2次正方行列 $A$ による一次変換 $f_A$ によって、点 $(1, 0)$ が $(1, 3)$ に、点 $(0, 1)$ が $(2, 5)$ に移されるとき、以下の問題を解く。 (1) 行列 $A$ を求める。 (2) 点 $(2, 3)$ が一次変換 $f_A$ により移される点を求める。 (3) 行列 $A$ の逆行列 $A^{-1}$ を求める。 (4) 一次変換 $f_A$ により点 $(2, 3)$ に移される点を求める。 (5) 2次正方行列 $B$ による一次変換 $f_B$ が、まず一次変換 $f_A$ を行い、さらに原点のまわりに反時計回りに $\theta$ ラジアンの回転を行うものであるとき、行列 $B$ の行列式 $\det B$ を求める。

1. 問題の内容

2次正方行列 $A$ による一次変換 $f_A$ によって、点 $(1, 0)$ が $(1, 3)$ に、点 $(0, 1)$ が $(2, 5)$ に移されるとき、以下の問題を解く。

(1) 行列 $A$ を求める。

(2) 点 $(2, 3)$ が一次変換 $f_A$ により移される点を求める。

(3) 行列 $A$ の逆行列 $A^{-1}$ を求める。

(4) 一次変換 $f_A$ により点 $(2, 3)$ に移される点を求める。

(5) 2次正方行列 $B$ による一次変換 $f_B$ が、まず一次変換 $f_A$ を行い、さらに原点のまわりに反時計回りに $\theta$ ラジアンの回転を行うものであるとき、行列 $B$ の行列式 $\det B$ を求める。

2. 解き方の手順

(1) 行列 $A$ を求める。

点 $(1, 0)$ は $(1, 3)$ に、点 $(0, 1)$ は $(2, 5)$ に移されるので、行列 $A$ は

$A = \begin{pmatrix} 1 & 2 \\ 3 & 5 \end{pmatrix}$

となる。

(2) 点 $(2, 3)$ が一次変換 $f_A$ により移される点を求める。

点 $(2, 3)$ が $A$ によって移される点は、

$\begin{pmatrix} 1 & 2 \\ 3 & 5 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} 2 \\ 3 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 1 \cdot 2 + 2 \cdot 3 \\ 3 \cdot 2 + 5 \cdot 3 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 8 \\ 21 \end{pmatrix}$

したがって、$(8, 21)$ に移される。

(3) 行列 $A$ の逆行列 $A^{-1}$ を求める。

$A = \begin{pmatrix} 1 & 2 \\ 3 & 5 \end{pmatrix}$ の行列式は $1 \cdot 5 - 2 \cdot 3 = 5 - 6 = -1$。

よって、逆行列 $A^{-1}$ は

$A^{-1} = \frac{1}{-1} \begin{pmatrix} 5 & -2 \\ -3 & 1 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} -5 & 2 \\ 3 & -1 \end{pmatrix}$

(4) 一次変換 $f_A$ により点 $(2, 3)$ に移される点を求める。

求める点を $(x, y)$ とすると、

$A \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 2 \\ 3 \end{pmatrix}$

$\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} = A^{-1} \begin{pmatrix} 2 \\ 3 \end{pmatrix}$

$\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} -5 & 2 \\ 3 & -1 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} 2 \\ 3 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} -5 \cdot 2 + 2 \cdot 3 \\ 3 \cdot 2 - 1 \cdot 3 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} -4 \\ 3 \end{pmatrix}$

したがって、$(-4, 3)$ である。

(5) 行列 $B$ の行列式 $\det B$ を求める。

行列 $A$ は $\begin{pmatrix} 1 & 2 \\ 3 & 5 \end{pmatrix}$ であり、その行列式は -1。

$\theta$ ラジアンの回転を表す行列を $R$ とすると、

$R = \begin{pmatrix} \cos \theta & -\sin \theta \\ \sin \theta & \cos \theta \end{pmatrix}$

であり、その行列式は $\cos^2 \theta + \sin^2 \theta = 1$。

$B$ は $A$ を行ってから $R$ を行う変換なので、$B = RA$。

$\det B = \det(RA) = \det(R) \det(A) = 1 \cdot (-1) = -1$

3. 最終的な答え

(1) $A = \begin{pmatrix} 1 & 2 \\ 3 & 5 \end{pmatrix}$

(2) $(8, 21)$

(3) $A^{-1} = \begin{pmatrix} -5 & 2 \\ 3 & -1 \end{pmatrix}$

(4) $(-4, 3)$

(5) $\det B = -1$