$n$ が奇数のとき、$n^5 - n$ が120の倍数であることを証明する問題です。

数論整数の性質倍数因数分解合同式
2025/5/21

1. 問題の内容

nn が奇数のとき、n5nn^5 - n が120の倍数であることを証明する問題です。

2. 解き方の手順

まず、n5nn^5 - n を因数分解します。
n5n=n(n41)=n(n21)(n2+1)=n(n1)(n+1)(n2+1)n^5 - n = n(n^4 - 1) = n(n^2 - 1)(n^2 + 1) = n(n - 1)(n + 1)(n^2 + 1)
nn が奇数なので、n=2k+1n = 2k + 1 と表せます。
このとき、
n1=2kn - 1 = 2k
n+1=2k+2=2(k+1)n + 1 = 2k + 2 = 2(k + 1)
n2+1=(2k+1)2+1=4k2+4k+1+1=4k2+4k+2=2(2k2+2k+1)n^2 + 1 = (2k + 1)^2 + 1 = 4k^2 + 4k + 1 + 1 = 4k^2 + 4k + 2 = 2(2k^2 + 2k + 1)
したがって、
n5n=(2k+1)(2k)(2k+2)(2(2k2+2k+1))=8k(k+1)(2k+1)(2k2+2k+1)n^5 - n = (2k + 1)(2k)(2k + 2)(2(2k^2 + 2k + 1)) = 8k(k+1)(2k+1)(2k^2+2k+1)
n5n=(n1)n(n+1)(n2+1)n^5 - n = (n - 1)n(n + 1)(n^2 + 1) ですが、n1n-1, nn, n+1n+1 は連続する3つの整数なので、これらの積は3の倍数です。また、n1n-1n+1n+1 は偶数なので、これらの積は4の倍数です。したがって、n5nn^5 - nn(n1)(n+1)n(n-1)(n+1) は 3の倍数かつ4の倍数です。
また、nn が奇数の場合、n1n-1n+1n+1 は連続する偶数なので、どちらか一方は4の倍数になります。したがって、n5nn^5 - n は 8の倍数であることが言えます。
n5n=n(n1)(n+1)(n2+1)n^5 - n = n(n-1)(n+1)(n^2+1) で、nn が奇数であることから、n=2k+1n = 2k+1 と表せるので、n2=4k2+4k+1n^2 = 4k^2 + 4k + 1 となります。
n2n^2 を5で割った余りを考えます。kk は整数なので、kk を5で割った余りを rr とすると、k=5m+rk=5m+r, r{0,1,2,3,4}r \in \{0,1,2,3,4\} と表せます。
n5n=n(n1)(n+1)(n24+5)=n(n1)(n+1)((n2)(n+2)+5)=n(n1)(n+1)(n2)(n+2)+5n(n1)(n+1)n^5 - n = n(n-1)(n+1)(n^2-4+5) = n(n-1)(n+1)((n-2)(n+2)+5) = n(n-1)(n+1)(n-2)(n+2) + 5n(n-1)(n+1)
n2,n1,n,n+1,n+2n-2, n-1, n, n+1, n+2 は連続する5つの整数なので、少なくとも一つは5の倍数です。したがって、n(n1)(n+1)(n2)(n+2)n(n-1)(n+1)(n-2)(n+2) は 5の倍数です。
nn が奇数のとき、n=2k+1n = 2k+1 なので、n(n1)(n+1)=(2k+1)(2k)(2k+2)=4k(k+1)(2k+1)n(n-1)(n+1) = (2k+1)(2k)(2k+2) = 4k(k+1)(2k+1)
k(k+1)k(k+1) は常に偶数なので、4k(k+1)(2k+1)4k(k+1)(2k+1) は8の倍数。また、連続する3つの整数の積なので、3の倍数。
n5n=n(n1)(n+1)(n2+1)n^5-n = n(n-1)(n+1)(n^2+1)において、nnが奇数のとき、n=2k+1n=2k+1とおくと、
n2+1=(2k+1)2+1=4k2+4k+2=2(2k2+2k+1)n^2+1 = (2k+1)^2+1 = 4k^2+4k+2 = 2(2k^2+2k+1)
n5n=(2k+1)(2k)(2k+2)(2(2k2+2k+1))=8k(k+1)(2k+1)(2k2+2k+1)n^5-n = (2k+1)(2k)(2k+2)(2(2k^2+2k+1)) = 8k(k+1)(2k+1)(2k^2+2k+1)
k(k+1)k(k+1)は2の倍数であるから、n5nn^5-nは16の倍数。
n5n=(n1)n(n+1)(n2+1)n^5 - n = (n-1)n(n+1)(n^2 + 1). n1,n,n+1n-1, n, n+1 のうち、どれか一つは3の倍数です。また、nn が奇数ならば、n1n-1n+1n+1 は偶数であり、片方は4の倍数なので、n5nn^5 - n は 3の倍数で、8の倍数。
n5n=(n2)(n1)n(n+1)(n+2)+5(n1)n(n+1)n^5 - n = (n-2)(n-1)n(n+1)(n+2) + 5(n-1)n(n+1)
連続する5つの整数の積(n2)(n1)n(n+1)(n+2)(n-2)(n-1)n(n+1)(n+2)は5の倍数。
5(n1)n(n+1)5(n-1)n(n+1)も5の倍数。
120=23×3×5=8×3×5120 = 2^3 \times 3 \times 5 = 8 \times 3 \times 5 なので、n5nn^5 - n が 3, 5, 8 の倍数であることを示せばよい。

3. 最終的な答え

nn が奇数のとき、n5nn^5 - n は120の倍数である。

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