 + \sum_{n=1}^{k} 1 = \frac{k(k+1)(2k+1)}{6} + k
Sk=k(k+1)(2k+1)+6k6=k(2k2+3k+1+6)6=k(2k2+3k+7)6S_k = \frac{k(k+1)(2k+1) + 6k}{6} = \frac{k(2k^2 + 3k + 1 + 6)}{6} = \frac{k(2k^2 + 3k + 7)}{6}
Sk=294S_k = 294 より、
k(2k2+3k+7)6=294\frac{k(2k^2 + 3k + 7)}{6} = 294
k(2k2+3k+7)=294×6=1764k(2k^2 + 3k + 7) = 294 \times 6 = 1764
2k3+3k2+7k1764=02k^3 + 3k^2 + 7k - 1764 = 0
k=9k = 9 を代入すると、2(93)+3(92)+7(9)=2(729)+3(81)+63=1458+243+63=17642(9^3) + 3(9^2) + 7(9) = 2(729) + 3(81) + 63 = 1458 + 243 + 63 = 1764
したがって、k=9k = 9

3. 最終的な答え

a1=2a_1 = 2
a2=5a_2 = 5
a3=10a_3 = 10
k=9k = 9

「数論」の関連問題

$\sqrt{\frac{240-3n}{2}}$ の値が整数となるような自然数 $n$ のうちで、最も小さい値を求めます。

平方根整数の性質代数
2025/7/19

自然数 $N$ を5進法で表すと3桁の数 $abc_{(5)}$ となり、7進法で表すと3桁の数 $cab_{(7)}$ となる。このとき、自然数 $N$ と、整数 $a, b, c$ を求める問題で...

進法整数方程式数の表現
2025/7/18

(1) 整数 $m$ に対して、$m^2$ を4で割った余りは0または1であることを示す。 (2) 自然数 $n, k$ が $25 \times 3^n = k^2 + 176$ を満たすとき、$n...

整数の性質合同式二次不定方程式
2025/7/18

問題は、整数 $x$ について、「$x$ が 6 の倍数ならば、$x$ は 3 の倍数である」という命題の真偽を判定するものです。

倍数整数の性質命題真偽判定
2025/7/18

$5^{100}$ を $7$ で割ったときの余りを求めます。

合同式剰余累乗
2025/7/18

20の倍数で、正の約数の個数が15個である自然数nをすべて求めよ。

約数倍数素因数分解整数の性質
2025/7/18

問題は以下の2つです。 (1) $5^{105}$ は何桁の整数であるか。また、その最高位の数字は何か。 (2) $(\frac{1}{5})^{105}$ は小数第何位に初めて0でない数が現れるか。...

対数桁数最高位の数字常用対数
2025/7/17

整数 $a, b$ があり、$a$ を7で割ると1余り、$b$ を7で割ると2余るとき、以下の数を7で割った余りを求めよ。 (1) $a+b$ (2) $ab$ (3) $a^2-b^2$

合同式剰余整数の性質
2025/7/17

問題1は、4つの1次不定方程式の全ての整数解を求める問題です。 問題2は、3で割ると2余り、5で割ると4余る2桁の正の整数のうち、最大のものを求める問題です。

一次不定方程式合同式整数解最大公約数
2025/7/17

(5) 5で割ると3余り、8で割ると1余る自然数の中で最も小さいものを求める。 (6) 14で割ると3余り、21で割ると12余るような整数が存在しないことを示す。

合同式剰余不定方程式
2025/7/17