点 $(3, a)$ を通り、曲線 $y = -e^{-x}$ に2本の接線が引けるような実数 $a$ の範囲を求める問題です。 接点の $x$ 座標を $t$ とおくと、接線の方程式は $y = e^{-t}x - (t+1)e^{-t}$ となります。 この接線が点 $(3, a)$ を通るので、$a$ を $t$ で表した関数 $f(t) = (3e^{-t}) = (2-t)e^{-t}$ とおき、$y = f(t)$ のグラフを描き、$a$ の範囲を求めます。

解析学微分接線関数のグラフ指数関数極値
2025/5/24

1. 問題の内容

(3,a)(3, a) を通り、曲線 y=exy = -e^{-x} に2本の接線が引けるような実数 aa の範囲を求める問題です。
接点の xx 座標を tt とおくと、接線の方程式は y=etx(t+1)ety = e^{-t}x - (t+1)e^{-t} となります。
この接線が点 (3,a)(3, a) を通るので、aatt で表した関数 f(t)=(3et)=(2t)etf(t) = (3e^{-t}) = (2-t)e^{-t} とおき、y=f(t)y = f(t) のグラフを描き、aa の範囲を求めます。

2. 解き方の手順

まず、y=exy = -e^{-x} の導関数を求めます。
y=ddx(ex)=exy' = \frac{d}{dx}(-e^{-x}) = e^{-x}
接点の xx 座標を tt とすると、接点の座標は (t,et)(t, -e^{-t}) となります。
接線の方程式は、傾きが ete^{-t} で、点 (t,et)(t, -e^{-t}) を通るから、
y(et)=et(xt)y - (-e^{-t}) = e^{-t}(x - t)
y=etxtetety = e^{-t}x - te^{-t} - e^{-t}
y=etx(t+1)ety = e^{-t}x - (t + 1)e^{-t}
この接線が点 (3,a)(3, a) を通るので、
a=et3(t+1)eta = e^{-t} \cdot 3 - (t+1)e^{-t}
a=(3t1)eta = (3 - t - 1)e^{-t}
a=(2t)eta = (2 - t)e^{-t}
ここで、f(t)=(2t)etf(t) = (2 - t)e^{-t} とおくと、
f(t)=et+(2t)et=(1t)etf'(t) = -e^{-t} + (2 - t)e^{-t} = (1 - t)e^{-t}
f(t)=0f'(t) = 0 となるのは、t=1t = 1 のときです。
t<1t < 1 のとき、f(t)>0f'(t) > 0 より f(t)f(t) は増加し、t>1t > 1 のとき、f(t)<0f'(t) < 0 より f(t)f(t) は減少します。
また、tt \to \infty のとき、f(t)0f(t) \to 0 であり、tt \to -\infty のとき、f(t)f(t) \to -\infty です。
したがって、t=1t=1 のとき、f(1)=(21)e1=e1f(1) = (2-1)e^{-1} = e^{-1} が最大値となります。
y=f(t)y = f(t) のグラフは、t=1t=1 で極大値をとり、tt が大きいと y=0y=0 に近づき、tt が小さいと -\infty に発散するグラフなので、グラフの概形は選択肢の(1)〜(4)にはない。
しかし、接線が2本引けるような aa の範囲を求めるためには、極値と、tt が大きくなるにつれて 00 に近づくことを考慮すると、接線が2本引けるのは、a<e1a < e^{-1} のときであることが分かる。

3. 最終的な答え

a<e1a < e^{-1}

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