正の整数 $a$ に対して、ある整数 $b$ が存在し、$63a - 32b = 1$ を満たすとする。このような性質を満たす正の整数 $a$ のうちで最小のものを考え、このときの $a$ と $b$ の積 $ab$ の値を求める。

数論不定方程式ユークリッドの互除法一次不定方程式
2025/5/25

1. 問題の内容

正の整数 aa に対して、ある整数 bb が存在し、63a32b=163a - 32b = 1 を満たすとする。このような性質を満たす正の整数 aa のうちで最小のものを考え、このときの aabb の積 abab の値を求める。

2. 解き方の手順

まず、63a32b=163a - 32b = 1 を満たす整数 aabb を求めるために、ユークリッドの互除法を用いて 63633232 の最大公約数を求める。
63=32×1+3163 = 32 \times 1 + 31
32=31×1+132 = 31 \times 1 + 1
31=1×31+031 = 1 \times 31 + 0
最大公約数は 11 である。次に、上の式を逆順に辿り、63a32b=163a - 32b = 1 の形にする。
1=3231×11 = 32 - 31 \times 1
1=32(6332×1)×11 = 32 - (63 - 32 \times 1) \times 1
1=3263+321 = 32 - 63 + 32
1=32×263×11 = 32 \times 2 - 63 \times 1
したがって、63×(1)32×(2)=163 \times (-1) - 32 \times (-2) = 1 である。
aa は正の整数である必要があるため、この解を一般解の形に変形する。
63a32b=163a - 32b = 1 の一つの解が a0=1a_0 = -1b0=2b_0 = -2 であるから、a=a0+32ka = a_0 + 32kb=b0+63kb = b_0 + 63k (kは整数)と表せる。
a=1+32ka = -1 + 32k
b=2+63kb = -2 + 63k
aa が最小の正の整数となるように kk を選ぶ。
a=1+32k>0a = -1 + 32k > 0 より、32k>132k > 1k>132k > \frac{1}{32} である。
したがって、k=1k=1 のとき、a=1+32(1)=31a = -1 + 32(1) = 31 となり、aa は最小の正の整数となる。
このとき、b=2+63(1)=61b = -2 + 63(1) = 61 となる。
したがって、ab=31×61ab = 31 \times 61 を計算する。

3. 最終的な答え

ab=31×61=1891ab = 31 \times 61 = 1891
答え: 1891

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