断面積 $A$ の管内を流体が流速 $v$ で一様に流れている状況を考えます。 (1) この場合の流量 $Q$ (単位時間あたりに流れる流体の体積) を求める式を求めます。 (2) この場合の質量流量 $\dot{m}$ を求める式を、図に示された変数と流体の密度 $\rho$ を用いて求めます。 (3) 管の断面が半径 2.00 cm の円形であり、流体の流速が 5.00 m/s の場合、流量 $Q$ および質量流量 $\dot{m}$ を SI 単位系で求めます。流体の比重は 1.1 であり、水の密度は 1000 kg/m³ とします。

1. 問題の内容

断面積 $A$ の管内を流体が流速 $v$ で一様に流れている状況を考えます。

(1) この場合の流量 $Q$ (単位時間あたりに流れる流体の体積) を求める式を求めます。

(2) この場合の質量流量 $\dot{m}$ を求める式を、図に示された変数と流体の密度 $\rho$ を用いて求めます。

(3) 管の断面が半径 2.00 cm の円形であり、流体の流速が 5.00 m/s の場合、流量 $Q$ および質量流量 $\dot{m}$ を SI 単位系で求めます。流体の比重は 1.1 であり、水の密度は 1000 kg/m³ とします。

2. 解き方の手順

(1) 流量 $Q$ は、単位時間あたりに断面積 $A$ を通過する流体の体積です。時間 $\Delta t$ の間に通過する流体の体積は $A v \Delta t$ であり、単位時間あたりなので $\Delta t = 1$ とすると、$Q = Av$ となります。

(2) 質量流量 $\dot{m}$ は、単位時間あたりに断面積 $A$ を通過する流体の質量です。流体の密度が $\rho$ であるため、体積 $Q$ の流体の質量は $\rho Q$ となります。よって、$\dot{m} = \rho Q = \rho A v$ となります。

(3) まず、管の断面積 $A$ を求めます。半径 $r = 2.00 \text{ cm} = 0.02 \text{ m}$ の円なので、$A = \pi r^2 = \pi (0.02 \text{ m})^2 = 0.0004\pi \text{ m}^2$ となります。

次に、流量 $Q$ を求めます。 $Q = Av = (0.0004\pi \text{ m}^2) (5.00 \text{ m/s}) = 0.002\pi \text{ m}^3/\text{s} \approx 0.00628 \text{ m}^3/\text{s}$ となります。

次に、流体の密度 $\rho$ を求めます。流体の比重が 1.1 なので、$\rho = 1.1 \times 1000 \text{ kg/m}^3 = 1100 \text{ kg/m}^3$ となります。

最後に、質量流量 $\dot{m}$ を求めます。 $\dot{m} = \rho A v = (1100 \text{ kg/m}^3) (0.0004\pi \text{ m}^2) (5.00 \text{ m/s}) = 2.2\pi \text{ kg/s} \approx 6.91 \text{ kg/s}$ となります。

3. 最終的な答え

流量: $Q = Av$

質量流量: $\dot{m} = \rho A v$

流量: $0.00628 \text{ m}^3/\text{s}$

質量流量: $6.91 \text{ kg/s}$