逆三角関数や対数関数はなぜ定義できるのかを、逆関数の定義を使って説明する。

解析学逆関数対数関数逆三角関数指数関数三角関数全単射単射全射定義域
2025/5/19

1. 問題の内容

逆三角関数や対数関数はなぜ定義できるのかを、逆関数の定義を使って説明する。

2. 解き方の手順

逆関数の定義を理解することが重要です。関数 f(x)f(x) の逆関数 f1(x)f^{-1}(x) が存在するための必要十分条件は、f(x)f(x) が全単射であることです。全単射とは、単射(異なる入力に対して異なる出力)であり、かつ全射(すべての出力値に対して少なくとも1つの入力値が存在する)であることです。
* **対数関数の場合:**
指数関数 y=axy = a^xa>0a>0, a1a \neq 1)を考えます。この関数は、xx の任意の値に対して y>0y > 0 を満たし、単調増加または単調減少します(aa の値によります)。したがって、指数関数は全単射であり、逆関数を持ちます。この逆関数が対数関数 x=logayx = \log_a y です。xxyy を入れ替えて y=logaxy = \log_a x と表記するのが一般的です。
すなわち、
f(x)=axf(x) = a^x に対して、f1(x)=logaxf^{-1}(x) = \log_a x が存在します。
* **逆三角関数の場合:**
三角関数(例えば、y=sinxy = \sin x)は、その定義域全体では単射ではありません。例えば、sin(0)=sin(π)=0\sin(0) = \sin(\pi) = 0 です。しかし、三角関数の定義域を適切に制限することで、単射にすることができます。
例えば、y=sinxy = \sin x の定義域を [π2,π2][-\frac{\pi}{2}, \frac{\pi}{2}] に制限すると、y=sinxy = \sin x は全単射になります。このとき、逆関数が存在し、それを逆正弦関数(arcsin または sin1\sin^{-1}) といいます。つまり、
f(x)=sinxf(x) = \sin xπ2xπ2-\frac{\pi}{2} \le x \le \frac{\pi}{2})に対して、f1(x)=arcsinxf^{-1}(x) = \arcsin x が存在します。
同様に、他の逆三角関数(arccos, arctanなど)も、適切な定義域の制限のもとで定義されます。

3. 最終的な答え

対数関数は、指数関数の逆関数として定義され、指数関数が全単射であることから定義できます。逆三角関数は、三角関数の定義域を適切に制限することで全単射にし、その逆関数として定義できます。

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