(1) $\frac{n^2}{250}, \frac{n^3}{256}, \frac{n^4}{243}$ がすべて整数となるような正の整数 $n$ のうち、最小のものを求める。 (2) $50!$ が $3^n$ で割り切れるような自然数 $n$ の最大値を求める。

数論整数の性質素因数分解階乗約数
2025/5/22

1. 問題の内容

(1) n2250,n3256,n4243\frac{n^2}{250}, \frac{n^3}{256}, \frac{n^4}{243} がすべて整数となるような正の整数 nn のうち、最小のものを求める。
(2) 50!50!3n3^n で割り切れるような自然数 nn の最大値を求める。

2. 解き方の手順

(1)
まず、それぞれの分母を素因数分解する。
250=253250 = 2 \cdot 5^3
256=28256 = 2^8
243=35243 = 3^5
n2250\frac{n^2}{250} が整数となるためには、n2n^22532 \cdot 5^3 で割り切れる必要がある。
つまり、n2n^2212^1535^3 を因数に持つ必要がある。
したがって、nn2255 の素因数分解で、212=212^{\lceil \frac{1}{2} \rceil} = 2^1532=525^{\lceil \frac{3}{2} \rceil} = 5^2 を持つ必要がある。
よって、nn252=502 \cdot 5^2 = 50 の倍数である必要がある。
n3256\frac{n^3}{256} が整数となるためには、n3n^3282^8 で割り切れる必要がある。
つまり、n3n^3282^8 を因数に持つ必要がある。
したがって、nn22 の素因数分解で、283=232^{\lceil \frac{8}{3} \rceil} = 2^3 を持つ必要がある。
n4243\frac{n^4}{243} が整数となるためには、n4n^4353^5 で割り切れる必要がある。
つまり、n4n^4353^5 を因数に持つ必要がある。
したがって、nn33 の素因数分解で、354=323^{\lceil \frac{5}{4} \rceil} = 3^2 を持つ必要がある。
以上より、nn233252=8925=7225=18002^3 \cdot 3^2 \cdot 5^2 = 8 \cdot 9 \cdot 25 = 72 \cdot 25 = 1800 の倍数である必要がある。
よって、nn の最小値は 18001800 である。
(2)
50!50!3n3^n で割り切れるような最大の nn を求める。
50!50! に含まれる素因数3の個数を数える。
503=16\lfloor \frac{50}{3} \rfloor = 16
5032=509=5\lfloor \frac{50}{3^2} \rfloor = \lfloor \frac{50}{9} \rfloor = 5
5033=5027=1\lfloor \frac{50}{3^3} \rfloor = \lfloor \frac{50}{27} \rfloor = 1
5034=5081=0\lfloor \frac{50}{3^4} \rfloor = \lfloor \frac{50}{81} \rfloor = 0
したがって、50! に含まれる素因数3の個数は 16+5+1=2216 + 5 + 1 = 22 である。
よって、50!50!3223^{22} で割り切れる。

3. 最終的な答え

(1) 1800
(2) 22

「数論」の関連問題

与えられた線形方程式 $25x - 61y = 12$ を解くことを求められています。ただし、整数解を求めることを想定します。

ディオファントス方程式整数解拡張ユークリッドの互除法
2025/7/27

$n$ は自然数とする。$n+1$ は 6 の倍数であり、$n+4$ は 9 の倍数であるとき、$n+13$ は 18 の倍数であることを証明する。

整数の性質倍数合同式証明
2025/7/27

正の整数 $n$ が与えられたとき、$n$, 175, 250 の最大公約数が 25 であり、最小公倍数が 3500 であるような $n$ をすべて求める問題です。

最大公約数最小公倍数素因数分解
2025/7/27

整数 $n$ について、以下の3つの命題を証明する。 (1) $n^2 + 3n$ は偶数である。 (2) $n^3 + 3n^2 + 2n$ は6の倍数である。 (3) $n$ が奇数ならば、$n^...

整数の性質倍数因数分解偶数奇数
2025/7/27

$m$, $n$, $k$ は自然数とする。命題「積 $mnk$ は偶数ならば、$m$, $n$, $k$ の少なくとも1つは偶数である」が真であることを証明する。

命題対偶整数の性質偶数奇数証明
2025/7/27

整数 $n$ について、「$n^3 + 1$ が奇数ならば、$n$ は偶数である」という命題を、対偶を用いて証明する。

命題証明対偶整数の性質偶数奇数代数
2025/7/27

整数 $n$ に対して、「$n^2$ が偶数ならば、$n$ は偶数である」という命題を、対偶を用いて証明する。

整数の性質命題対偶証明
2025/7/27

数列 $\{a_n\}$ があり、$a_1 = 3$, $a_2 = 2$ で、 $n \ge 2$ のとき $a_{n+1} = a_n^2 + a_n - 1$ を満たします。また、$n \ge ...

数列漸化式数学的帰納法代数
2025/7/27

問題は、3の累乗を並べた表とその各項を5で割った余りの表に関する問題です。 (1) 下の段(5で割った余り)の数のうち最も大きい数を求めます。 (2) 下の段の数を左から順に足していき、1番目から12...

剰余周期性累乗等差数列約数と倍数
2025/7/27

与えられた3つの数(50, 210, 693)をそれぞれ素数の積で表す問題です。

素因数分解素数整数の性質
2025/7/27