(1) 正の整数 $x$ が3の倍数ではないとき、$x^2$ を3で割った余りが1であることを示す。 (2) $x, y, z$ は $x^2 + y^2 = z^2$ を満たす正の整数とする。このとき、$x, y$ の少なくとも一方は3の倍数であることを、背理法を用いて示す。

数論整数の性質合同式背理法
2025/5/22

1. 問題の内容

(1) 正の整数 xx が3の倍数ではないとき、x2x^2 を3で割った余りが1であることを示す。
(2) x,y,zx, y, zx2+y2=z2x^2 + y^2 = z^2 を満たす正の整数とする。このとき、x,yx, y の少なくとも一方は3の倍数であることを、背理法を用いて示す。

2. 解き方の手順

(1)
正の整数 xx が3の倍数でないとき、xx3k+13k+1 または 3k+23k+2 (ただし kk は整数)と表せる。
- x=3k+1x = 3k+1 のとき、
x2=(3k+1)2=9k2+6k+1=3(3k2+2k)+1x^2 = (3k+1)^2 = 9k^2 + 6k + 1 = 3(3k^2 + 2k) + 1
x2x^2 を3で割った余りは1である。
- x=3k+2x = 3k+2 のとき、
x2=(3k+2)2=9k2+12k+4=9k2+12k+3+1=3(3k2+4k+1)+1x^2 = (3k+2)^2 = 9k^2 + 12k + 4 = 9k^2 + 12k + 3 + 1 = 3(3k^2 + 4k + 1) + 1
x2x^2 を3で割った余りは1である。
したがって、正の整数 xx が3の倍数ではないとき、x2x^2 を3で割った余りは1である。
(2)
背理法を用いる。x,yx, y がどちらも3の倍数でないと仮定する。
すると、x2x^2y2y^2 も3で割った余りは1である。( (1)より )
したがって、x2+y2x^2 + y^2 を3で割った余りは 1+1=21+1=2 である。
すなわち、z2=x2+y2z^2 = x^2 + y^2 を3で割った余りは2である。
しかし、(1)より、zz が3の倍数でないとき、z2z^2 を3で割った余りは1である。
また、zz が3の倍数のとき、z2z^2 も3の倍数なので、z2z^2 を3で割った余りは0である。
したがって、z2z^2 を3で割った余りは0か1のどちらかであり、2になることはない。
これは矛盾である。
よって、x,yx, y の少なくとも一方は3の倍数である。

3. 最終的な答え

(1) 正の整数 xx が3の倍数ではないとき、x2x^2 を3で割った余りは1である。
(2) x,yx, y の少なくとも一方は3の倍数である。

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