与えられた二つの命題を、対偶を用いて証明する問題です。 (1) $x, y$が実数のとき、$x^2 + y^2 < 8$ ならば $x < 2$ または $y < 2$ である。 (2) $n$が整数で、$n^2$が3の倍数ならば、$n$も3の倍数である。

数論命題対偶整数倍数
2025/5/22

1. 問題の内容

与えられた二つの命題を、対偶を用いて証明する問題です。
(1) x,yx, yが実数のとき、x2+y2<8x^2 + y^2 < 8 ならば x<2x < 2 または y<2y < 2 である。
(2) nnが整数で、n2n^2が3の倍数ならば、nnも3の倍数である。

2. 解き方の手順

(1) 対偶を考える:
元の命題「x2+y2<8x^2 + y^2 < 8 ならば x<2x < 2 または y<2y < 2 である」の対偶は、
x2x \geq 2 かつ y2y \geq 2 ならば x2+y28x^2 + y^2 \geq 8 である」となります。
この対偶が真であることを証明します。
x2x \geq 2 かつ y2y \geq 2 のとき、x24x^2 \geq 4 かつ y24y^2 \geq 4 が成り立ちます。
したがって、x2+y24+4=8x^2 + y^2 \geq 4 + 4 = 8 となり、x2+y28x^2 + y^2 \geq 8 が成立します。
よって、対偶が真であるため、元の命題も真です。
(2) 対偶を考える:
元の命題「n2n^2が3の倍数ならば、nnも3の倍数である」の対偶は、
nnが3の倍数でないならば、n2n^2も3の倍数でない」となります。
この対偶が真であることを証明します。
nnが3の倍数でないとき、nn3k+13k+1または3k+23k+2kkは整数)と表せます。
(i) n=3k+1n = 3k + 1 の場合:
n2=(3k+1)2=9k2+6k+1=3(3k2+2k)+1n^2 = (3k + 1)^2 = 9k^2 + 6k + 1 = 3(3k^2 + 2k) + 1 となり、n2n^2 は3で割ると1余るため、3の倍数ではありません。
(ii) n=3k+2n = 3k + 2 の場合:
n2=(3k+2)2=9k2+12k+4=9k2+12k+3+1=3(3k2+4k+1)+1n^2 = (3k + 2)^2 = 9k^2 + 12k + 4 = 9k^2 + 12k + 3 + 1 = 3(3k^2 + 4k + 1) + 1 となり、n2n^2 は3で割ると1余るため、3の倍数ではありません。
したがって、nnが3の倍数でないならば、n2n^2も3の倍数でないことが示されました。
よって、対偶が真であるため、元の命題も真です。

3. 最終的な答え

(1) x,yx, yが実数のとき、x2+y2<8x^2 + y^2 < 8 ならば x<2x < 2 または y<2y < 2 である。 (真)
(2) nnが整数で、n2n^2が3の倍数ならば、nnも3の倍数である。 (真)

「数論」の関連問題

(1) 2進数で表された自然数 $a = 1101_{(2)}$ と $b = 1010_{(2)}$ が与えられたとき、$a+b$ と $ab$ の値を2進数で表す。 (2) 分数 $\frac{5...

2進数数値計算基数変換
2025/5/24

6で割ると3余り、13で割ると7余る3桁の整数のうち、最大のものを求める問題です。

合同式剰余中国剰余定理整数
2025/5/24

63, 294, a の最大公約数が 21 であり、最小公倍数が 9702 である。この条件を満たす正の整数 a の最小値を求めよ。

最大公約数最小公倍数素因数分解整数の性質
2025/5/24

有理数全体の集合をQとする。次の数について、Qに属するか属さないかを判定し、$\in$または$\notin$を書き入れよ。 (1) 4 (2) $-\frac{2}{3}$ (3) $\sqrt{2}...

有理数無理数集合
2025/5/24

問題は、与えられた数について、正の約数の個数とその総和を求めることです。ここでは、(1) $5 \cdot 2^3$ と (2) 108 について求めます。

約数素因数分解整数の性質
2025/5/24

整数 $m, n$ について、命題「$m^2 + n^2$ が奇数ならば、$mn$ は偶数である」を対偶を考えることによって証明する。

整数命題対偶証明
2025/5/24

1から100までの整数について、以下の2つの条件を満たす整数の個数を求める。 (1) 2, 3, 7の少なくとも1つで割り切れる数 (2) 2では割り切れるが、3でも7でも割り切れない数

整数の性質包除原理約数集合
2025/5/24

$\sqrt{2k-1}$ が整数となるような正の整数 $k$ を2つ求める問題です。

平方根整数の性質方程式
2025/5/23

2022以下の自然数のうち、4で割ると3余り、かつ11で割ると5余る数は何個あるかを求める問題です。

合同式不定方程式整数問題剰余中国剰余定理
2025/5/23

問題は、素数がどのようなものかを、11Pを参考にして20字程度で答えることを求めています。

素数整数の性質約数
2025/5/23