数列 $\frac{1}{2 \cdot 5}, \frac{1}{5 \cdot 8}, \frac{1}{8 \cdot 11}, \frac{1}{11 \cdot 14}, \frac{1}{14 \cdot 17}, \dots$ の初項から第 $n$ 項までの和を求めよ。

代数学数列級数部分分数分解telescoping sum
2025/5/21

1. 問題の内容

数列 125,158,1811,11114,11417,\frac{1}{2 \cdot 5}, \frac{1}{5 \cdot 8}, \frac{1}{8 \cdot 11}, \frac{1}{11 \cdot 14}, \frac{1}{14 \cdot 17}, \dots の初項から第 nn 項までの和を求めよ。

2. 解き方の手順

この数列の一般項 aka_kak=1(3k1)(3k+2)a_k = \frac{1}{(3k-1)(3k+2)} と表せる。
部分分数分解を利用して、一般項を差の形に変形する。
ak=1(3k1)(3k+2)=A3k1+B3k+2a_k = \frac{1}{(3k-1)(3k+2)} = \frac{A}{3k-1} + \frac{B}{3k+2} とおく。
1=A(3k+2)+B(3k1)1 = A(3k+2) + B(3k-1)
1=(3A+3B)k+(2AB)1 = (3A+3B)k + (2A-B)
この式が kk について恒等的に成り立つためには、
3A+3B=03A+3B = 0
2AB=12A-B = 1
という連立方程式を満たす必要がある。
A+B=0A+B=0 より B=AB = -A.
2A(A)=12A - (-A) = 1
3A=13A = 1
A=13A = \frac{1}{3}
B=13B = -\frac{1}{3}
よって ak=13(13k113k+2)a_k = \frac{1}{3} \left( \frac{1}{3k-1} - \frac{1}{3k+2} \right) となる。
初項から第 nn 項までの和 SnS_n は、
Sn=k=1nak=k=1n13(13k113k+2)S_n = \sum_{k=1}^n a_k = \sum_{k=1}^n \frac{1}{3} \left( \frac{1}{3k-1} - \frac{1}{3k+2} \right)
=13{(1215)+(1518)+(18111)++(13n113n+2)}= \frac{1}{3} \left\{ \left( \frac{1}{2} - \frac{1}{5} \right) + \left( \frac{1}{5} - \frac{1}{8} \right) + \left( \frac{1}{8} - \frac{1}{11} \right) + \dots + \left( \frac{1}{3n-1} - \frac{1}{3n+2} \right) \right\}
これはtelescoping sum (望遠鏡和) と呼ばれる形であり、多くの項が打ち消しあう。
Sn=13(1213n+2)S_n = \frac{1}{3} \left( \frac{1}{2} - \frac{1}{3n+2} \right)
=13(3n+222(3n+2))= \frac{1}{3} \left( \frac{3n+2-2}{2(3n+2)} \right)
=13(3n2(3n+2))= \frac{1}{3} \left( \frac{3n}{2(3n+2)} \right)
=n2(3n+2)= \frac{n}{2(3n+2)}

3. 最終的な答え

n6n+4\frac{n}{6n+4}

「代数学」の関連問題

実数 $a, b$ について、$a + b > 0$ または $ab < 0$ であるならば、$a > 0$ または $b > 0$ であることを証明する。証明の途中の空欄を埋める。

命題証明不等式実数
2025/5/22

問題は、実数 $a$, $b$ について、$a^2 + b^2 \le 1$ ならば $|a| \le 1$ かつ $|b| \le 1$ であることを証明する際に、空欄を埋める問題です。この証明は、...

不等式絶対値証明対偶
2025/5/22

実数 $a, b$ について、$ab < 1$ ならば、$a < 1$ または $b < 1$ であることを証明するための穴埋め問題です。与えられた証明は、この命題の対偶である「$a \ge 1$ か...

不等式論理証明対偶
2025/5/22

命題は「a+b=1ならば、2次方程式 $x^2 + ax - b = 0$ は (イ) をもつ」という形なので、主語は $a+b=1$ であることがわかります。

二次方程式判別式対偶証明
2025/5/22

整数 $n$ について、$n^2$ が 1 でないならば、$n$ は 1 ではないことを証明する問題で、空欄を埋める必要があります。

整数命題対偶証明
2025/5/22

以下の式を因数分解します。 (5) $3m^2ab - 6ma^2b$ (7) $x^2 - x - 12$ (9) $x^5 - 4x^3$ (11) $a^3 + 2a^2b - 4ab^2 - ...

因数分解多項式
2025/5/22

問題は、$a^2 + b^2 \leq 9$ のとき、$a \leq 3$ かつ $b \leq 3$ であることを証明する過程の空欄を埋める問題です。背理法を用いて証明を進めています。

不等式証明背理法実数
2025/5/22

3つの整数 $X, Y, Z$ があり、$0 < X < Y < Z < 10$ を満たします。 さらに、以下の2つの条件を満たします。 ア: $X = Z - Y$ イ: $2Z = XY$ このと...

整数方程式不等式解の探索
2025/5/22

$a=b$ という等式から、$1=2$ を導く過程において、①から⑥のステップに誤りがある。誤りがあるステップを指摘し、その理由を説明する。ただし、$a$ と $b$ は実数で、$a \neq 0$ ...

代数論理誤謬等式
2025/5/22

$a = b$ という等式から、$1 = 2$ という誤った結論を導く過程における、①から⑥までの変形のうち、誤りがあるものをすべて指摘し、その理由を説明します。ただし、$a$ と $b$ は実数であ...

等式誤りの発見代数操作
2025/5/22