1. 問題の内容
逆三角関数や対数関数はなぜ定義できるのかを、逆関数の定義を使って説明する。
2. 解き方の手順
逆関数の定義を理解することが重要です。関数 の逆関数 が存在するための必要十分条件は、 が全単射であることです。全単射とは、単射(異なる入力に対して異なる出力)であり、かつ全射(すべての出力値に対して少なくとも1つの入力値が存在する)であることです。
* **対数関数の場合:**
指数関数 (, )を考えます。この関数は、 の任意の値に対して を満たし、単調増加または単調減少します( の値によります)。したがって、指数関数は全単射であり、逆関数を持ちます。この逆関数が対数関数 です。 と を入れ替えて と表記するのが一般的です。
すなわち、
に対して、 が存在します。
* **逆三角関数の場合:**
三角関数(例えば、)は、その定義域全体では単射ではありません。例えば、 です。しかし、三角関数の定義域を適切に制限することで、単射にすることができます。
例えば、 の定義域を に制限すると、 は全単射になります。このとき、逆関数が存在し、それを逆正弦関数(arcsin または ) といいます。つまり、
()に対して、 が存在します。
同様に、他の逆三角関数(arccos, arctanなど)も、適切な定義域の制限のもとで定義されます。
3. 最終的な答え
対数関数は、指数関数の逆関数として定義され、指数関数が全単射であることから定義できます。逆三角関数は、三角関数の定義域を適切に制限することで全単射にし、その逆関数として定義できます。