以下の3つの問題を解きます。 (1) 周の長さが $l$ である長方形で、面積が最大となるものを求めよ。 (2) 半径が $r$ の円に内接する二等辺三角形で、面積が最大となるものを求めよ。 (3) 半径が $r$ の円に内接する長方形で、周の長さが最大となるものを求めよ。

応用数学最大化幾何学微分長方形三角形
2025/5/24

1. 問題の内容

以下の3つの問題を解きます。
(1) 周の長さが ll である長方形で、面積が最大となるものを求めよ。
(2) 半径が rr の円に内接する二等辺三角形で、面積が最大となるものを求めよ。
(3) 半径が rr の円に内接する長方形で、周の長さが最大となるものを求めよ。

2. 解き方の手順

(1) 周の長さが ll である長方形で、面積が最大となるものを求める。
長方形の縦の長さを xx、横の長さを yy とする。周の長さが ll であるから、
2x+2y=l2x + 2y = l
x+y=l2x + y = \frac{l}{2}
y=l2xy = \frac{l}{2} - x
面積を SS とすると、
S=xy=x(l2x)=l2xx2S = xy = x(\frac{l}{2} - x) = \frac{l}{2}x - x^2
SSxx で微分すると、
dSdx=l22x\frac{dS}{dx} = \frac{l}{2} - 2x
dSdx=0\frac{dS}{dx} = 0 となるのは、x=l4x = \frac{l}{4} のとき。
y=l2x=l2l4=l4y = \frac{l}{2} - x = \frac{l}{2} - \frac{l}{4} = \frac{l}{4}
したがって、x=y=l4x = y = \frac{l}{4} のとき、面積が最大となる。これは正方形である。
(2) 半径が rr の円に内接する二等辺三角形で、面積が最大となるものを求める。
二等辺三角形の頂角から底辺に下ろした垂線の長さを hh、底辺の長さを 2x2x とする。
円の中心から底辺までの距離を dd とすると、h=r+dh = r + d。また、x2+d2=r2x^2 + d^2 = r^2
したがって、x=r2d2x = \sqrt{r^2 - d^2}
面積 SS は、S=122xh=xh=r2d2(r+d)S = \frac{1}{2} \cdot 2x \cdot h = xh = \sqrt{r^2 - d^2}(r + d)
S2=(r2d2)(r+d)2=(rd)(r+d)3S^2 = (r^2 - d^2)(r + d)^2 = (r - d)(r + d)^3
u=r+du = r + d とおくと、d=urd = u - r
S2=(r(ur))u3=(2ru)u3=2ru3u4S^2 = (r - (u - r))u^3 = (2r - u)u^3 = 2ru^3 - u^4
d(S2)du=6ru24u3=2u2(3r2u)\frac{d(S^2)}{du} = 6ru^2 - 4u^3 = 2u^2(3r - 2u)
d(S2)du=0\frac{d(S^2)}{du} = 0 となるのは、u=0u = 0 または u=32ru = \frac{3}{2}r のとき。
u=32ru = \frac{3}{2}r のとき、h=u=32rh = u = \frac{3}{2}r
d=ur=32rr=12rd = u - r = \frac{3}{2}r - r = \frac{1}{2}r
x=r2d2=r2(12r)2=r214r2=34r2=32rx = \sqrt{r^2 - d^2} = \sqrt{r^2 - (\frac{1}{2}r)^2} = \sqrt{r^2 - \frac{1}{4}r^2} = \sqrt{\frac{3}{4}r^2} = \frac{\sqrt{3}}{2}r
底辺の長さは 2x=3r2x = \sqrt{3}r。高さは 32r\frac{3}{2}r
これは正三角形である。
(3) 半径が rr の円に内接する長方形で、周の長さが最大となるものを求める。
長方形の縦の長さを 2x2x、横の長さを 2y2y とする。
x2+y2=r2x^2 + y^2 = r^2
周の長さを LL とすると、L=2(2x+2y)=4(x+y)L = 2(2x + 2y) = 4(x + y)
x+y=L4x + y = \frac{L}{4}
y=L4xy = \frac{L}{4} - x
x2+(L4x)2=r2x^2 + (\frac{L}{4} - x)^2 = r^2
x2+L216L2x+x2=r2x^2 + \frac{L^2}{16} - \frac{L}{2}x + x^2 = r^2
2x2L2x+L216r2=02x^2 - \frac{L}{2}x + \frac{L^2}{16} - r^2 = 0
x=L2±(L2)242(L216r2)4=L2±L24L22+8r24=L2±8r2L244x = \frac{\frac{L}{2} \pm \sqrt{(\frac{L}{2})^2 - 4 \cdot 2 \cdot (\frac{L^2}{16} - r^2)}}{4} = \frac{\frac{L}{2} \pm \sqrt{\frac{L^2}{4} - \frac{L^2}{2} + 8r^2}}{4} = \frac{\frac{L}{2} \pm \sqrt{8r^2 - \frac{L^2}{4}}}{4}
8r2L2408r^2 - \frac{L^2}{4} \ge 0
32r2L232r^2 \ge L^2
L42rL \le 4\sqrt{2}r
LL が最大になるのは、x=yx = y のとき。
x2+y2=r2x^2 + y^2 = r^2 より、2x2=r22x^2 = r^2x=r2x = \frac{r}{\sqrt{2}}
L=4(x+y)=4(2x)=8x=8r2=42rL = 4(x + y) = 4(2x) = 8x = 8 \cdot \frac{r}{\sqrt{2}} = 4\sqrt{2}r
縦と横の長さは、2x=2y=2r2x = 2y = \sqrt{2}r。これは正方形である。

3. 最終的な答え

(1) 一辺の長さが l4\frac{l}{4} の正方形
(2) 一辺の長さが 3r\sqrt{3}r の正三角形
(3) 一辺の長さが 2r\sqrt{2}r の正方形

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