底面の半径が1、高さが1の直円柱を、底面の中心Oを通り、底面とのなす角が45°の平面で切断したとき、小さい方の立体の体積を求める。

解析学積分体積極座標変換多重積分
2025/3/24

1. 問題の内容

底面の半径が1、高さが1の直円柱を、底面の中心Oを通り、底面とのなす角が45°の平面で切断したとき、小さい方の立体の体積を求める。

2. 解き方の手順

まず、円柱の底面をxy平面上に置き、円の中心を原点とします。切断する平面をz軸方向に傾いた平面と考えます。
平面は原点を通るので、z=ax+byz = ax + by と表せます。
底面とのなす角が45°なので、傾きは1です。ここでは平面をz=xz=xとします。
求める体積Vは、積分を使って計算できます。
円柱の底面をDとすると、Dはx2+y21x^2 + y^2 \le 1で表されます。
V=Dzdxdy=DxdxdyV = \iint_D z \, dxdy = \iint_D x \, dxdy を計算します。
ここで、積分範囲を半円に区切って考えます。
Dを、x>0x>0の領域D1D_1と、x<0x<0の領域D2D_2に分けます。
V=D1xdxdy+D2xdxdyV = \iint_{D_1} x \, dxdy + \iint_{D_2} x \, dxdy
x<0x<0の領域では、xxは負の値をとるので、D2xdxdy \iint_{D_2} x \, dxdy は負の値になります。
したがって、V=D1xdxdy+D2xdxdy=0V = \iint_{D_1} x \, dxdy + \iint_{D_2} x \, dxdy = 0 となるわけではありません。
積分を計算するために、極座標変換を行います。
x=rcosθx = r\cos\theta, y=rsinθy = r\sin\thetaとすると、dxdy=rdrdθdxdy = rdrd\thetaとなります。
Dは、0r10 \le r \le 1, 0θ2π0 \le \theta \le 2\pi と表されます。
V=02π01(rcosθ)rdrdθ=02πcosθdθ01r2drV = \int_0^{2\pi} \int_0^1 (r\cos\theta) r \, dr d\theta = \int_0^{2\pi} \cos\theta d\theta \int_0^1 r^2 dr
02πcosθdθ=[sinθ]02π=sin(2π)sin(0)=0\int_0^{2\pi} \cos\theta d\theta = [\sin\theta]_0^{2\pi} = \sin(2\pi) - \sin(0) = 0
01r2dr=[13r3]01=13\int_0^1 r^2 dr = [\frac{1}{3}r^3]_0^1 = \frac{1}{3}
なので、02π01(rcosθ)rdrdθ=0×13=0 \int_0^{2\pi} \int_0^1 (r\cos\theta) r \, dr d\theta = 0 \times \frac{1}{3} = 0 となってしまいます。
これは積分範囲の設定が間違っていたからです。
z=xz=xで切断される円柱の小さい方の体積を求めるには、xxが負の領域では体積は0なので、xxが正の領域(0x10 \le x \le 1)を考え、z=xz=xまでの積分を計算します。
V=DxdxdyV = \iint_D x \, dxdy
ここでx>0x>0となる半円の領域Dを考えると、
π/2θπ/2- \pi / 2 \le \theta \le \pi / 2
V=π/2π/201(rcosθ)rdrdθ=π/2π/2cosθdθ01r2drV = \int_{-\pi/2}^{\pi/2} \int_0^1 (r\cos\theta) r \, dr d\theta = \int_{-\pi/2}^{\pi/2} \cos\theta d\theta \int_0^1 r^2 dr
π/2π/2cosθdθ=[sinθ]π/2π/2=sin(π/2)sin(π/2)=1(1)=2 \int_{-\pi/2}^{\pi/2} \cos\theta d\theta = [\sin\theta]_{-\pi/2}^{\pi/2} = \sin(\pi/2) - \sin(-\pi/2) = 1 - (-1) = 2
01r2dr=[13r3]01=13 \int_0^1 r^2 dr = [\frac{1}{3}r^3]_0^1 = \frac{1}{3}
よって、V=2×13=23V = 2 \times \frac{1}{3} = \frac{2}{3}

3. 最終的な答え

23\frac{2}{3}

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