与えられた数学の問題は8題あります。以下に各問題の簡単な説明を記します。 1. $m < n$ を満たす自然数 $m, n$ について、$m \times n$ 行列 $A$ を係数行列とする同次連立1次方程式 $A\mathbf{x} = \mathbf{0}$ が非自明解をもつことを示す問題。

代数学線形代数連立一次方程式行列階数(ランク)正則行列線形独立
2025/5/21

1. 問題の内容

与えられた数学の問題は8題あります。以下に各問題の簡単な説明を記します。

1. $m < n$ を満たす自然数 $m, n$ について、$m \times n$ 行列 $A$ を係数行列とする同次連立1次方程式 $A\mathbf{x} = \mathbf{0}$ が非自明解をもつことを示す問題。

2. 与えられた連立1次方程式について、解を持たない、一意的でない解を持つ、一意的な解を持つように定数 $c$ の値を定める問題。

3. $m \times n$ 行列 $A$ と $n$ 次正則行列 $Q$ に対して、連立1次方程式 $(AQ)\mathbf{x} = \mathbf{b}$ が解をもつための必要十分条件が $\text{rank}[A, \mathbf{b}] = \text{rank}A$ であることを示す問題。

4. $n$ 次正方行列 $A = [a_{ij}]$ が、各 $j = 1, 2, \dots, n$ に対して $\sum_{i=1}^{n} i^2 a_{ij} = 0$ を満たすならば、$A$ が正則行列でないことを示す問題。

5. $n$ 次上三角行列 $A$ の対角成分のうち0でないものの個数を $k$ とすると、$\text{rank} A \geq k$ であることを示し、また、$k = n - 1$ および $k = n$ の場合に $\text{rank} A = k$ であることを示す問題。

6. 与えられた行列の階数 (rank) を $x$ の値で場合分けして求める問題。

7. $n$ 次正方行列 $A, B$ に対して、積 $AB$ が正則行列であるための必要十分条件が、$A$ かつ $B$ が正則であることを示す問題。

8. $A$ を $m \times n$ 行列、$B$ を $m \times \ell$ 行列とし、列ベクトルへの分割を $B = [\mathbf{b}_1, \dots, \mathbf{b}_\ell]$ とするとき、$\text{rank}[A, B] = \text{rank}A$ であるための必要十分条件は、すべての $j = 1, \dots, \ell$ に対して $\text{rank}[A, \mathbf{b}_j] = \text{rank}A$ であることを示す問題。

2. 解き方の手順

問題ごとに解き方の手順を説明します。

1. $A$ は $m \times n$ 行列で、$m < n$ であるため、未知数の数 $n$ が方程式の数 $m$ よりも多いです。したがって、自由度が存在し、非自明解を持ちます。

2. (1) については、拡大係数行列を作り、行基本変形を行って解の存在条件を調べます。

(2)についても同様に行います。解がない条件は、拡大係数行列のrankが係数行列のrankよりも大きくなることです。一意でない解を持つ条件はrankが未知数の数よりも小さいことです。一意解を持つ条件は、rankが未知数の数と等しくなることです。

3. $y = Q\mathbf{x}$ とおくと、$(AQ)\mathbf{x} = A(Q\mathbf{x}) = A\mathbf{y} = \mathbf{b}$ となります。$Q$ は正則なので、$Q\mathbf{x} = \mathbf{y}$ は $\mathbf{x} = Q^{-1}\mathbf{y}$ と変形できます。$Q$が正則であることから$\mathbf{x}$の方程式が解をもつことと$\mathbf{y}$の方程式が解をもつことは同値です。$A\mathbf{y} = \mathbf{b}$ が解を持つための必要十分条件は、$\text{rank}[A, \mathbf{b}] = \text{rank}A$ です。

4. 各 $j$ に対して $\sum_{i=1}^{n} i^2 a_{ij} = 0$ が成り立つということは、行列 $A$ の各列ベクトル $\mathbf{a}_j$ とベクトル $\mathbf{v} = [1^2, 2^2, \dots, n^2]^T$ の内積が0であるということです。つまり、すべての列ベクトル $\mathbf{a}_j$ が $\mathbf{v}$ と直交しています。したがって、これらの列ベクトルは線形独立ではないため、行列 $A$ は正則ではありません。

5. 上三角行列 $A$ の対角成分のうち0でないものの個数を $k$ とすると、少なくとも $k$ 個の線形独立な行または列が存在するため、$\text{rank} A \geq k$ です。$k = n - 1$ または $k = n$ の場合、階段行列または標準形を考えると、$\text{rank} A = k$ であることがわかります。

6. (1) の行列式を計算し、それが0になる $x$ の値を求めます。$x$ の値によって階数が変わります。行列式が0でないときは階数は3、0になるときは階数は2以下になります。(2)についても同様に行います。

7. $AB$ が正則であるとき、$AB$ の逆行列 $(AB)^{-1}$ が存在します。$(AB)^{-1} = B^{-1}A^{-1}$ より、$A^{-1}$ と $B^{-1}$ が存在する必要があり、したがって $A$ と $B$ は正則です。逆に、$A$ と $B$ が正則ならば、$A^{-1}$ と $B^{-1}$ が存在し、$B^{-1}A^{-1}$ は $AB$ の逆行列なので、$AB$ は正則です。

8. $\text{rank}[A, B] \geq \text{rank}A$ および $\text{rank}[A, \mathbf{b}_j] \geq \text{rank}A$ は常に成り立ちます。$\text{rank}[A, B] = \text{rank}A$ であるとき、$B$ の各列ベクトル $\mathbf{b}_j$ は $A$ の列ベクトルの線形結合で表せるので、$\text{rank}[A, \mathbf{b}_j] = \text{rank}A$ が成り立ちます。逆に、すべての $j$ に対して $\text{rank}[A, \mathbf{b}_j] = \text{rank}A$ が成り立つならば、$B$ の各列ベクトル $\mathbf{b}_j$ は $A$ の列ベクトルの線形結合で表せるので、$\text{rank}[A, B] = \text{rank}A$ が成り立ちます。

3. 最終的な答え

問題文を参照してください。上記の「解き方の手順」で、それぞれ示すべきことや、求めるべきことを記述しています。

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