(i) 軌跡の描画
位置ベクトル rA(t) と rB(t) の式に t=0,1,2,3 を代入して、それぞれの位置座標を計算する。これらの点を結ぶことで軌跡を描画する。AとBを区別するために、異なる記号または色を用いる。 (ii) 角速度の定義と計算
一般的な円運動における角速度 ω は、単位時間あたりの回転角の変化率として定義される。 ω=dtdθ AとBの角速度を求める。
rA(t)=2(cos(3πt−6π)i+sin(3πt−6π)j) rB(t)=2(cos(6πt2)i+sin(6πt2)j) それぞれの偏角を θA(t)=3πt−6π および θB(t)=6πt2 とすると、角速度はそれぞれの時間微分で与えられる。 ωA(t)=dtdθA=3π ωB(t)=dtdθB=3πt (iii) 周期の計算
Aの角速度は一定であるため、周期 TA は次のように計算できる。 TA=ωA2π=π/32π=6 Bの角速度は時間によって変化するため、一定の周期を持たない。
(iv) 接線成分の計算と円運動の確認
速度ベクトルは位置ベクトルの時間微分で求められる。
vA(t)=dtdrA=2(−3πsin(3πt−6π)i+3πcos(3πt−6π)j) vB(t)=dtdrB=2(−3πtsin(6πt2)i+3πtcos(6πt2)j) 接線成分は速度ベクトルの大きさで与えられる。
vA(t)=∣vA(t)∣=2⋅3π=32π vB(t)=∣vB(t)∣=2⋅3πt=32πt Aの速度は時間によらず一定なので、Aは等速円運動である。Bの速度は時間に比例して増加するので、Bは等加速度円運動である。
vA(1)=2(−3πsin(6π)i+3πcos(6π)j)=2(−3π⋅21i+3π⋅23j)=−3πi+33πj vB(1)=2(−3πsin(6π)i+3πcos(6π)j)=−3πi+33πj これらのベクトルを軌跡上に図示する。
(vi) t=1 での加速度の計算と図示 加速度ベクトルは速度ベクトルの時間微分で求められる。
aA(t)=dtdvA=2(−9π2cos(3πt−6π)i−9π2sin(3πt−6π)j) aB(t)=dtdvB=2(−3πsin(6πt2)−9π2t2cos(6πt2))i+2(3πcos(6πt2)−9π2t2sin(6πt2))j aA(1)=2(−9π2cos(6π)i−9π2sin(6π)j)=−93π2i−9π2j aB(1)=2(−3πsin(6π)−9π2cos(6π))i+2(3πcos(6π)−9π2sin(6π))j=(−3π−93π2)i+(33π−9π2)j これらのベクトルを軌跡上に図示する。
(vii) t=1 での接線方向成分と法線方向成分の計算 接線方向成分は加速度ベクトルを速度ベクトルに射影することで求められる。法線方向成分は加速度ベクトルから接線方向成分を引くことで求められる。
atA(1)=0, anA(1)=∣aA(1)∣=92π2 atB(1)=3π, anB(1)=93π2 (viii) t=1 での加速度の大きさの計算 aA(1)=∣aA(1)∣=92π2 aB(1)=∣aB(1)∣=3π1+94π2 (ix) 加速度が異なる例
同じ半径の円運動で、等速円運動と等加速度円運動では、速度が等しい瞬間でも、加速度は異なる。
例えば、Aは等速円運動、Bは速度が最初は小さく、徐々に速くなる等加速度円運動の場合を考える。ある瞬間では速度が等しくても、加速度の接線成分はBの方が大きくなる。