a, b を有理数とし、p, q, r を以下の条件で定めます。 * p: a は整数 * q: a, b のうち少なくとも一方は整数 * r: a+b, ab はともに整数 (1) 条件「p または q」の否定と同じ条件を表す条件を求める。 (2) 命題「p または q ⇒ r」の真偽とその逆の真偽を判定し、r が「p または q」であるための必要条件または十分条件であるかを判定する。
2025/5/19
1. 問題の内容
a, b を有理数とし、p, q, r を以下の条件で定めます。
* p: a は整数
* q: a, b のうち少なくとも一方は整数
* r: a+b, ab はともに整数
(1) 条件「p または q」の否定と同じ条件を表す条件を求める。
(2) 命題「p または q ⇒ r」の真偽とその逆の真偽を判定し、r が「p または q」であるための必要条件または十分条件であるかを判定する。
2. 解き方の手順
(1)
「p または q」の否定は、「p でない」かつ「q でない」です。
p でないとは「a は整数でない」であり、q でないとは「a も b も整数でない」です。
したがって、「p でない」かつ「q でない」は、「a は整数でない」かつ「a も b も整数でない」となります。これは選択肢③の「a,bはともに整数でない有理数」と同じ意味です。
(2)
命題「p または q ⇒ r」の真偽を考えます。
p または q が真であるとき、a または b が整数です。r は a+b と ab がともに整数であることです。
a, b がともに整数の場合、a+b と ab は整数なので r は真です。
a が整数で b が整数でない場合、a+b と ab がともに整数になるとは限りません。例えば a = 1, b = 1/2 の場合、a+b = 3/2 で整数ではありません。したがって、この命題は偽です。
命題「r ⇒ p または q」の真偽を考えます。
r が真であるとき、a+b と ab がともに整数です。このとき、a, b は2次方程式 の解であり、解の公式より となります。
も も整数であるので、 も整数です。
したがって、はともに有理数なので、も有理数です。
より、はともに有理数です。
ここで、は2次方程式の解であるので、両方とも整数であるか、もしくは一方が整数でないときは、のうち少なくとも一方は整数です。したがって、「p または q」は真です。よって、この命題は真です。
以上より、「p または q ⇒ r」は偽、「r ⇒ p または q」は真です。
したがって、r は「p または q」であるための必要条件ですが、十分条件ではありません。
3. 最終的な答え
(1) ア: ③
(2) イ: ① (偽)
ウ: ⓪ (真)
エ: ⓪ (必要条件であるが十分条件ではない)