画像に示された3つの問題は、テイラー展開やマクローリン展開に関する穴埋め問題です。 (1) cosx のテイラー展開とその剰余項に関する問題。 (2) 関数 $f(x)$ が連続で $f''(0) \neq 0$ のときの、$f(x) = f(0) + xf'(cx)$ において、$x \to 0$ としたときの $c$ の極限に関する問題。 (3) 関数 $f(x)$ が連続で $f''(0) = 0$, $f'''(0) \neq 0$ のときの、$f(x) = f(0) + xf'(cx)$ において、$x \to 0$ としたときの $c$ の極限に関する問題。

1. 問題の内容

画像に示された3つの問題は、テイラー展開やマクローリン展開に関する穴埋め問題です。

(1) cosx のテイラー展開とその剰余項に関する問題。

(2) 関数 $f(x)$ が連続で $f''(0) \neq 0$ のときの、$f(x) = f(0) + xf'(cx)$ において、$x \to 0$ としたときの $c$ の極限に関する問題。

(3) 関数 $f(x)$ が連続で $f''(0) = 0$, $f'''(0) \neq 0$ のときの、$f(x) = f(0) + xf'(cx)$ において、$x \to 0$ としたときの $c$ の極限に関する問題。

2. 解き方の手順

(1) $cosx$ のテイラー展開と剰余項について考えます。$cosx$ のマクローリン展開は、

$cosx = \sum_{k=0}^{n} \frac{(-1)^k}{(2k)!}x^{2k} + R_{2n+2}$

となります。ここで、(a) は $\frac{(-1)^k}{(2k)!}x^{2k}$ です。

剰余項 $R_{2n+2}$ は、$R_{2n+2} = \frac{f^{(2n+2)}(\theta x)}{(2n+2)!}x^{2n+2}$ と表されます。$f(x) = cosx$ なので、$f^{(2n+2)}(x)$ は $cosx$ または $-cosx$ となります。絶対値をとれば $|f^{(2n+2)}(\theta x)| \leq 1$ となります。したがって、

$R_{2n+2} = \frac{(-1)^{n+1}cos(\theta x)}{(2n+2)!}x^{2n+2}$ または $R_{2n+2} = \frac{(-1)^{n+2}sin(\theta x)}{(2n+2)!}x^{2n+2}$となります。

(b) は $\frac{(-1)^{n+1}cos(\theta x)}{(2n+2)!}x^{2n+2}$となります。

(2) $f(x) = f(0) + xf'(cx)$ について、$x \to 0$ のときの $c$ の極限を求めます。$f(x)$ が連続であるとき、$x \to 0$ で $f(x) \to f(0)$ となります。$f(x) = f(0) + xf'(cx)$ を変形すると、

$xf'(cx) = f(x) - f(0)$

$f'(cx) = \frac{f(x) - f(0)}{x}$

ここで、$x \to 0$ のとき、右辺は $f'(0)$ に収束します。したがって、$x \to 0$ のとき、$cx \to 0$ となり、$f'(cx) \to f'(0)$ となります。ここで、$cx \to 0$ となっても $c$ が一定の値に収束するとは限りません。

$f(x)$をマクローリン展開すると、$f(x) = f(0) + f'(0)x + \frac{1}{2}f''(0)x^2 + o(x^2)$ となります。

$f'(x) = f'(0) + f''(0)x + o(x)$なので、$f'(cx) = f'(0) + f''(0)cx + o(cx)$ となります。

$f(x) - f(0) = f'(0)x + \frac{1}{2}f''(0)x^2 + o(x^2)$なので、

$f'(cx) = \frac{f(x) - f(0)}{x} = f'(0) + \frac{1}{2}f''(0)x + o(x)$

$f'(0) + f''(0)cx + o(cx) = f'(0) + \frac{1}{2}f''(0)x + o(x)$

$f''(0)cx = \frac{1}{2}f''(0)x + o(x)$

$c = \frac{1}{2} + o(1)$

したがって、$x \to 0$ のとき、$c \to \frac{1}{2}$ となります。(c) は $\frac{1}{2}$ です。

(3) $f(x) = f(0) + xf'(cx)$ について、$x \to 0$ のときの $c$ の極限を求めます。$f(x)$ をマクローリン展開すると、$f(x) = f(0) + f'(0)x + \frac{1}{2}f''(0)x^2 + \frac{1}{6}f'''(0)x^3 + o(x^3)$ となります。

$f''(0) = 0$ なので、$f(x) = f(0) + f'(0)x + \frac{1}{6}f'''(0)x^3 + o(x^3)$となります。

$f'(x) = f'(0) + \frac{1}{2}f'''(0)x^2 + o(x^2)$

$f'(cx) = f'(0) + \frac{1}{2}f'''(0)(cx)^2 + o((cx)^2) = f'(0) + \frac{1}{2}f'''(0)c^2x^2 + o(c^2x^2)$

$\frac{f(x) - f(0)}{x} = f'(0) + \frac{1}{6}f'''(0)x^2 + o(x^2)$

$f'(cx) = \frac{f(x) - f(0)}{x}$ なので、$f'(0) + \frac{1}{2}f'''(0)c^2x^2 + o(c^2x^2) = f'(0) + \frac{1}{6}f'''(0)x^2 + o(x^2)$

$\frac{1}{2}f'''(0)c^2x^2 = \frac{1}{6}f'''(0)x^2 + o(x^2)$

$\frac{1}{2}c^2 = \frac{1}{6} + o(1)$

$c^2 = \frac{1}{3} + o(1)$

したがって、$x \to 0$ のとき、$c \to \pm \frac{1}{\sqrt{3}}$ となります。$0 < c < 1$ なので、$c \to \frac{1}{\sqrt{3}}$となります。(d) は $\frac{1}{\sqrt{3}}$ です。

3. 最終的な答え

(1) (a): $\frac{(-1)^k}{(2k)!}x^{2k}$ (b): $\frac{(-1)^{n+1}cos(\theta x)}{(2n+2)!}x^{2n+2}$

(2) (c): $\frac{1}{2}$

(3) (d): $\frac{1}{\sqrt{3}}$