座標空間内に2点A(1, 2, 0)とB(2, 3, -1)があります。直線$l$はAとBを通る直線です。点Pの座標は$P(t, -t, 3t)$で与えられます。直線$l$上に点Qがあり、線分PQと直線$l$は直交します。 (ア) 点Qの座標を$t$を用いて表しなさい。 (イ) $t$を変化させるとき、線分PQの長さが最小になるような$t$の値を求めなさい。

幾何学空間ベクトル直線内積最小値
2025/5/25

1. 問題の内容

座標空間内に2点A(1, 2, 0)とB(2, 3, -1)があります。直線llはAとBを通る直線です。点Pの座標はP(t,t,3t)P(t, -t, 3t)で与えられます。直線ll上に点Qがあり、線分PQと直線llは直交します。
(ア) 点Qの座標をttを用いて表しなさい。
(イ) ttを変化させるとき、線分PQの長さが最小になるようなttの値を求めなさい。

2. 解き方の手順

(ア)
まず、直線llの方向ベクトルd\vec{d}を求めます。
d=AB=(21,32,10)=(1,1,1)\vec{d} = \vec{AB} = (2-1, 3-2, -1-0) = (1, 1, -1)
次に、直線ll上の点をパラメータ表示します。点Aを基準にすると、直線ll上の任意の点Qは、ある実数ssを用いて以下のように表されます。
OQ=OA+sd=(1,2,0)+s(1,1,1)=(1+s,2+s,s)\vec{OQ} = \vec{OA} + s\vec{d} = (1, 2, 0) + s(1, 1, -1) = (1+s, 2+s, -s)
したがって、点Qの座標はQ(1+s,2+s,s)Q(1+s, 2+s, -s)となります。
次に、ベクトルPQ\vec{PQ}を求めます。
PQ=OQOP=(1+st,2+s+t,s3t)\vec{PQ} = \vec{OQ} - \vec{OP} = (1+s-t, 2+s+t, -s-3t)
線分PQと直線llが直交するため、ベクトルPQ\vec{PQ}と方向ベクトルd\vec{d}の内積は0になります。
PQd=(1+st)(1)+(2+s+t)(1)+(s3t)(1)=0\vec{PQ} \cdot \vec{d} = (1+s-t)(1) + (2+s+t)(1) + (-s-3t)(-1) = 0
1+st+2+s+t+s+3t=01+s-t+2+s+t+s+3t = 0
3s+3t+3=03s+3t+3 = 0
s+t+1=0s+t+1 = 0
s=t1s = -t-1
したがって、点Qの座標は
Q(1+(t1),2+(t1),(t1))=Q(t,1t,t+1)Q(1+(-t-1), 2+(-t-1), -(-t-1)) = Q(-t, 1-t, t+1)
(イ)
線分PQの長さを最小にするttの値を求めます。
PQ2=(t(t))2+(t(1t))2+(3t(t+1))2PQ^2 = (t-(-t))^2 + (-t-(1-t))^2 + (3t-(t+1))^2
PQ2=(2t)2+(1)2+(2t1)2PQ^2 = (2t)^2 + (-1)^2 + (2t-1)^2
PQ2=4t2+1+4t24t+1PQ^2 = 4t^2 + 1 + 4t^2 - 4t + 1
PQ2=8t24t+2PQ^2 = 8t^2 - 4t + 2
PQ2PQ^2を最小にするttを求めるために、平方完成を行います。
PQ2=8(t212t)+2PQ^2 = 8(t^2 - \frac{1}{2}t) + 2
PQ2=8(t212t+116)8(116)+2PQ^2 = 8(t^2 - \frac{1}{2}t + \frac{1}{16}) - 8(\frac{1}{16}) + 2
PQ2=8(t14)212+2PQ^2 = 8(t - \frac{1}{4})^2 - \frac{1}{2} + 2
PQ2=8(t14)2+32PQ^2 = 8(t - \frac{1}{4})^2 + \frac{3}{2}
PQ2PQ^2が最小になるのは、t=14t = \frac{1}{4}のときです。したがって、線分PQの長さが最小になるttの値は14\frac{1}{4}です。

3. 最終的な答え

(ア) 点Qの座標: Q(t,1t,t+1)Q(-t, 1-t, t+1)
(イ) 線分PQの長さが最小となるttの値: t=14t = \frac{1}{4}

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