与えられたデータ $X$ と $Y$ の独立なサンプルに基づいて、2変量正規分布を仮定したときの、周辺分布の期待値、分散、および $X$ と $Y$ の相関係数の最尤推定値を求めます。

確率論・統計学2変量正規分布最尤推定期待値分散相関係数統計
2025/5/20

1. 問題の内容

与えられたデータ XXYY の独立なサンプルに基づいて、2変量正規分布を仮定したときの、周辺分布の期待値、分散、および XXYY の相関係数の最尤推定値を求めます。

2. 解き方の手順

与えられたデータに基づいて、以下の手順で最尤推定値を計算します。
(1) Xの(周辺分布の)期待値:
XX のサンプル平均を計算します。
Xˉ=3.14+0.760.52+0.540.23+1.29+1.63+3.89+2.41+1.3210=14.2310=1.423\bar{X} = \frac{3.14 + 0.76 - 0.52 + 0.54 - 0.23 + 1.29 + 1.63 + 3.89 + 2.41 + 1.32}{10} = \frac{14.23}{10} = 1.423
小数第3位で四捨五入して、小数第2位まで求めると、1.42
(2) Yの(周辺分布の)期待値:
YY のサンプル平均を計算します。
Yˉ=0.96+1.25+0.35+2.97+4.24+1.381.76+5.73+5.43+0.3010=20.8510=2.085\bar{Y} = \frac{0.96 + 1.25 + 0.35 + 2.97 + 4.24 + 1.38 - 1.76 + 5.73 + 5.43 + 0.30}{10} = \frac{20.85}{10} = 2.085
小数第3位で四捨五入して、小数第2位まで求めると、2.09
(3) Xの(周辺分布の)分散:
XX のサンプル分散を計算します。
SX2=i=1n(XiXˉ)2n1S_X^2 = \frac{\sum_{i=1}^{n} (X_i - \bar{X})^2}{n-1}
SX2=(3.141.423)2+(0.761.423)2+(0.521.423)2+(0.541.423)2+(0.231.423)2+(1.291.423)2+(1.631.423)2+(3.891.423)2+(2.411.423)2+(1.321.423)2101S_X^2 = \frac{(3.14-1.423)^2 + (0.76-1.423)^2 + (-0.52-1.423)^2 + (0.54-1.423)^2 + (-0.23-1.423)^2 + (1.29-1.423)^2 + (1.63-1.423)^2 + (3.89-1.423)^2 + (2.41-1.423)^2 + (1.32-1.423)^2}{10-1}
SX2=2.95+0.44+3.77+0.78+2.73+0.018+0.047+6.09+0.97+0.0119=17.8069=1.978S_X^2 = \frac{2.95 + 0.44 + 3.77 + 0.78 + 2.73 + 0.018 + 0.047 + 6.09 + 0.97 + 0.011}{9} = \frac{17.806}{9} = 1.978
小数第3位で四捨五入して、小数第2位まで求めると、1.98
(4) Yの(周辺分布の)分散:
YY のサンプル分散を計算します。
SY2=i=1n(YiYˉ)2n1S_Y^2 = \frac{\sum_{i=1}^{n} (Y_i - \bar{Y})^2}{n-1}
SY2=(0.962.085)2+(1.252.085)2+(0.352.085)2+(2.972.085)2+(4.242.085)2+(1.382.085)2+(1.762.085)2+(5.732.085)2+(5.432.085)2+(0.302.085)2101S_Y^2 = \frac{(0.96-2.085)^2 + (1.25-2.085)^2 + (0.35-2.085)^2 + (2.97-2.085)^2 + (4.24-2.085)^2 + (1.38-2.085)^2 + (-1.76-2.085)^2 + (5.73-2.085)^2 + (5.43-2.085)^2 + (0.30-2.085)^2}{10-1}
SY2=1.26+0.697+2.99+0.78+4.64+0.497+14.78+13.28+11.20+3.209=53.3249=5.925S_Y^2 = \frac{1.26 + 0.697 + 2.99 + 0.78 + 4.64 + 0.497 + 14.78 + 13.28 + 11.20 + 3.20}{9} = \frac{53.324}{9} = 5.925
小数第3位で四捨五入して、小数第2位まで求めると、5.93
(5) XとYの相関係数:
XXYY のサンプル共分散を計算し、相関係数を計算します。
Cov(X,Y)=i=1n(XiXˉ)(YiYˉ)n1Cov(X, Y) = \frac{\sum_{i=1}^{n} (X_i - \bar{X})(Y_i - \bar{Y})}{n-1}
Cov(X,Y)=(3.141.423)(0.962.085)+(0.761.423)(1.252.085)+(0.521.423)(0.352.085)+(0.541.423)(2.972.085)+(0.231.423)(4.242.085)+(1.291.423)(1.382.085)+(1.631.423)(1.762.085)+(3.891.423)(5.732.085)+(2.411.423)(5.432.085)+(1.321.423)(0.302.085)9Cov(X, Y) = \frac{(3.14-1.423)(0.96-2.085) + (0.76-1.423)(1.25-2.085) + (-0.52-1.423)(0.35-2.085) + (0.54-1.423)(2.97-2.085) + (-0.23-1.423)(4.24-2.085) + (1.29-1.423)(1.38-2.085) + (1.63-1.423)(-1.76-2.085) + (3.89-1.423)(5.73-2.085) + (2.41-1.423)(5.43-2.085) + (1.32-1.423)(0.30-2.085)}{9}
Cov(X,Y)=1.96+0.55+3.530.773.54+0.0910.80+8.93+3.31+0.199=9.5119=1.057Cov(X, Y) = \frac{-1.96 + 0.55 + 3.53 - 0.77 - 3.54 + 0.091 - 0.80 + 8.93 + 3.31 + 0.19}{9} = \frac{9.511}{9} = 1.057
相関係数は r=Cov(X,Y)SXSYr = \frac{Cov(X, Y)}{S_X S_Y} で計算されます。
r=1.0571.9785.925=1.05711.719=1.0573.423=0.308r = \frac{1.057}{\sqrt{1.978} \sqrt{5.925}} = \frac{1.057}{\sqrt{11.719}} = \frac{1.057}{3.423} = 0.308
小数第3位で四捨五入して、小数第2位まで求めると、0.31

3. 最終的な答え

- Xの(周辺分布の)期待値: 1.42
- Yの(周辺分布の)期待値: 2.09
- Xの(周辺分布の)分散: 1.98
- Yの(周辺分布の)分散: 5.93
- XとYの相関係数: 0.31

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