(1) 不等式 $ax+3 > 2x$ を解く。ただし、$a$ は定数とする。 (2) $a$ を正の定数とする。不等式 $|x-3| < a$ を満たす整数 $x$ がちょうど 11 個存在するような $a$ の範囲を求めよ。 (3) 不等式 $0 < x < 1$ ...① と $|x-a| < 2$ ...② とする。① を満たすどのような $x$ についても ② が満たされるとき、実数 $a$ の値の範囲を求めよ。また、① を満たすある $x$ について ② が満たされるとき、実数 $a$ の値の範囲を求めよ。

代数学不等式絶対値場合分け
2025/5/21

1. 問題の内容

(1) 不等式 ax+3>2xax+3 > 2x を解く。ただし、aa は定数とする。
(2) aa を正の定数とする。不等式 x3<a|x-3| < a を満たす整数 xx がちょうど 11 個存在するような aa の範囲を求めよ。
(3) 不等式 0<x<10 < x < 1 ...① と xa<2|x-a| < 2 ...② とする。① を満たすどのような xx についても ② が満たされるとき、実数 aa の値の範囲を求めよ。また、① を満たすある xx について ② が満たされるとき、実数 aa の値の範囲を求めよ。

2. 解き方の手順

(1)
不等式 ax+3>2xax + 3 > 2x を解く。
ax2x>3ax - 2x > -3
(a2)x>3(a-2)x > -3
場合分けをする。
(i) a2>0a-2 > 0 つまり a>2a > 2 のとき
x>3a2x > \frac{-3}{a-2}
(ii) a2<0a-2 < 0 つまり a<2a < 2 のとき
x<3a2x < \frac{-3}{a-2}
(iii) a2=0a-2 = 0 つまり a=2a = 2 のとき
0x>30 \cdot x > -3
これは常に成り立つので、解はすべての実数。
(2)
不等式 x3<a|x-3| < a を解く。
a<x3<a-a < x-3 < a
3a<x<3+a3-a < x < 3+a
これを満たす整数 xx がちょうど 11 個存在する。
xx は整数なので、3a3-a より大きく 3+a3+a より小さい整数の個数が 11 個ということである。
区間の長さは (3+a)(3a)=2a(3+a) - (3-a) = 2a である。
整数が 11 個あるためには、区間の長さが少なくとも 11 より大きく、12 より小さい必要がある。
より正確には、
3a3-a に最も近い整数を mm とすると、m,m+1,...,m+10m, m+1, ..., m+10 の11個が存在する。
3a<m3-a < m かつ m13am-1 \le 3-a
3+a>m+103+a > m+10 かつ m+113+am+11 \ge 3+a
2a=(3+a)(3a)2a = (3+a) - (3-a) であるから、整数 xx が 11 個存在するためには
2a>102a > 10 かつ 2a<122a < 12 であれば良い。
10<2a<1210 < 2a < 12
5<a<65 < a < 6
あるいは、
xx の範囲は、3a<x<3+a3-a < x < 3+a なので、中心は x=3x=3 である。
x=3x=3 を中心に左右に整数が5個ずつ存在すれば、合計11個になる。
つまり、x=35=2x = 3-5 = -2x=3+5=8x = 3+5 = 8 が含まれていれば良い。
整数がちょうど 11 個ということは、3a>33-a > -3 および 3+a<93+a < 9 が成り立てばよい。
つまり、a<6a < 6 かつ a<6a < 6
もし 3a=33-a = -3 ならば a=6a=6 で、整数は12個になるので、3a>33-a > -3
もし 3+a=93+a = 9 ならば a=6a=6 で、整数は12個になるので、3+a<93+a < 9
aa が整数で無い場合、3a3-a3+a3+a の間にある整数が11個となるためには、
3+a(3a)=2a3+a - (3-a) = 2a の値が 10 より大きく、12 より小さい必要がある。
10<2a<1210 < 2a < 12 より、5<a<65 < a < 6 となる。
(3)
0<x<10 < x < 1 ...①
xa<2|x-a| < 2 ...②
2<xa<2-2 < x-a < 2
a2<x<a+2a-2 < x < a+2
① を満たすどのような xx についても ② が満たされるとき
a20a-2 \le 0 かつ a+21a+2 \ge 1
a2a \le 2 かつ a1a \ge -1
1a2-1 \le a \le 2
① を満たすある xx について ② が満たされるとき
a2<1a-2 < 1 かつ a+2>0a+2 > 0
a<3a < 3 かつ a>2a > -2
2<a<3-2 < a < 3

3. 最終的な答え

(1)
a>2a>2 のとき、x>3a2x > \frac{-3}{a-2}
a<2a<2 のとき、x<3a2x < \frac{-3}{a-2}
a=2a=2 のとき、すべての実数
(2) 5<a<65 < a < 6
(3)
① を満たすどのような xx についても ② が満たされるとき: 1a2-1 \le a \le 2
① を満たすある xx について ② が満たされるとき: 2<a<3-2 < a < 3

「代数学」の関連問題

$\frac{3}{\sqrt{7}-1}$ の分母を有理化する問題です。分母を有理化するために、分子と分母に $\sqrt{7} + 1$ を掛ける必要があります。掛けた結果の式が $\frac{3...

分母の有理化根号式の計算
2025/5/22

$\frac{1}{\sqrt{5} + \sqrt{2}}$ の分母を有理化する問題です。 分母と分子に $\sqrt{5} \ ア \ \sqrt{2}$ を掛けることで、分母を有理化します。$ア...

分母の有理化平方根計算
2025/5/22

与えられた式 $(\sqrt{5} - \sqrt{3})(\sqrt{5} + \sqrt{3})$ を計算し、その結果を求めます。

因数分解平方根の計算式の展開
2025/5/22

$(\sqrt{3} - \sqrt{7})^2$ を展開し、整理する問題です。

展開平方根式の整理
2025/5/22

連立不等式 $5x - 8 > 2x + 1$ $x + 3 \geq 3x - a$ を満たす整数 $x$ がちょうど5個存在するような定数 $a$ の取りうる値の範囲を求める問題です。

不等式連立不等式整数解範囲
2025/5/22

4次の正方行列 $A = [a_{ij}]$ の行列式 $|A|$ において、与えられた項の係数につける符号を求める問題です。具体的には、以下の3つの項の符号を求めます。 (1) $a_{13}a_{...

行列式置換符号線形代数
2025/5/22

与えられた連立一次方程式を解く問題です。方程式は以下の通りです。 $x_1 - 6x_2 + 3x_3 = 0$ $2x_1 + 4x_2 - x_3 = 0$ $5x_1 + 2x_2 - 2x_3...

線形代数連立一次方程式掃き出し法行列
2025/5/22

4次正方行列 $A = [a_{ij}]$ の行列式 $|A|$ において、以下の項の係数につける符号を求めます。 (1) $a_{13}a_{22}a_{34}a_{41}$ (2) $a_{12}...

行列式行列置換符号
2025/5/22

与えられた方程式と不等式を解き、指定された条件を満たす解を求めます。具体的には、 (1) 方程式 $|x-11|=2$ の解を求める。 (2) 不等式 $|2x+5|<7$ の解を求める。 (3) 不...

絶対値方程式不等式一次方程式絶対値を含む不等式
2025/5/22

マカロンとマドレーヌを合計16個詰め合わせた箱詰めを3500円以内の予算で作る。マカロンは1個250円、マドレーヌは1個180円、箱代は100円である。予算内で、マカロンの数を最大で何個にできるか。

不等式文章問題最大値
2025/5/22