68人の人にA, B, Cの3都市への旅行経験を調査した。全員が少なくとも1つの都市に行ったことがある。$B \cap C$、$C \cap A$、$A \cap B$に行ったことのある人数はそれぞれ21人、19人、25人である。$B \cup C$、$C \cup A$、$A \cup B$に行ったことのある人数はそれぞれ59人、56人、60人である。 (1) A, B, Cの各都市へ行ったことのある人数をそれぞれ求める。 (2) A, B, Cの全都市へ行ったことのある人数を求める。

離散数学集合包除原理集合論
2025/5/17

1. 問題の内容

68人の人にA, B, Cの3都市への旅行経験を調査した。全員が少なくとも1つの都市に行ったことがある。BCB \cap CCAC \cap AABA \cap Bに行ったことのある人数はそれぞれ21人、19人、25人である。BCB \cup CCAC \cup AABA \cup Bに行ったことのある人数はそれぞれ59人、56人、60人である。
(1) A, B, Cの各都市へ行ったことのある人数をそれぞれ求める。
(2) A, B, Cの全都市へ行ったことのある人数を求める。

2. 解き方の手順

(1)
n(A),n(B),n(C)n(A), n(B), n(C)をそれぞれ都市A, B, Cへ行ったことのある人数とする。
条件より、n(ABC)=68n(A \cup B \cup C) = 68n(BC)=21n(B \cap C) = 21n(CA)=19n(C \cap A) = 19n(AB)=25n(A \cap B) = 25n(BC)=59n(B \cup C) = 59n(CA)=56n(C \cup A) = 56n(AB)=60n(A \cup B) = 60 である。
n(BC)=n(B)+n(C)n(BC)n(B \cup C) = n(B) + n(C) - n(B \cap C)より、n(B)+n(C)=n(BC)+n(BC)=59+21=80n(B) + n(C) = n(B \cup C) + n(B \cap C) = 59 + 21 = 80
n(CA)=n(C)+n(A)n(CA)n(C \cup A) = n(C) + n(A) - n(C \cap A)より、n(C)+n(A)=n(CA)+n(CA)=56+19=75n(C) + n(A) = n(C \cup A) + n(C \cap A) = 56 + 19 = 75
n(AB)=n(A)+n(B)n(AB)n(A \cup B) = n(A) + n(B) - n(A \cap B)より、n(A)+n(B)=n(AB)+n(AB)=60+25=85n(A) + n(B) = n(A \cup B) + n(A \cap B) = 60 + 25 = 85
ここで、n(A)+n(B)=85n(A) + n(B) = 85n(B)+n(C)=80n(B) + n(C) = 80n(C)+n(A)=75n(C) + n(A) = 75 という連立方程式を得る。
これらの式を足し合わせると、2(n(A)+n(B)+n(C))=85+80+75=2402(n(A) + n(B) + n(C)) = 85 + 80 + 75 = 240となるので、n(A)+n(B)+n(C)=120n(A) + n(B) + n(C) = 120
この式と上記の各方程式から、以下を得る。
n(C)=(n(A)+n(B)+n(C))(n(A)+n(B))=12085=35n(C) = (n(A) + n(B) + n(C)) - (n(A) + n(B)) = 120 - 85 = 35
n(A)=(n(A)+n(B)+n(C))(n(B)+n(C))=12080=40n(A) = (n(A) + n(B) + n(C)) - (n(B) + n(C)) = 120 - 80 = 40
n(B)=(n(A)+n(B)+n(C))(n(C)+n(A))=12075=45n(B) = (n(A) + n(B) + n(C)) - (n(C) + n(A)) = 120 - 75 = 45
(2)
包除原理より、n(ABC)=n(A)+n(B)+n(C)n(AB)n(BC)n(CA)+n(ABC)n(A \cup B \cup C) = n(A) + n(B) + n(C) - n(A \cap B) - n(B \cap C) - n(C \cap A) + n(A \cap B \cap C)である。
n(ABC)=68n(A \cup B \cup C) = 68, n(A)+n(B)+n(C)=120n(A) + n(B) + n(C) = 120, n(AB)=25n(A \cap B) = 25, n(BC)=21n(B \cap C) = 21, n(CA)=19n(C \cap A) = 19 を代入すると、
68=120252119+n(ABC)68 = 120 - 25 - 21 - 19 + n(A \cap B \cap C)
68=55+n(ABC)68 = 55 + n(A \cap B \cap C)となるので、n(ABC)=6855=13n(A \cap B \cap C) = 68 - 55 = 13

3. 最終的な答え

(1) A, B, Cの各都市へ行ったことのある人数は、それぞれ40人、45人、35人である。
(2) A, B, Cの全都市へ行ったことのある人数は13人である。

「離散数学」の関連問題

束に関する以下の2つの問題を解きます。 1. 束の公理を用いて $a \vee a = a$ を示す。

半順序関係公理冪等律反射律反対称律推移律
2025/8/2

問題155:1, 1, 2, 2, 3, 3という6つの数字を1列に並べる。 (1) 相異なる並べ方は全部で何通りあるか。 (2) 同じ数字が隣り合わない並べ方は何通りあるか。 問題156:正八角形が...

順列組み合わせ重複順列包除原理図形
2025/8/2

与えられた方程式 $x + y + z = 11$ に対して、以下の2つの条件における整数の解の組の数を求める問題です。 (1) $x \geq 0$, $y \geq 0$, $z \geq 0$ ...

重複組み合わせ整数解方程式
2025/8/2

与えられた図において、AからBへ最短経路で移動する方法について、以下の3つの場合について総数を求めます。 (1) AからBまで行く。 (2) AからCを通ってBまで行く。 (3) AからCを通らずにB...

組み合わせ最短経路場合の数組み合わせ論
2025/8/2

与えられた真理値表から論理式を設計し、その論理式をカルノー図を用いて簡略化する。真理値表はA, B, Cをインプットとし、Qをアウトプットとする。

論理回路真理値表論理式カルノー図論理簡略化
2025/8/2

与えられた二つの論理回路図をそれぞれ論理式に変換し、その真理値表を作成し、真理値表から論理式の別表現を検討する。

論理回路論理式真理値表ブール代数
2025/8/2

問題は、与えられた2つの論理回路の真理値表を作成することです。1つ目はNOTゲートとNANDゲートの組み合わせで、2つ目は3入力のXORゲートです。

論理回路真理値表ブール代数NOTゲートNANDゲートXORゲート
2025/8/2

与えられた論理回路は XORゲートの変形であり、3つの入力があります。ヒントとして「2変数ごとに XOR を計算」とあります。この回路の出力を求めることが問題です。

論理回路XORゲートブール代数論理演算
2025/8/2

与えられた論理回路の真理値表を作成します。回路はNOTゲートと3入力NANDゲートの組み合わせです。

論理回路真理値表論理演算ブール代数
2025/8/2

与えられた論理回路の真理値表を作成します。回路1はNOTゲートとNANDゲートの組み合わせで、回路2は3入力のXORゲートです。

論理回路真理値表論理演算NOTゲートNANDゲートXORゲート
2025/8/2